まりもとピクニック
生成AI(Grok)による本文作成を行い、微調整しています。
苦手な方はご注意くださいませ。
ようやく過ごしやすくなったある日、窓から差し込む光は、夏が置き忘れていったように、もう熱を持たず、ただ柔らかかった。
「ねえ、ピクニックに行かない?」
ふとした私の提案に、まりもはソファからちらりとこちらを見た。淡い緑の長い髪が肩に流れ、濃い緑の葉模様が窓の光を受けて静かに揺れている。
「なんだ、それは」
「外でごはんを食べたり、のんびりしたりするやつ。公園とかで」
「……人間の遊びか」
「たまにはどう? いい天気だし」
まりもは少し黙ってから、低く答えた。
「……まぁ、たまには、いいか」
午後、近所の公園へ向かった。芝生が広くて、木陰もある。人はそれほど多くない。シートを広げて座ると、風が穏やかに髪を撫でていく。まりもは周囲を観察するように見渡したあと、静かに隣に座った。
「悪くないな。騒がしすぎない」
「でしょう?」
持ってきた簡単なものを分け合いながら、しばらくのんびりと過ごす。まりもはあんこ餅を少しずつ食べ、時々遠くの木々を見ている。森とは違うが、緑があるだけで落ち着くらしい。
陽射しが心地よくて、私は次第にまぶたが重くなってきた。うつらうつらとすると、まりもがこちらを見た。
「眠いのか?」
「……ちょっと」
少し間が空く。
「テレビで見た。人間は、誰かの膝で眠ることがあるらしい」
「え」
「……試しに、ここに頭を置け。嫌ならいい」
まりもは自分の膝を軽く叩いた。耳が少し赤くなっている。視線は合わない。誇らしい森の守り神が、テレビで見た知識を実行しようとしているのが、なんだかおかしくて、嬉しかった。
「……じゃあ、少しだけ」
恥ずかしさを抑えながら、私はまりもの膝に頭を預けた。淡い緑の髪が視界に入り、森のようなやさしい香りがする。彼女は最初こそ固くなっていたが、やがて静かに息を整えた。
そして、少しだけ口元を緩めた。
優しい笑みだった。すぐに消えるほど小さなものなのに、確かにそこにあった。次に、まりもの指が私の髪に触れる。ゆっくりと、頭をなでる。力は入れず、ただ優しく繰り返される仕草に、体の力が溶けていくのが分かった。
穏やかな風と、膝の温もりと、その手の感触。
いつの間にか、私は本当に眠ってしまった。
目を覚ましたとき、空の色が少し変わっていた。
「……起きたか」
「ご、ごめん。すごく寝ちゃった」
「構わない。ここは心地よいからな」
そう言いながら、まりもは少しだけ満足そうな顔をしていた。膝の感触と、頭をなでられた余韻が、まだ残っている。
「また一緒に行こう?」
「……気が向いたらな」
公園を後にするとき、まりもは後ろを一度だけ振り返った。芝生の上に残ったシートの跡を見て、短く息を吐く。
「ありがとう、まりも」
「まりもって呼ぶな」
低い声が返ってくる。
でもその声には、今日の陽射しの名残が、まだ薄く残っていた。




