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死神の異世界配属騒動 異世界転勤したら死亡率が高すぎて仕事が終わりません  作者: 海苔


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転勤辞令

 

 死神、それは死を招く不吉の象徴・・・なんて言われてるけどさ、そうじゃねえんだよ。

 まあ、何故いきなり死神の話をしたのかと言うと、それは私が死神だから。

 あ”あ”あ”ぁ”ーーー待って、逃げないで!!!!

 違うから!中二病の痛い奴じゃないから!!ついでに言うと、死を招いたりしないからぁ!お願いだから愚痴を聞いてくれぇーー!


 ・・・・・・コホン。すいません。取り乱しました。

 えーと、取り敢えず自己紹介を。

 私はライ。(たましい)の管理場・・・輪廻組合(りんねくみあい)というのですが、そこの社員で魂回収係に所属しています。

 魂回収係の業務は名前の通り、魂の回収。死亡し、肉体と魂が離れると魂は識別所へと向かいます。ちなみにですが、肉体と魂の分断、これを縁離(えんり)と言います。識別所では魂の分類が行われそれぞれ行く先が異なります。面倒なのでざっくり言いますと、魂は3つのグループ

『極楽』『地獄』『輪廻』に分けられます。3分割してそこからさらに分けられるんですが、今回は割愛します。それよりもグループの基準と内容です。こちらの方が今後聞くこと多いでしょうし軽く説明を。


 まず、『極楽』。こちらは疲れている魂や、次の生に行きたくない魂など、休息を必要としている方が集まります。行先は労魂街。簡単に言うと魂の休憩場所です。


 次に『地獄』。これはまあ、創造しやすいんじゃないでしょうか。まず、人間のお話で出てくるような地獄を想像していただいて、それの悪辣さを100倍から1000倍程にしていただければ『地獄』の完成です。

 とりあえず怖い場所、という事さえ覚えていただければ。

 因みにですが『地獄』の職員は怖い人が多いです。生前に悪人を謳歌した人はその性格が抜けきっていませんからね。取り押さえられるように強くないといけませんから。必然的に、強面でガタイの良い人が集まります。たまに強面でガタイも良いのに性格は可愛い系の方も居ますが・・・あれは例外で。ドSもいますがこれまた例外。


 そして『輪廻』。こちらでは休憩無しで次の生に行きたい方が集まります。意匠場(いしょうば)・・・まあ、市役所みたいなもんです。そこで次の生の種族、性別、容姿、寿命等の設定を行います。終わったばかりの生で徳を積んでいた場合は特殊設定やちょっとした能力を付けることも可能です。     

 特殊設定は孤児がいい、長生きの親の元がいい、等。「こういう設定の生を過ごしてみたいから徳を積みやすい性格にする」という方もいらっしゃいます。

 能力、というのは所謂‘‘超能力‘‘ですかねぇ。物を浮かせたり、透視したり、心の声を聴いたり・・・という王道から、霊が見たい等といった心霊系。動物、虫と話したいというものまで、各種取り揃えております。


 ちなみに、虫などを選ぶ者は居ないと思われがちですが、普通に居ます。多いのは子供であったり、虫好きだったり、特に好きでもないが興味本位で・・・という方も。さらにちなむと、Gの中身の殆どが虫好きの方です。一回人間やって満足した方、最初の生からずっと同じ種族の方、人間関係だったりで疲れた方等。病気などで短命な人間をずっと繰り返している方もいらっしゃいます。

 なんか、20年以上は飽きてしまうようで、最近の平均寿命は1桁となっております。寿命の長さ、それでいくと虫がおすすめなんですが、虫嫌いでして。思い返すとどの生でも虫に会うと泣き叫んでいた、とご本人に聞きました。伺った時も叫んでいたので、思い出すのも駄目らしいです。まったく、生者だったら鼓膜敗れてましたよ。死神でよかった。


 あと、社員もですが、魂も人手不足です。死神の場合は作成方法が面倒なのと、色々と教え込む為、すぐに使えるようにはなりません。魂は1つの世界ごとにだいたいの数が決まってまして、その世界の上限に収まるように管理されています。で、人手不足というのは少子高齢化の事ですね。人間の平均寿命が高くなり、生者の中の高齢者の割合が高く、生まれ変わりに回す魂が足りなくなってきていて子供が増えないということに・・・。

 昔は短期で終わるからちゃんと回ってたんですけどねえ。この際上限増やしてくれないかな。


 っと、電話ですね。ちょっと失礼。

『はいどうもーみんな大好き上司の苦田(クダ)でーす』

「切っていいですか」

『待って待って待って。冷たくない?君の上司よ俺?』

「面倒なんで。あれです、ウザいってやつですよ」

 若者用語だった気がする。こっちからすれば生きてる奴は全員若者ですけども。

『すんごい人間味溢れた死神だね?あと少しは隠そう?はっきり言いすぎだって』

「はあ。用件は何です」

『あ、人事から異動届だって』

「あんたですか?私ですか?」

『この流れで君じゃない事ある?』

「ごく偶に」

『そっか何回かやっちゃってたんだっけ・・・じゃなくて!君が移動となりました』

「あー、部署移動ですか」

『まあそうかな。仕事内容は特に変わんないけど』

 現在は地球の魂回収部、日本地区人間担当である。他の国ほど広くないから移動距離は少ないが、密度が酷過ぎて辛い。日本が狭いからって理由で二人体制でしたが何か。

「移動先は?」

『異世界』

「やっぱりふざけてますね切ります」

『御免って、ジョーダンジョーダン。冗談だから!』

 何が異世界だこのおふざけ上司が。どの世界だろうと異世界扱いに決まってんだろ。

「早くしてもらえます?仕事残ってるんで」

 まだ予定が詰まっているんだ。認知症の片の回収なんだぞ。時間掛かるから本当早くしてほしい。

『あのー、新しく活動を始めた世界なんだよ。基盤がちょっとアレでさ。そこの死神第一号になって欲しい』

「つまりワンオペしろと」

『その通り』

 画面越しに聞こえる指パッチンの音が大変腹立たしい。こういうところで此方の神経を逆なでしてくるんだよなあ、早く切りたい。

「頭可笑しいんじゃないですか」

『俺に言わないで?決めたの俺じゃないからね?』

「腹立ったんで」

『八つ当たりじゃん怖。そこの統治神、新人なのよ。けっこーミスあるの』

「は?尻拭いとか嫌ですけど」

 面倒臭い。

『分かってますって。流石にそれは死神の仕事じゃない。たださあ、其処・・・ちょっと問題があるんだ』

「問題?」

 何だそれ。

『人が死にまくるの』

「は?」

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