第48話〜清泉、旧地再訪の果てに〜
「…リア!フィーリア!!」
涙声で必死に私を呼ぶアンサスの声。
「う…ここは…?」
私が目を覚ますと、アンサスの泣き顔が視界いっぱいに広がっていた。
「私…どうなったの…?ドラゴンは…?」
私はアンサスの手を借りてゆっくりと起き上がる。
私のもう一方の手には…《白金の杯》が輝いていた。
「…大した紫水晶だな…其方は。」
見上げるとそこには、ドラゴンがこちらを静かに見つめていた。
「貴方は…皇帝ですね…?神器を隠した…。」
私がそう言うと、ドラゴンは目を見開いて驚いていた。
「何故…それが分かった…?」
「確信はありませんでした…。でも、貴方の言葉の端々から神器を護らされていると言うよりは、神器を隠した本人…というのを感じたのです。」
すると、ドラゴンは大きな声で笑った後
「大胆かつ聡明なその頭脳…やはり其方は紫水晶の血筋なのだな。」
そうしてドラゴンは宙を一周すると
「其方たちならば…神器の力を正しく使えるだろう…。余が見守っていよう…いつまでも。」
そう言って泉の中に飛び込み、深く沈んでいった。
残された私たち。
アンサスは予想外のことに呆気に取られているようだった。
「…帰りましょう、アンサス。」
「あ、ああ…。やっぱり、君には僕にも敵わない、凄い力があるんだね。」
アンサスは、我に返って私の頭を優しく撫でた。
「無事で何よりだよ、フィーリア。―――帰ろうか、僕たちの家に。」
「ええ。」
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