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ルナリーナの普通じゃない日常  作者: 脇野やく
第二章 覚醒の儀ともうひとりのルナ カルデア暦2378年 ミドルブルー
24/32

2-4 ルナと覚醒の儀 衝突

新年おめでとうございます~


大人ってかなり難しい者ですよね、特に子供の前では社会のしがらみに子供の教育、更には自分の本音で雁字搦め。

社会的に正しい行動、個人的に楽な行動、それに倫理的に正しくも社会的に間違っている行動。どれも正しく、どれも間違い。大人はそれに悩むが、子供は思うがままに動く。

だからリンナは判断に遅れて、ルナが暴走じみた行動を取るのも子育てのあるあるかも知れません。

私には年の離れた弟があるので、そういうのが身に沁みて分かる。

それでは本編をどうぞ~

いつもであればリンナはこういう手の相手との衝突を避けるためにサッと道を譲るでしょう。格上か、変な正義感を持つバカでもなければこういうのとは争わない。そしてリンナは正義感はあれどバカではない。

でも今日は子供であるルナたちを連れている。果たして道を譲る事はそんな子供の教育に良いのでしょうか?逆にもしも譲らないで教育に良いのでしょうか?後々で面倒ごとが起きるのではないでしょうか?そう言って事が彼女を困らせ、結果として今彼女たちと相手は避けるに避けれない、そんな距離になってしまった。

前もって避けるのならともかく、相手は二等貴族の長女とはいえど正式に貴族となってはいないので法律上、今はリンナの方が格上。かと言って後々で問題になったらなったで相手の方の家格が上。微妙な力関係にある故にやっぱり避けておけばいいと心の中で後悔するリンナだった。


「あああ?テメエら何余裕そうな顔してボケてんだ?ロランディ家の長女が通るのに道を譲らねえとか、死にてえのか?」

「はぁぁぁ」頭が痛いとはまさにこの事、一応の格下相手にこんな言いようをされたら貴族しがらみ上、黙ったままでは居られない。超がつくほどの面倒ごとが待っているとわかっていながらもやらなければいけないとはホント、ご愁傷さま。


「あああん?なにため息ついてやがるこのくs「ゴっギュ!」ぎゃあああああああああアアアアアアアア」

あっ!コイツ言ってはならない事を!しかもリンナに詰め寄って肩を掴もうとしやがったよ!

ありゃりゃ~死んだねコイツ、男として

見れば一応護身用にと持ってきたルナのメイスがその男の大事な所にめり込んでったではないか。しかも骨がグッチャグチャの粉々になるような声も聞こえてたよ?大事な物があった場所を手で抑え込んでいるが、赤黄いものがそこからズボンを濡らしていくではないか。

やった本人は無表情のままだが、どことなく怖いオーラを出している。手が全くメイスに触ってなかったのにいつの間に握ったの、ルナ様?あっはい、戦技ですかそうですか、ご説明ありがとうございます。

いやあ~マザコンのルナの目の前でリンナに手を出すなんてダイナミック自殺ももうちょっといい方法がないのかしら~?やだなー

それにしても何が起きればこんな奇妙ないろの液体が人から出るのでしょうね~人体の神秘ですね~


うん、現実逃避はここまでとして、それはもうポカンとしたこの場にいる全員の頭の中はこの時きっと皆同じく真っ白でしょう。

「な、な、な」

「え?」

「は?」

「あれ?」

……

間の抜けた様々な声が聞こえる中、ようやく仲間が去勢された事実に気がついた三人の護衛(ルナの護衛もセヴェーラの護衛も、しかしてこの世界の護衛は皆駄目駄目なのかしら?)gが武器を抜いて殺気立っルナたちを睨みつける。

勿論、セヴェーラは今もあわわと慌てています。

その後、ようやくマキナ家の方の護衛も事態の重さに気づいて武器を構える。うん、もう突っ込みませんよ、ええ。

この反応の悪さこそが大事な時貴族の護衛依頼が冒険者に行く理由ですね~と呑気に言える状況だったら良かったけれどな


一触即発のただならぬ雰囲気のなかに突如として乱入者が現れた。

「双方、武器を下ろせ!」

その者は覇気のある命令を出して、両方の中間に入ってきた。爽やかな顔立ちにキラキラの金髪、鍛えられた細マッチョバディでかっこいいという言葉を体現しているような動きで割り込んできた彼は一瞬にして場を支配して見せた。カリスマ溢れるこの男に一瞬怯む護衛たち、でも武装は解除しなかった。

