駅の階段
急いで駅の階段をかけ上がると 途中に女の子がうずくまってました
見て見ぬふりも出来ず 言葉を掛けたのです
(大丈夫ですか?)
(だっ…大丈夫です)
どう見ても大丈夫そうじゃない
(救急車呼びましょうか?)
(大丈夫です 少し目眩がしただけですから)
そう言って女の子は立ち上がった が…まだふらついてる
放っては置けず私は行き付けの小料理屋へ女の子を連れて行ったのだった
駅から直ぐ側にある小料理屋へと女の子を連れて行くが暖簾は片付けてられてた
(あちゃ…どうしょうか)独りごと言いながら扉を開けると 奥から女将さんが
(ごめんなさいね~もう店早じまいしょうとしてるのよ)と聞こえた
(すみません上城です)
(あら ゆうちゃん どうしたの?)
(誰?その子)
(分からないんですよ 駅で気分悪いとうずくまってて 放っておくのも危ないし)
女の子を奥座敷に座らせ
(僕も独身だしアパート連れて行くわけにはね)
(大丈夫なの?救急車は?)
(それが大丈夫だって)
(貴女何処から来たの?名前は?)
(品川からです)
(品川?品川って…東の?)
女の子は店内をしきりに見ていた
(どうしたの?)
(此処は何処ですか?)
(福岡だよ 九州の福岡!)
女の子はそのまま気を失ってしまった
(大丈夫かしら ちょっと毛布持って来るから 今は動かさない方が)
(すみません)
女将は女の子に毛布を掛けてやると
(ね~ゆうちゃん その子手に何か持ってるんだけど 何?)
(手掛かり何かないかしらね)
(さぁ 何でしょう )
女の子の手には薄い黒い物を手にしっかりと握りしめてました。