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新たなる世界へ  作者: パルス


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第5話 「初めての共同探索」


朝の柔らかな光がシェルターに差し込む頃、リックはゆっくりと目を覚ました。

昨夜のことはまだ少し胸に残っていたが、朝の光を浴びると自然と気持ちが落ち着いてきた。

隣ではエレノアがすでに起きていて、焚き火の残り火を優しくかき回し、簡単な朝食の準備をしていた。

「おはようございます、ご主人様」

「……おはよう、エレノア」

リックは穏やかに微笑みながら返事をした。

エレノアも優しく微笑み返し、2人は静かな朝食を共に取った。

リックが切り出した。

「今日は洞窟に行こうと思う。

 魔物の素材を集めて換金しつつ、戦闘にも慣れたい。

 お前と一緒なら、もっと安全に、効率的にやれそうだ」

エレノアは微笑みながら頷いた。

「はい、了解しました。

 私が風の加護で索敵をしっかりやります。

 ご主人様が土で足を止め、私が矢で援護する……そんな連携でいきましょう」

朝食を終えた2人は準備を整え、リックが転移を使って洞窟近くまで移動した。

洞窟内では複数の魔獣と遭遇したが、2人の連携は少しずつ息が合ってきた。

リックが大地同調で足を止め、エレノアが風を纏った矢で正確に仕留める。

戦闘後、リックは息を整えながら笑った。

「前より土の反応が速くなった気がする……お前と一緒だと全然違うな」

エレノアも優しく微笑んだ。

「ご主人様の土が足を止めてくれるおかげです。

 少しずつ、息が合ってきましたね」

素材(牙、皮、魔石など)を十分に回収した後、2人は洞窟から出て街へ立ち寄った。

街は活気に満ち、露店から焼きたてのパンやスパイスの香りが漂っていた。

探索の疲れを癒そうと、2人は小さな酒場に入り、軽い果実酒と一緒に温かい肉の煮込みと新鮮なパン、チーズを注文した。

リックはパンをちぎりながら、ほんのり顔を赤らめて言った。

「この煮込み、いい味だな……

 街に来ると、こういう温かい食べ物が染みるよ」

エレノアはフォークで肉を一口食べ、目を細めて微笑んだ。

「本当に……優しい味ですね。

 果実酒と一緒に食べると、疲れが少しずつ溶けていくようです」

すると、隣のテーブルで冒険者たちが自然に話している声が聞こえてきた。

「今日の魔獣の牙と上質な皮、換金所で思ったより高く売れたぜ。

 特に魔石はいい値がつくんだよな。

 素材は冒険者ギルドに持ち込めば、さらに高く買い取ってくれる場合もあるらしいぞ。

 ギルドは街の中央にある大きな建物で、依頼の管理や報酬の支払い、素材の鑑定・買取をやってる。

 ランク制度もあって、Cランク以上になれば洞窟や迷宮の依頼も受けやすくなるって話だ。

 新人でも簡単な素材持ち込み依頼から始められるらしい」

リックは耳を傾け、杯を軽く置いてエレノアに小声で言った。

「……聞いたか?

 魔獣の素材は結構高く売れるらしい。

 しかも冒険者ギルドに持ち込めば、鑑定してもらえてさらに高値がつく場合もあるんだな。

 ギルドは依頼の管理もしてるから、将来的にはそっちの依頼も受けてみる価値がありそうだ」

エレノアは頷き、柔らかい目でリックを見た。

「はい。

 ご主人様のアイテム収納があれば、たくさん持ち帰れますね。

 冒険者ギルドの存在を知っておくと、今後の探索の幅が広がりそうです」

2人は軽く笑い合い、杯と食事をもう少しだけ楽しんだ。

酔いと満腹感が混じり、会話は自然と柔らかくなり、互いの距離が少しだけ近くなった気がした。

街での短い休憩の後、2人は転移で拠点に戻った。

夜、焚き火を囲む頃。

リックはエレノアの横に座り、今日の探索を振り返りながら言った。

「今日は本当に助かった。

 お前と一緒なら、これからも続けられそうだ」

エレノアは焚き火の光に照らされながら、柔らかく微笑んだ。

「私もです。ご主人様と一緒にいると、毎日が少しずつ楽しくなってきます」

その夜、2人は自然と寄り添うように過ごした。

エレノアはリックの胸にそっと体を預け、指先で肩や背中を優しく撫でながら、

「ご主人様の疲れを、今日はもっと丁寧に癒して差し上げますね……」と囁いた。

彼女はリックの首筋に唇を寄せ、温かい息を吹きかけ、ゆっくりと体を重ねた。

柔らかい肌が優しく触れ合い、温もりが静かに広がっていく。

2人の吐息が重なり合い、焚き火の柔らかい光の中で穏やかに溶け合った。

やがて、静かな余韻の後、エレノアはリックの胸に頰を預け、満足げに息を吐いた。

「ご主人様……とても温かいです」

リックは彼女の髪を優しく撫で、静かに微笑んだ。

焚き火の炎が、二人の影を長くシェルターの壁に映していた。

初めての共同探索を終えた夜、

遅咲きの物語は、静かに次のページをめくり始めていた。


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