竜尽くしグルメ
東京で希望の光を救出してから2日が経った。
本当は帰宅した日に竜の肉を食べようかと思ったんだが、どうせなら冬弥たちを誘ってみんなで食べるのもいいかと思って今日我が家に来ることになっている。
この2日間は何をしていたかというと東京から帰宅した翌日は家でのんびりしながら過ごし、2日目は暇だったので函館ダンジョンの4階の続きを探索して魚を何匹かと、2階と1階に行き果物と極上ミルクを補充してきた。
さて、今回のメニューはシンプルに竜肉の焼肉と竜肉の炙り寿司、竜骨のスープだ。下位竜には色々な属性がいるのだが今回は火竜だ、違う属性での食べ比べなんかをしても面白そうだ。
「さて、準備するか。といっても難しい料理は特にないな、スープを煮込んでいる間に肉寿司を作り軽く炙っておこう」
焼肉の準備は部位ごとに食べやすく切るぐらいでいいよな?あとはつけダレをたくさん用意しておくか。
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「おじゃましまーす!」
「呼んでくれてありがとう。今日めっちゃ楽しみにしてたんだ」
「これ良かったらみんなで飲もうかと思って酒買ってきた!」
昼過ぎみんながやってきた、手土産なんか別によかったのに。でも、こういうのもいいな、友達みたいな感じで接することが出来るなんて久しぶりだ。
「これ、従魔の狼くんには何のお土産がいいかわからなくて近くでコロッケ買ってきたの!よかったら食べてね」
『うむ、美味そうだ!』
フェンにまでお土産なんてありがたいな、今日は竜肉をたらふく食ってくれ。
「うわ、こんな美味しそうな肉なんて初めてだよ」
「俺たちもそれなりにいいもん食ってきたと思ってたけど、これを見るとな…」
さて、俺は焼き専になろう。まずは、ロースからだ、いい肉だから部位ごとに焼いて食べていこう。
「これはロースだ、焼肉のタレもあるがアレンジして色々タレを作ったから好みで選んで食べてくれ」
「どれが、どんなタレですか?」
焼肉のタレの他には、岩塩とレモンのタレやおろしポン酢、ワサビ醤油、柚子胡椒なんかがある。変わりどころといえば酒にみりん、醤油、砂糖に卵黄を入れすき焼き風なんかもおすすめだ。
「個人的にはこの、スライムから取れたチェダーチーズを極上ミルクでのばしたチーズソースも美味いんじゃないかと思ってる」
「うわぁ、絶対美味しいやつだよこれ!」
まあ、俺はまずそのまま塩胡椒で食べてみる。
「うんめ、肉がやっぱり美味いから塩胡椒だけでレベルが違うな」
「……っ!美味い…そして俺たち生きてるんだな…」
「そうね…なんとか生きてるわね」
「ブレス食らった時はもう死んだと思った」
冬弥が泣きそうになっているが、美味い肉はまだまだたくさんあるんだ、元気になってもらわないと困る。
「脚が千切れようが内蔵が潰れようが死のうが1時間以内なら蘇生できる。なんかあれば何時でも言ってくれ」
「──え?蘇生…?」
「ハハッ、泣きそうになって頭おかしくなったのかな。今死んでも生き返るって聞こえた気がしたよ」
「ああ、怪我した後遺症かもな。怪我は全て治ったと思っていたが頭がおかしくなってたか」
「いや、生き返るぞエリクサーで」
俺もさすがに何個もたくさん持ってるわけではないが、こいつらにならエリクサーを使ってもいいと思えるぐらいには仲良くなりたいと思ってるんだな…
「エリクサーなんて存在したのね…おとぎ話かと思っていたわ」
「同い年ぐらいだと思っているリックさんが規格外過ぎて…」
「ん?俺はお前たちの4倍ぐらいは生きてるぞ」
「へ〜4倍か。……4倍?」
まあ、不老だからこればかりは仕方ない。こいつらがおじいちゃんになっても俺の見た目は変わらないからな、それはちょっと悲しいかもしれない。
「おじいちゃん……」
誰がじいちゃんだ!自分で言うのはいいが人に言われると反論したくなるな。
「それよりこのスープが美味すぎるんだが」
お〜嬉しいな。それは火竜の骨をぐつぐつと煮込んでスープの出汁にした黄金色のスープだ。ああ、うまっ。
「え、骨を料理に使った…?武器とかにも使える貴重な素材だよ?」
「売ったらそれだけで数年は働かなくていいぐらいに稼げるのに…スープに…」
「まあ、金は困らないぐらいにはあるからな。それなら美味い飯を食った方がいいだろ。ほら、次は火竜のカルビだぞ」
ああ、胃もたれとか関係なく無限に食えるね。そういえばフェン、ずっと無言だけどそんなに美味い?
『うむ、久しぶりに竜の肉を食ったがめちゃくちゃ美味いぞ!』
そりゃあそうだろう、前までは生か塩味しかなかったんだからいくら肉が美味くても日本の調味料には勝てないよ。
「この肉寿司も普通なら軽く炙っただけじゃ怖いけど、新鮮な火竜の肉だから出来ることだし、リックさんの浄化魔法様様だね」
歩美は肉寿司が気に入ったみたいで美味そうに食べている。確かに浄化魔法はあると便利だよな、1家に1台的なあれだ。
「みんなまだ食えるか?最後に軽く1品作ろうと思うんだが」
『食えるぞ!』
おまえが食えることは知ってるんだよ。本当にうちの狼は…誰よりも食ってるよね?
「うん、まだ少しなら食べられるけどこんなに作ってもらったのにまだあるのかい?」
よし、じゃあ作るか。少し厚切りにした火竜の肉は塩胡椒を振り、変わらず網で焼いておいて、その隣に鉄板を置く。
スライスしたにんにくを焼き、そこにご飯と隣で焼いていた肉を食べやすく切ったのを加える。さらにバターと醤油をちょろり、ネギを乗せ完成だ。
「これは……随分と贅沢なガーリックライスだ」
『我にも早く寄越せ!』
ガーリックライスはほとんどフェンの胃に入り、追加で作る羽目になった。
──こうして楽しく長い夜が過ぎていった。




