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わたしは此処にいる

 ひとつ前の "ω":

 「そんなトコで、じっとして、何やってるんだ?」




 ひとつ後の "ω":

 「進むのか、進まないのか、はっきりしろ!」




 その時、"蜘蛛宇宙人" は手の中に力を認識した。




 自分の握力ではない力。




 動いていた。




 "蜘蛛宇宙人" は、

 手の中で斜めに傾いていた――




 「Φ」




 ――その足を下げた。




 握りを変える。




 足を下げる事で、

 足より上に位置する "穴" は、

 白マテリアを吐いていた。




 《どうやら、地に "穴" を付けていた様だ…》




 "穴" は――出し切った。




 そして一度 "穴" が閉じ――また開く。




 粉が "穴" の周りに

 ――少し

 こびり付いているのが見えた。




 何も起こらなかった。




 "蜘蛛宇宙人" は、拭わなかった。 




 "蜘蛛宇宙人" は

 ――次に

 ――地面に置いた

 タブレットを見た。




 何も示されてはいなかった。




 光そのものが消えていた。




 単なる――塊。




 ライトを当てても、光は戻ってこない。




 文字は

 ――判別可能なほど

 クリアに現れていない。




 しかし、問題はない

 ――"蜘蛛宇宙人" の頭の中にあるから。




 "蜘蛛宇宙人" は――




 「Φ」




 ――その "穴" を

 タブレットに近づけた。




 自ら、吸い付いた。




 飲み込む。




 棒 [(瘤)-(穴)] の中に、ひとつ、太さが生まれた。




 タブレットの幅と同じ分であり、

 それは、

 棒 [(足)-(瘤)] の幅よりも大きい。




 摂取時、黒い棒の表面に文字が浮かび上がる事はなかった。




 タブレットが入った分だけ――膨らんでいる「Φ」。




 ただ――

 タブレットの大きな塊が、

 飲み込まれれば飲み込まれる程

 ――膨らみ部分が瘤に近づけば近づく程

 ――棒の中に増えた

 ――タブレット分の「+β」から

 ――角が取れ

 縮小していった。




 棒 [(瘤)-(穴)] は

 ――ちょうど




 「△」




 ――または




 「←」




 ――の形をしていた。




 <最初に取り込んだ部分>

 が瘤に到達する前に、

 タブレット分の膨らみの先端は

 棒が本来持っていた太さと等しくなる。




 "穴" がタブレットをすべて飲み込んだ。




 そして――

 <最後に取り込んだ部分>

 も、棒と

 ――太さが

 等しくなった。




 取り込み――完了。




 "蜘蛛宇宙人" は――




 「Φ」




 ――を見た。




 変化がないかどうか。




 棒 [(足)-(瘤), (瘤)-(穴)] に変化はなかった。




 瘤に変化はなかった。




 "穴" にも変化はなかった。




 足を見た。




 足そのものに変化はなかった。




 大きさも

 ――形も

 変わっていない。




 ただ――足の<背>に変化が在った。




 その

 ――抉れた

 足の<背>に、

 ”文字”が現れていた。




 光はない――"蜘蛛宇宙人" が上から照らすライト以外。




 実際、"蜘蛛宇宙人" はライトを消してみた。




 文字は消えた

 ――足は消えた。




 瘤も……

 ――穴も………

 「Φ」自体消えた。




 手が見えない……――白マテリアも見えない。




 全ては――…闇の中。




 "蜘蛛宇宙人" はライトを点けた。




 文字は、足の<背>の表面に表れている様に見える

 ――しかし

 ――正確には

 ――表面に現われてはいない。




 表面は透けているだけで、

 文字は”表面下”にあった。




 ――――――――――――――――――――――――


 文字の在る場所は、”足の<背>の表面”という領域には含まれていない。

 その下に在る集合全体の一番外側に位置している。


 ――――――――――――――――――――――――




 "蜘蛛宇宙人" は足を裏返して見た。




 足の<裏>には、文字はなかった。




 "蜘蛛宇宙人" はまた足の<背>を見た。




 文字は――シンプルだった。




 "蜘蛛宇宙人" の母国語であった。




 それは――こう言っていた。




 「その<1>は、どの程度<1>であるか?」




 ――――――――――――――――――――――――


 これは、何百年も前に数学者が示した問題であり、

 何千年も前に数学者でない人間が出した問題である。


 言い方は異なるが――


 「<1>とは何か?」


 「<1>は数字か?」


 ――等と同じ事だ。


 これまで――


 多くは、これを特定しようとせず、抽象論と比喩で煙に巻いて逃げた。

 (例:<1>は海である;<1>は光である)


 多くは、「哲学だから……」と逃げた。

 (哲学を避ける数学者は多い。とてつもなく優れた数学者が哲学的思考プロセスを数学に導入しているケースが見られるにも関わらず)


 そして多くは、問題自体が<ない事>として済ませた。


 多くが

 ――見ないフリをしている間………

 数学は大きく発展した。


 なくても困らなかった。


 そして

 ――その様に発展した中

 活動する数学者の多くは知らない。


 見ないフリをしているからこそ、数学は成立しているのだ。


 考えた事がないだろうか?――


 「立方体(正六面体)の頂点は8であり、辺は12である」


 ――本当にそうか?


 教師で、上の様に言っている者がいた

 ――今でも、同じ事を言っている者が大勢いる。


 しかし

 ――誰もが

 ――当たり前の様に

 そう説明するが……

 ――要素を分解すると

 上の様にはならない。


 というより――上の説明の様な形ではあらわれない。


 ――――――――――――――――――――――――


 いくつかの数学者は<論理的>だと自称する

 ――しかし、その論理性は

 ――<都合の悪い物を見ないフリをする>

 ――事によって成り立っている。


 まるで、部屋に散らばったゴミを”押し入れ”に押し込んで――

 「きれいでしょ?」

 「片付いているでしょ?」

 ――と言い張っている子供の様だ。


 ”ほとんど”は――同じ。


 ――――――――――――――――――――――――



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