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わたしは此処にいる

 ――――――――――――――――――――――――


 文学の世界では、何度も宣言された――「文学は死んだ!」と。

 数学の世界でも、何度も宣言された――「数学は死んだ!!」と。


 そして、両分野で同じ事が宣言された――

 「もう、問題は出尽くしている!!!」


 小説家でもよくいる――「もう新しい事なんかない!!」


 しかし、数学では新たな問題や解決方法が出続けている。


 そして、数学の世界では判明している――

 ある問題が

 「ぜったいに解けない!」

 と<どこかの偉い人>が宣言した時、

 それは、

 そう宣言した者が

 <単に解けない>

 だけである事。


 その人物が、単に<実力がない>だけだ。


 ――――――――――――――――――――――――




 という訳で――




 足は

 ――スコップであり

 ――タブレットである

 <物>に成った。




 しかし――「足」=「スコップ」=「タブレット」にはならない。




 単純に――「足」+「スコップ」+「タブレット」でもない。




 だからといって、乗積が必要である訳でもない。




 そのタブレットは

 ――タブレットとして成立しているが…

 本来ひとつ在ったタブレットよりも、少ない。




 足も

 ――スコップも

 そうだ。




 "蜘蛛宇宙人" は、<それ>に気づいていた。




 その頃、トンネルには、啜り泣きが響いていた。




 "ω":

 「もう止めて……」




 "ω":

 「お願いだからもう消えてくれ………」




 合唱

 ――ただ……

 カノン。




 "蜘蛛宇宙人" は――




 「Φ」




 ――を握ったまま、動き出した。




 振り返り――進む。




 "ω":

 「辛ぃよぉ…」




 "ω":

 「……何でこんなに苦しまなきゃなんないの?」




 "ω":

 「………わたしが何をしたって言うの?」




 地点に戻った。




 "ω":

 「わたしは此処にいる善良な<1>に過ぎない!!」




 ――――――――――――――――――――――――


 <善良な一市民>を自称する者が、

 進もうとする他人の邪魔をし、

 進もうとする他人に悪口雑言を浴びせる事、

 陰口を叩いて間接的に不利益をもたらそうとする現象は

 珍しくない。


 ――――――――――――――――――――――――




 "蜘蛛宇宙人"、そのまま――右へ。




 次の地点へ。




 そのまま、まっすぐ――次の地点へ。




 次の地点に着く前に――啜り泣きが聞こえる。




 "蜘蛛宇宙人" は歩みを止めなかった。




 「俺は足なのに……」




 「足として尽くしてきたのに…」




 「なんでこんな目に会わなきゃならない……」




 「俺は普通なのに………」




 「マトモなのに……」




 「馬鹿じゃないのに…」




 「あいつばっかり……」




 「………俺がどんな悪い事をしたというんだ?」




 「あいつばっかりイイ思いしやがって……」




 その時、"蜘蛛宇宙人" の足の下で、ヌメリの音がした。




 響いた。




 "蜘蛛宇宙人" 自身、隠すつもりはなかったから、問題はなかった。




 それでも――




 「誰だ!!!?」




 "蜘蛛宇宙人" は立ち止まった。




 そして――そこに居た。




 そこは、コンクリートで出来てはいなかった。




 「誰だ?」




 「もしや…」




 そして――




 沈黙。




 沈黙は――静寂と化す。




 声の主と――"蜘蛛宇宙人"。




 面と向かってはいない。




 互いは互いを捉えていない。




 それでも――視”線”は交差していた。




 交差点は、コンクリート地点に在った。




 ――――――――――――――――――――――――


 "蜘蛛宇宙人" にとって、相手は<相手>ではなかった。


 それでも

 ――相手にとっては

 <相手>なのだ。


 ――――――――――――――――――――――――


 <その "鳥頭">は、前の "鳥頭" とは違う。


 要素は同じだ――種類も、属性も。


 ただ、内容が異なる。


 <その "鳥頭">は、絶対に謝らない。


 手が埋まっていたら、謝るかもしれない

 ――身体が埋まっていたら、そうするかもしれない。


 しかし――それらはまだ、自由なのだ。


 寧ろ、"蜘蛛宇宙人" に頭を下げさせようとする。


 何も出来ないにも関わらず――頭を下げさせようとする。


 ――――――――――――――――――――――――




 "蜘蛛宇宙人" は、一歩踏み出した。




 それを<感じ取り>、




 "鳥頭":

 「来るな!!」




 "蜘蛛宇宙人" はコンクリートを踏んだ。




 "鳥頭":

 「こっちへ来るな!」




 "蜘蛛宇宙人" はライトで照らした。




 "鳥頭" が白マテリアに座っていた。




 そして

 ――トンネルの中で

 両腕を横に広げて……




 ――通せんぼ。




 "怒り":

 「来るんじゃねぇ!!」




 "怒り":

 「ひとりでいいんだろ!!!?」




 "怒り":

 「他人は必要ないんだろ?」




 "怒り":

 「ひとりで勝手にやってろ!!」




 "怒り":

 「来んなよ! 絶対にこっちへ来んなよ!!」




 "蜘蛛宇宙人" は見た――"鳥頭" の足がない。




 "蜘蛛宇宙人" は "鳥頭" に近づかなかった

 ――その必要がなかった。




 それでも――




 "憎しみ":

 「どうせ自己満足だ!!!」




 "憎しみ":

 「何の役に立つってゆうんだ!!」




 "憎しみ":

 「なんで役にも立たない事で、<他人>(ひと)を苦しめるんだ!」




 ――声は止まない。




 "蜘蛛宇宙人" はコンクリートの地点を歩き回った。




 "鳥頭" のいる先には進まなかった。




 それでも――




 "鳥頭":

 「来るなって言ってるだろ!!」




 "鳥頭":

 「お前、何様だ!!!」




 感情は、必死になって――邪魔をする。




 そして

 ――邪魔をしている

 ”つもり”。




 ――――――――――――――――――――――――


 "蜘蛛宇宙人" がそちらに向かおうとする時、

 なぎ倒す必要がない事を知らないのだ。


 ――――――――――――――――――――――――




 それは<闘い>ではなかった

 ――<闘い>になっていなかった。




 もう<闘い>は終わっていた。




 "蜘蛛宇宙人" の周囲で繰り返される――テンプレ。




 "蜘蛛宇宙人" は――




 <ウンザリ>




 ――しなかった。




 ただ、自身にとって必要である事をする。




 コンクリートを調べると、

 "蜘蛛宇宙人" は――




 「Φ」




 ――を傾けた。




 向けられる――"穴"。



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