1話 到着する『英雄』
「・・・なあ?女王様から言われたのって、ここでいいんだよな?」
「地図上ではな。」
「・・・王都から相当離れているし、ここまで来るの、魔王討伐より大変だったな・・・」
「どう考えても魔王討伐の方が大変だった。」
「・・・未開の森とかあるし、地図上でも村も近くになさそうな場所とは思ったが・・・」
「3時間で未開の森には行けるがな。」
「いや、『町』じゃなくて『村』がね、人が住んでる所がね、歩いて一週間以上かかるってどーゆー事よ!!」
「大体そんなもんなんじゃないか?」
「んなわけあるかーーーー!!どう考えたって、これ報酬じゃねぇヨッ!!左遷だよ!!さ・せ・ん!!どう考えたって『王国』の管轄じゃねぇだろ!?あの野郎・・・下剋上するぞ!!」
「野郎ではなく女だからな。我らの上司は。女王なんだし。」
「何なんだよ!!俺ら、何か悪い事したか!?」
「・・・」
冒頭から騒いでるこの2人組。
ウルサい方の名は『ソウ』。
突如として出現し大陸を混乱に陥れた『魔王』を討伐し、大陸を救った英雄。
もう片方は『アルバート・ワイスマン』。
『ソウ』と共に『魔王』を討伐したもう1人の英雄。
彼らは今、自分達が救った大陸の最東端の辺境にいる。
『ソウ』の言うようにここは人の住む村まで一週間以上かかる、まさに『僻地』。
なぜ、『勇者』『英雄』などともてはやされるはずの2人がこんな所にいるのかというと・・・
ソウ「・・・確かさ、『魔王』討伐の報酬に『領地』もらって『領主』になったんだよな。」
アル「お前はな。」
ソウ「アルは報奨金貰ったんだっけ?」
アル「1人で使うには有り余るくらいな。」
ソウ「いいよな~。俺もそうすればよかった。」
アル「『金は国の為に使え。代わりに領地くれ。お前の負担減らしてやる。』って言ったのはお前だ。」
ソウ「・・・今聞くと、恥ずかしいな・・・」
彼らは、それぞれ『魔王討伐』の報酬として女王から領地とお金を貰った。
当初、2人とも質素に使えば、一生暮らせるほどの報奨金が貰えるはずだった。
しかし、ソウは報奨金を貰うのを頑なに拒否。
かわりに、この大陸の統治者である女王の手助けをすると申し出た。
その際に貰った領地が、ここ最東端の地なのである。
アル「一応言っておくが、元々、この大陸は『王国』の管轄なのだ。だから、例えどんな辺境だとしても『王国』の統治下にある、と言えるだろう。」
ソウ「あ~もういい!!とりあえず、ここに2人が住める場所作るぞ!話はそれからだ!!」
アル「・・・まあ、そうだな。」
着いていろいろ文句を言っていたが、とりあえず、やることを決め、それの実行に動き出す2人。
これから始まる2人の物語。
女王はなぜ、この辺境へ2人を送り込んだのか?
彼らはこの地でこれから何をするのだろう?
その話はまた次回・・・
初めましての人は初めまして。
て言うか大体、初めましての人ですね。
コルトです。
オリジナルの作品を手掛けるのは緊張します。
とりあえず、始めは導入なので何がなんだかわからないと思いますが、生暖かく見守って下さいm(_ _)m