ルナはというと無表情のままでメイスを背中に戻した。

そしてリンナのサインでマキナ家の護衛たちも渋々武器を下ろすのと対照的に、セヴェーラが慌てて出した命令にはやっぱり従わないロランディ家の護衛。


「……なるほどなるほど、これはこれは。どうやらこの者たちはロランディ家の護衛を装った偽物のようですね。

残念だ。実に残念だ。そういった詐欺は見つけ次第斬り殺すべきと法が決めているのです。まさかこのような大事な儀式の日で死人を出さなければならないとは、実に残念なことだ。」

「は?何を言っt」

薄黄色の光が男の右手に嵌っている腕輪から一瞬だけでて、次の瞬間には蹲っている男含め、ロランディ家の護衛四人が跡形もなく消えた。うん、こうして見ると男としての命など意味なかったね、だって人生も一緒に終わったし。


二度の沈黙が訪れた。何が起こったのかさっぱり分からない、それがこの場にいる殆ど全員の感想でしょう。

「どうせそこに居るロランディ家のご令嬢を誘拐でもしようとしたでしょうが、この私の目は騙せないよ。命令を聞かないのだから家臣である筈もなかろうし、もしも本当に家臣であったとしてもその行いなんだから自業自得だ。」

そう芝居がかった言葉を吐く男、最早棒読みで吐くその様子はなんとも言えない感じがするが、やったことがことなので逆に怖い。

「それにしてもさっきのあれは実にいい一撃だったね、白いお嬢ちゃん。犯罪者には容赦しない、それをわかっている者にしかできない迷いのない一撃だ!」体を翻ってそうにっこりとルナに微笑みかけながら言う男。彼の意識の中には既に先程消された四人の事など一欠片も残されていないでしょう。

警戒しているルナ(無表情)に「ああ、そういえばまだ自我紹介しなかったね、美しいお嬢様方」とやっぱり芝居がかった様子で言う男。

「私はヘルゲ。ヘルゲ・S・ドラゴンスレイヤー、よろしくな美しいお嬢ちゃん」

うざいウィンクをキメる男改めヘルゲ、どうやら波乱はまだまだ続くようだ。

実際のところルナがやったのは天龍帝国の法律上なんの問題もない事です。

天龍帝国では一般的に付き人は主の1.5ランク下で、覚醒前の子供は家の1.5ランク下扱い。覚醒したら家の1ランク下で、跡取りと明言されたら0.5ランク下扱い。そして本妻は家の0.5ランク下扱いだが、異性との肉体接触に限って家の格と同じ(そうしないといろいろと問題があるので)。

そしてランク差が2以上あれば暴言に肉体攻撃未遂の二重罪で切り捨てても問題ない。

今回は護衛が五等でリンナは三等扱い、なのでルナが攻撃しても問題ない。でも後々で文句を言われるから面倒ごとになる。

でもヘルゲが落とし所を作った御蔭でロランディ家が蒸し返そうとするにも格上が解決した事に文句を言う形になる。最初に問題があるのはロランディ家だから彼らがひっくり返すには傍観者を買収する必要があるが、下のやつに味方して上のヘルゲの不満を買う馬鹿はいない。そしてそんな彼が褒めたことでルナの正当性がさらに保証されるようなものである。



ヘルゲ・S・ドラゴンスレイヤー

金髪赤目細マッチョ爽やかイケメン。SSランク冒険者にして竜殺し、その功績によって特等貴族の位を得てドラゴンスレイヤーの名字を授かった。魔闘気の使い手で得意属性は光。

芝居がかったた表現が好きでそのセンスはやばいほどダサい。でも芝居していない時はかっこいい。つまり残念イケメンの典型。

過去で悪質貴族によって被害を受けたことがあったせいでそういうのに過激。


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