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うばっつ!〜ある中年ウーバー配達員の物語〜  作者: カトーSOS


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27/28

手術は成功したっつ!



 腎臓移植は、

 成功した。


 医師はそう言って、

 淡々と説明を終えた。


 成功率だとか、

 今後の経過だとか、

 そういう話もあったけど、

 正直、あまり頭に入ってこなかった。


 

 要するに――

 大丈夫、ということだ。


 

 元奥さんは、

 日に日に顔色が良くなっていった。


 

 透析の機械に

 繋がれていない姿を見るのは、

 不思議な感じだった。


 

 「なんかさ、

  身体が軽いんだよね」


 

 ベッドの上で、

 そんなことを言っていた。


 

 俺のほうはというと、

 特に何もなかった。


 

 副作用もなく、

 大きな後遺症もない。


 

 検査の数字は、

 どれも問題なし。


 

 「普通に生活していいですよ」


 

 医師にそう言われて、

 ああ、

 もう終わったんだなと思った。


 

 Uberは、

 しばらく休んでいた。


 

 再開したときも、

 別に感慨はなかった。


 

 体は、

 ちゃんと動く。


 

 ただ、

 少しだけ、

 無理をしなくなった。


 

 元奥さんは、

 リハビリをしながら、

 少しずつ日常に戻っていった。


 

 働くかどうかは、

 まだ決めていないらしい。


 

 「しばらく、

  のんびりするわ」


 

 それを聞いて、

 俺はうなずいた。


 

 それでいい。


 

 娘は、

 ほっとした顔をしていた。


 

 それ以上、

 何も言わなかった。


 

 ある日、

 病院の帰りに、

 三人で

 ファミレスに入った。


 

 特別なことは、

 何もない。


 

 ただ、

 ご飯を食べただけだ。


 

 元奥さんは、

 メニューを見ながら言った。


 

 「普通に食べられるって、

  ありがたいね」


 

 俺は、

 ドリンクバーのコーヒーを飲んだ。


 

 本当に、

 それだけだった。


 

 腎臓は一つ減った。


 

 でも、

 生活は減っていない。


 

 むしろ、

 少しだけ、

 静かになった。


 

 それが、

 今のところの

 結論だ。




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