S級冒険者現代へ行く
ここは異世界アステリア。アルバン王国の王都王城にて国王と宰相に絶対に逃がすまいという気迫で自国への勧誘を受けている男がいた。
「リック・ハンストンS級冒険者もいいが、うちの近衛騎士団の団長にでもならんかね?」
何言ってるんだこいつは…1つの国に縛られたくなくて冒険者になりただでさえ唯一のS級になってしまったばかりに指名依頼などで制限されたりしてるというのに。そんな事を言う国王にイライラしてくる。
「ありがたいお話ですが申し訳ありません。私はどこにも縛られず自由に冒険してる方が性に合ってまして」
こいつらが他国に俺を行かせたくなくて囲みたい気持ちも分からなくもないが、どこの国に行っても兵器みたいな扱いで戦争にでもなれば余計にめんどくさいことになる。俺がいれば負けることはほぼないからな。それぐらい俺は強くなりすぎた。
それなのに国の犬になるわけがないだろう。
───その後も王都に家を構える気はないかだとか、爵位を与えようとか、第1王女と婚約しないかとか1時間近くしつこく粘られた。
この国は残念ながら王子がいなく、王女が3人いるだけだ。婚約なんかしたら次期王になるかもしれないじゃないか…そんなのは死んでも嫌だ。苦笑いで誤魔化しつつなんとかいつも泊まってる宿屋まで帰ってきた。
自室のベッドに横になり、これまで長いこと過ごしてきたこの世界についてふと思う。
「───疲れた。もう誰も知らない所へ行きたい…」
そう呟き、眠りについた。
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「おぬし、ちょっと起きてくれ」
ふと、どこからか呼ばれたような気がして起きようとするも夢なのかよくわからない空間にいた。そこには見るからに神様ですとでもいうような爺さんが立っていた。
「──初めまして」
挨拶はしておいた方がいいだろう、神様かはわからないが第一印象は大事だ。なにか気付かぬうちにやらかしてしまったのかもしれない。呼ばれるようなことはしていなかったと思うが……
「おぬし随分落ち着いておるな。まあ、話しやすくて助かるわい。特になにもやらかしてはおらんよ。……まあ、なんだあれだ、この世界はおぬしには少々生きずらい環境になってしもうた、すまない」
おっと、思っていることが読まれた。なぜこの爺さんが謝るのかはわからないが生きずらい環境になったのは間違いないな…
長いこと住んでいるがどこに行っても扱いは一緒だ。
「確かに。強くなりすぎて生きずらさを感じてはいますね」
「そこでだ、おぬしはスキルで不老でもあるし少しの間休暇だと思って違う世界に行ってみないか?何年、いや何十年かしてこちらの世界で普通に暮らせるようになったら帰ってきてもいいしのぅ」
───違う世界だと?そんなことが可能だというのか…。いや、可能なんだろうな神様っぽいし。
「是非お願いしたい。もう本当に誰にも知られていない所へ行きたいんだ…!」
「おっ…おう。そんなにか…。そこは地球という世界で争っている国はあるが、日本という国に送ろうと思っておる。今は戦争もしていないし治安も割と良い。そして何より飯が美味いんだよ」
リックは飯が美味いという言葉を聞いた瞬間、爺さんに早く転移してくれとすごい剣幕で迫っていた。
リックは長いこと生きてきて何より飯の不味さに飽きていたのだ。
そして諸々と説明を軽く受け次に気づいた時には現代日本に転移していた。
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