真夜中の人々編 2
「それはどういう事ですか?」
迷わず即、聞き返した
「正確にはここにいては行けない…、帰れないというのであれば帰らなくてもいいから離れなさい」
言葉には重みがあり、かすれた声ながらも気迫があり
視線も強く、悪寒さえ覚えた
言葉を受け取ると同時に自然と足が外に向かった
外に出でも行く場所はなく、自然といつもの場所に逃げ込んでいた
あそこにいたら何が起こったのかは当然気になったが
今はそれよりも、離れる事に体が集中しているようだだった
落ち着きを取り戻した頃、足に違和感を感じ自分の足を見ると
右膝だけに白い粉のような物がかかっている
粉というか、ガードレールなどに触った時につく
あの独特の白い物に似ている
臭いもない
トイレでハンカチを濡らし、サッと拭くと簡単に拭き取れたが
そのハンカチは何となく気味が悪いのですぐにゴミ箱に捨てた
捨てたと同じにハンカチは煙のように消えたの見た。
何故かは知らないが、まったく驚かなかった
むしろ消えてなくなってくれた事にホッとしているのが自分でも分かる
――何だったんだあれは?――
そう思ったのは席について数分後
もう、これが過去の事になった時だ
ここまでの流れで
あの場所にいたら危険というのはこの白い何かの事である、という所までは分かったが
これがどう危ないのかは今だに不明であるが
あれから一度も経験した事がなく、同じ経験をしたという声もない
もうずっと前にあった過去
誰に話す事もなく、何かに記録する訳でもなく
近い将来に忘れられるだけの物




