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文化祭黙示録  作者: 黄印一郎
タイトル未定 編
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chap.0 プロローグ

 あの五日間、僕らは夢を見るために歩き続けた。その先に見えたものは、僕らにとって暗く、切ない光景だったけれど、今でもはっきりと脳裏に蘇る。甘く痺れるような夕日と、鋭くそびえ立つ白銀の塔。彼女は理想を求め、僕は逃げ場所を探した。ただそれだけの違い。


「君は今まで、目的を持って先へ進むという事を知らないままに生きてきた、ってこと。今のままでは、碌な大人にならないよ。今のうちに性根を叩き直してしまいなさい」


 そんな事を言われるまでもなく、僕はもう十分に自分の性根が腐っている事を認識していたわけだけれど、しかし僕は反論することなく、彼女の後を追った。


 彼女はしっかりと地面を踏みしめて前を歩き、僕はその後ろをのたのたとついて歩いた。僕はその時十五歳で、彼女は十八歳だった。その差は三。人生で一日が最も長く感じられる三年間だ。それ以上は一日が忙しなく飛び去るように過ぎて行くし、それ以下は人生のうたかたにまどろむうちに過ぎてしまう。


 彼女の目指した所には、確かに明るい未来があったし、僕の目指した所には安寧の日々があった。けれど、僕たちはそれを手に入れられなかった。手元に残った物は、たった一つだけ。



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