14話 自然と集まる
「暴虐の限りを尽くしてやるよ、クソッタレ」
瞬間、左大臣が爆ける、だがしかし赤松は避けない!
「(命脈絶ってやる!)」
ギャリャ!ガギーン!、、、ブシャー!
「よし!、、、は?俺の、小指から人差し指は?(肉質が人のものじゃない!?)」
なんとハンドデュアルをコピーしてさらに自分の特性に合わせた改良を加えた爆ぜて相手を4分割するクロスチョップを叩き込んだ、だがしかし赤松の硬度に負けて両掌の指が折れたのだ。
「次は、俺の番だな」
速筋タイプならば筋肉は肥大化しており、急加速出来る、つまりはパワーが有るがその分持久力は無い。
遅筋タイプならば筋肉は小さい、パワーがあるわけじゃ無いがその分持久力に優れている。
この二つのタイプじゃあない、だからと言ってピンク筋、両方の性質を兼ね合わせている訳でも無い。
「(このタッパと肩幅、ガタイしてて体重は相当ある筈なのにクソ速い!?だが息切れ一つ、疲労する素振りすら見せねぇ!ここまで止めどないラッシュを持続してるってのに!)」
本来ならば50対50のピンク筋、やつの場合の比率は120対120、言うならば真ッピンク筋とでも言うべきだろうか。
「あんな俺の流儀じゃない(嵌め直せた、骨もくっ付いた)舐めるなよ!童ァァァ!」
ドガァーン!爆発的な打撃が赤松に当たる、だがしかし。
「この程度か?」
「(手首がっ!?)」
まだまだ辿り着いてはいない、だが似ていたのだ、彼に、収斂進化しつつあるのだ。
「(堂嶋様!?いや違う、面影に幻影が重なったのね)ふん、この紫苑を舐めないで頂戴」
瞬間だった。
「慣れたは御前等」
ドガァーン!左大臣の蹴りは。
「うぼ!?」
城ヶ崎の虚勢を破る。
「お前もだ」
ドガァーン!村雨に放たれた一撃より遥かに重い一撃で赤松は数千mと宙を舞う。
「(さっきより格段にパワーアップしてる!?違う、適応して有効打を編み出したんだ!)」
赤松の実力が強者、環境への順応によるものだと定義付けて左大臣は弱者の力を使ったのだ。
「人間の進化の本質は弱者が強者に勝つための工夫、試行錯誤だ、知性が育まれた理由たる脆弱性だ、お前が常に強くになるにつれて弱者の目線が無くなったんだろう!無自覚に実力を合わせていた、だから俺が今使ったジャブはあべこべになってる御前への有効打となった」
左大臣は赤松に対する有効打を得た。
、、、。
「堂嶋様は何故いつもほぼずっと赤松と御近くにいらっしゃるんですか?」
「奴の特徴さ、育成してやりたくなったんだ、その才能を」
実力の差が離れているほどにその逆境の巻き返しが効かない、苦しければ苦しいほどその苦境は濃さを増す、その幅は追い詰められれば追い詰められるほど、窮地に立たされる、逃道を無くされる。
「奴はそんな風に様々な要素・要因で自分自身が不利になればなるほど、不都合になればなるほど、強度を増す」
「つまりは、負けそうになればなるほど強くなるんですか?」
「ふむ、自分の勝敗が自分50対相手50から、自分が40対相手が60と、そんな自分が負けそうになるほどパワーアップするって?馬鹿言うなよ、そんなステージじゃねぇ、あいつがいるのは自分にとって悪い方向に進むか進まないかの指針が枢軸に成る、勝敗に於ける勝率が上がるとかそんなもんじゃない、そもそもが仕組まれた、運命的八百長のようなもの」
「宿命論とか決定論とかの類いですか?」
「あぁ、無慈悲な程、不条理な程、理不尽な程、その力は増しやがるんだ、つまりは変わらないレベルに不可能な、言ってしまえば次元の差だ、ステージすら違う観客とアイドル、いや違うな、さらに酷いもので貧民と富豪、そんな予め決まっている差ってのはそう言うものだ、それすら覆すのがやつの強情にして傲慢、我儘にして最高なる天秤からの離叛、乖離度的に力の差が開かれ、剥がれるほど発生する差を埋め合わせる、邪魔なものに背叛して捩じ伏せる、それが奴の特徴、叛逆だ」
、、、。
〔叛逆〕相手が強ければ強いほど自身はそのさらに上へ上がるようなもの、レボリューション、支配から脱却し、新たなる時代を齎す聖火。
「うらぁ!」
ドゴォーン!飛んでもないパワーが左大臣を襲う。
「うぐ!?」
「弱者?強者、そんな概念が定義可能な範疇ではもう無い、最強がどうだの、無敵だの、強弱の尺度、あの人には存在しなかった、あらゆる概念があの人を前に跪いた、車に轢かれたら死ぬって常識すら俺には超えられなかった、なのにあの人と一緒にいるうちに俺の現実は見る見る捻じ曲がった、本来なら非常識な筈がそれがなんとも無いようになって言った、トラックは俺にあたれば俺型の凹みが作られべちゃべしゃに慣性に叩き潰されるようになった、あの人の近くにいるだけで概念には至らぬが常識を超えたんだ」
「だからなんだぁ!」
ドゴォーン!金的が赤松を襲う、だがしかし。
「球が弱点だなんて常識、俺にはもう通用しない」
「ッッッ!?」
先入観とは新たな発見を無くしてしまう、常識に囚われてしまう、視野を狭めて想像のつかないものを想像のつかないまま終わらせてしまう。
ビットコインが高騰するなど誰が予想出来ただろうか?目先の利益、欲だけを追うだけでは二兎を追う者は一兎をも得ず、先回りするものに勝てない。
一石十鳥もの雁行を叩き落とす投石が在るのに梃子すら知らず、徒手で大岩を投げられると思い込む。
「はぁ〜」
「(さっきと比べ物にならない、なんなんだこいつは、時代の先取るような強さは、、、)」
「神の真似事が、この俺を先へと導いてくれる」
それは、堂嶋象形だった。
概念は定義を再定義して拡張が成される、邪魔ものを消したいとなった時、自分の主観的な尺度が概念を定義付ける、言葉や概念は想像力から範疇を広げていく。
「あぁ、目に映るものすべて何故今まで気づかなかったんだ、こんなにも色鮮やかで美しいなんて」
「(俺なんてまるで目に映りやしねぇ!?)
軍事的戦力、個々の武力、北条家が上回っていた筈だった、だがしかし違っていた。
「(圧倒的に強者の引力に惹かれて、過密情報に存在、概念が転がり落ちたんだ、本来変わらない地力が、変えられた、不変の真理を否定する、それが革命なんじゃないか?)うらぁぁぁ!(ならそれに適応し切ってやるわぁ!)」
ドガァーン!
「、、、終わりか」
「か、ん、、、敗、だぜ」
ドサ、、、左大臣VS赤松、勝者は。
「俺の勝ちだぜ」
「赤松!良くやったわ!」
「あいつ等を、援軍に行かなく、て、は(違うな、俺の勝ちだって?最後の最後に爆弾のこしていきやがって)チッ」
バタン、、、勝敗は、引き分けだった。




