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俺のチート能力で異世界無双計画はどこいった?〜「木の枝」と「経験値1.2倍」でダンジョン探索〜  作者: KATARIBE


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第1話 異世界転移と、俺のクソ能力

「うおおおおお! 俺の異世界無双計画はどこいったんだよぉぉぉ!」俺は叫んだ。


目の前には、ぬめぬめと光る巨大なスライムが、ぶよんぶよんと体を揺らしながら迫ってくる。


その巨体は、先ほどまで俺がいた日本の交差点で見たトラックよりも遥かに大きく、そして何より、殺意に満ちていた。


――ああ、そうだよな。俺、異世界にいるんだよな……。


数時間前、俺は人生の絶頂にいた。憧れの同級生、美咲との初デートの約束を取り付け、浮かれ気分で信号を渡ろうとした、その時だ。


トラックの急ブレーキ音と、美咲の悲鳴。


そして、視界が真っ白になったかと思えば、次に俺が目にしたのは、見慣れない森の風景だった。


「女神様! チート能力は!? 俺のチート能力はどこ行ったんですかぁ!?」


転移の際、確かに光り輝く女神様がいた。

そして、こう言ったのだ。


「そなたに、この世界で生き抜くための力を授けよう」と。


だが、何を悩んだのか、俺は「えーと、やっぱり攻撃力アップとか、魔法使いなら最強魔法とか、あとはハーレム展開とかも捨てがたいし、いやでも、やっぱり安定して強いのが……」と、優柔不断を発揮。


結果、女神は呆れた顔で「時間切れです」と一言。

俺に残されたのは、たった二つの能力だった。


一つは「経験値1.2倍」。

これは地味だが、まあ悪くはない。

問題はもう一つだ。


「投げた木の枝を狙った場所に当てる」――通称、「木の枝投げ(必中)」。


「クソ能力にも程があるだろぉぉぉ!」


目の前のスライムは、俺の絶叫を嘲笑うかのように、さらに大きく口を開けた。

粘液にまみれたその口から、腐敗したような悪臭が漂う。

このままでは丸呑みだ。


――やばい、マジで死ぬ! 

こんなクソ能力でどうしろってんだよ!


「くそっ、こうなったら……!」


俺は咄嗟に足元に転がっていた小枝を拾い上げた。長さは十センチほど。

こんなもので、あの巨大スライムに何ができるというのか。

しかし、俺の脳裏には、女神の言葉が蘇っていた。


「狙った場所に、必ず当たる」


俺はスライムの巨体を凝視した。

どこだ?

どこを狙えば、この状況を打破できる?


その時、スライムの体表に、わずかに色が濃い部分があることに気づいた。

おそらく、核のようなものだろう。


――これしかねぇ! 当たれば、何か起こるはず!


「これだ!」


俺は小枝を構え、渾身の力で投げつけた。

小枝は空気抵抗などまるで無視するかのように一直線に飛び、そして、スライムの核と思しき部分に、寸分の狂いもなく突き刺さった。


「ブジュルルルルルルルルッ!」


スライムは断末魔の叫びを上げ、その巨体を大きく揺らした。


そして、みるみるうちにその体を縮ませ、最後にはドロドロとした粘液の塊となって地面に崩れ落ちた。


そこには、わずかなゼニー(金銭)と、光り輝く小さな魔石が残されていた。


「やった……のか?」


呆然と立ち尽くす俺。


まさか、本当に「木の枝投げ」でスライムを倒せるとは。

だが、俺の顔には、安堵よりも先に、新たな絶望が浮かんでいた。


「これ、毎回木の枝拾って戦うのかよ……俺の異世界無双計画、マジでどこいったんだよぉぉぉ!」


大翔ひろと

•ジョブ: 双剣使い

•スキル: 経験値1.2倍、木の枝投げ(必中)

•ステータス:

•力: F

•器用さ: E

•魔力: G

•素早さ: E

•体力: F

•魔法耐性: G

•幸運: B


こうして、俺の異世界での、地味で、しかし確実に「バズる」冒険が幕を開けたのだった。(続く)

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