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わたしは此処にいる

 "蜘蛛宇宙人" は、握った。




 そして――表層的骨をすべて砕いた。




 残った

 ――黒い

 金属の棒。




 長さは、人間の足の "骨" と――




 「=」




 ――関係にある。




 闇と同じでありながら

 ――質が異なる

 色。




 如何なる焔でも溶かす事はできない素材。




 "蜘蛛宇宙人" の前で

 姿が露わになったその棒は――




 「Φ」




 ――に形がよく似ていた。




 そして――




 真ん中の瘤の部分には――




 数字が刻まれていた――




 「2」




 ――と。




 ――――――――――――――――――――――――


 それぞれに書かれた数字は

 <人それぞれ>の意見と同じ程度に、

 意味の差がない。


 ――――――――――――――――――――――――




 "蜘蛛宇宙人" は

 ――さらによく

 二本の黒い――




 「Φ」




 ――を調べてみた。




 二本とも――

 棒の端一方には

 ――鉄パイプの様な

 黒い穴が開いていた。




 そして二本とも――他方の端は閉じていた。




 平面的な円形であった。




 "蜘蛛宇宙人" は、穴を覗いてみた。




 黒が在った。




 それは金属の黒ではなく――夜の黒。




 《中は空洞になっているのだろうか…?》




 ただ――それだけだった。




 "蜘蛛宇宙人" は、

 その棒が

 <何の役に立つか?>

 わからなかった。




 ただ――すぐにわかる様になる。




 "蜘蛛宇宙人" は

 ――「Φ」を調べても

 《これ以上得られる物がない》

 と判断し、

 地面に突き刺す

 ――二本とも。




 そして、すぐに中断していた作業を再開しようとした。




 すると――動き。




 地面に立った――




 「Φ」




 ――が動いていた。




 小刻みに――メトロノームの横揺れ。




 微量の――




 「ンンンンン……」




 「ムムムムム………」




 ――という音。




 "蜘蛛宇宙人" は、

 一本の――




 「Φ」




 ――を握った。




 振動が裸手に伝わる。




 止まらない。




 地面から、引き抜いた。




 振動は止まった。




 ただ、空間に木霊す鼻母音の連続体の更新は途切れなかった

 ――もう一本が立ったまま、揺れていたから。




 "蜘蛛宇宙人" が、

 それまで縦にしていた――




 「Φ」




 ――(手に持っている方)

 を

 ――空中で

 横に倒した。




 調べても――変哲もない。




 "蜘蛛宇宙人" は、屈んだ。




 地面にライトを照らし、

 地面を見る。




 同じく――変わったところはない。




 ただ――

 上からでは

 棒が刺さった<跡>

 その”底”が、

 見えなかった。




 白の中の――黒い点。




 確認作業する "蜘蛛宇宙人" の隣りで

 立ったままの

 もう一本の方が

 ――音と共に

 揺れ続けていた。




 その時だった。




 突然、手の中の――




 「Φ」




 ――が揺れたのを感じた。




 見ると――




 「Φ」




 ――の棒

 ――片方の先端

 から……――

 粉が

 ――勢いよく

 噴き出していた。




 「ンんんんん…」




 白マテリアの塊が

 ――弧を描きながら、

 地面に落ちていく…。




 虹の様な弧の動き――誰も美を感じない軌跡。




 飛んでいく<それぞれ>は、

 篩にかけた小麦粉のダマ

 の様に見えた。




 そして最後に――

 熟れきっていないトマトが

 枝から捥げて地に撞着する様な音が

 ――それぞれ

 した。




 運動の間も、"蜘蛛宇宙人" は――




 「Φ」




 ――を手放さなかった。




 白マテリアを吐き続ける棒。




 しばらくして……――




 排出が緩やかになった。




 そして――止まった。




 "蜘蛛宇宙人" は、

 棒の真ん中の<隆起>

 その脇を握り、

 空中で――

 水平に――




 「Φ」




 ――を持ち続けていた。




 もう、何も起こらなかった。




 そこで、手に持った棒の先端片方を地に付けた

 ――子供の遊具であるシーソーの様に。




 すると――

 地と棒の接着地帯周辺で………――




 何かが消えるのを見た




 ――そんな気がした。




 "蜘蛛宇宙人" は、地と棒を離した。




 ライトがその手にあろうとも

 空間は薄暗いから、

 "蜘蛛宇宙人" は

 ――棒を握ったまま

 光源と顔を

 現象が在った様に思われた場所

 に近づけた。




 そこには、穴がある筈であった。




 「Φ」




 ――の端にあった穴は、閉じていた。




 ただ――




 開いた。




 "蜘蛛宇宙人" の目の前――




 カメラのレンズカバーの動きだった。




 "蜘蛛宇宙人" は――




 「Φ」




 ――の穴を見つめていた。




 瞬きをしていた。




 何も起こらなかった。




 そこで……ライトを腋に挟み

 ――白マテリアで汚れた

 ――フェイクファーで覆われた

 <手袋>

 ――それを着用した手

 ――その人差し指

 を "穴" に近づけていった。




 用心深く。




 すると――




 "穴" が突然動き出し…――




 接近を続ける "蜘蛛宇宙人" の人差し指

 ――[まだ密着はしていない状態である]

 を突然――




 「ぱっく!」




 ――と咥えた。




 その動きは自発的に見えた。




 《離れない!!》




 "蜘蛛宇宙人" の焦りがいくら増加しようとも、

 「Φ」が発する鼻母音の量に変化はない。



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