第13話「初めての教室」
「まったくもう! 遅刻じゃん~~!」
紅葉とヘルは廊下をものすごい速さで走って行った。……いや、滑っていた。
ヘルが地面を凍らし、その上をヘルと眠りから無理やり覚まされた紅葉が滑っている
しかし滑り終わった後、綺麗に氷が消えていく。
「お、おい。地面の氷が勝手に溶けてるけどお前がしてるのか?」
「まっさかー。めんどくさい。ここは心剣の為の学園よ。
心剣によって及ぼされた物はすぐに消えて行くのよ。
私だってこの学園内では氷を5秒維持するのが限界よ」
「そう言えば鬼を凍らせた後、一瞬で氷が解けてたし、
鉄球もそこまで長い時間大きくなかったな……」
でしょ、とヘルが小さく返事した所で教室と思われる場所に着いた。
「あ、そう言えば……あんた何クラス?」
「Aだっけ……」
「へぇ~。あんたAに行けたんだ。私はてっきりFだと……」
ヘルはそこまで言って言葉を失う。何か時計を見ているようだ。
しばらく見つめていたらいきなり教室の扉を勢い良く開け
「さっきのチャイムは何だったのよ!」
と叫び教室に入って行く。すると先生らしき人が説明を始めた。
「おぉ! 君が元ナンバー5の! ……オッホン!
ここがこれから君が過ごすための教室だ。
それとさっきにチャイムは何者かがいたずらで鳴らしたようだな。」
「ここがAクラス……汚いわね……」
「まぁそう言うな。みんな仲良くしてやれよ!
ちなみは私はAクラスと体育担当のナパームだ!
称号は全力疾走之熱血教師!!
これからつらい事もあるかも知れんが
共に乗り越えて行こう!! よろしく!! 」
「は、はぁ……」
半分困り顔のヘルはそのまま奥に入って行く。
すると、Aクラスの生徒たちが次々にヘルに話しかける。
「ヘルさんにこうしてあえて光栄です!」
「これからよろしくお願いします!」
「また、ナンバー5にも戻るのですか?」
などなど、しかしヘルはクールに返事をする。
「力ずくで解決するのは良くないわ。」
その言い方と顔はキラーンと言う擬音語が良く似合う。
紅葉その横でどの口が言ってんだ、と小さく漏らし自分の机を探す。
すると、コウハと言う文字がでかでかと
書かれている紙が張り付けられている机があった。
そこに座った途端、熱血教師が走ってやってくる。
「きみが新入生のコウハ君か! よろしく!!
なんだ? おどおどしてるじゃないか、大丈夫だ!
ここは怖い所ではない! 心優しい仲間たちが待っているぞ!
そんな君に学園の豆知識を教えよう!
君はAクラスと認定されてからここに来たよね。
そのわずかな時間に君の机が用意されていた。
すごくないかい? 実はな、君がAクラスと認定されて
認定した先生が機械にそれを打ちこむんだ、
コウハ君はAクラスと……
すると地面からにょきっと机が生えてくるんだ
ハッ! ハッ! ハッ!」
紅葉はどうでもえ~~~っと、心の中で叫び
熱血教師に別の事を問う。
「ところで、あの検査の先生はなんですか? あの白髪が垂直の……」
「白髪が垂直の? 誰だいそれは? 検査の先生はそんな髪型じゃないけど……
眼鏡をかけてて、黒の短髪で心剣の科学者のはずだが……」
「私の事かな、それは。」
熱血教師が、いい感じにうざくなったのではないでしょうか?
ハッ! ハッ! ハッ!