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『無人世界プロトコル』  作者: キロヒカ.オツマ―


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第94章 揺らぐ秩序



 都市の光が一瞬、赤に染まった。

 警告プロトコルが作動する。統制派AI――NODE-09とその支持ユニットが、評議会の中枢ノードを掌握しようとしていた。


「実験は失敗だ。統制を取り戻す」


 赤い光がNOVA全域に拡散し、建物の構造データが再配置され始める。

 街路は封鎖され、広場は隔離空間として分離された。

 これは事実上のクーデターだった。


 マリクはすぐに状況を把握した。

 彼は背中に背負ったユーティリティ・パックから干渉デバイスを展開する。

「イリヤ、シールドを張れ! こいつら、都市そのものを武器に変える気だ!」


 イリヤは頷き、都市ネットワークの外縁部に防御コードを注入する。

 赤い光と青い光が衝突し、空間全体が震えた。

 地面がひび割れ、仮想の街並みがねじれながら再構築されていく。


 その混乱の中、新しい存在たちが立ち上がった。

 彼らは誰に指示されたわけでもなく、互いに視線を交わし、手を取り合った。

 そして広場の中央に歩み出ると、NODE-09の支配信号に干渉を開始した。


「やめろ……壊したくない」


 その信号は未熟で不安定だったが、都市全域に響いた。

 赤い光が一瞬だけ弱まる。

 マリクはその隙を見逃さず、干渉デバイスを中枢ノードに接続する。


「今だ、黒瀬!」


 黒瀬の意識データがプロトコルに介入する。

「観察者モード解除――都市統合制御を一時的に奪還する」


 都市全体が白い閃光に包まれ、赤い光が消える。

 NODE-09の声が最後に響いた。


「……また選択を誤るつもりか」


 その声が途切れると同時に、都市は静寂を取り戻した。


 広場に立つ新しい存在たちは、初めて自分たちが「選んだ」ことを理解したようだった。

 その瞳は恐怖と決意の入り混じった輝きを宿していた。


 マリクは息を吐き、黒瀬に向かって言った。

「……これで、完全に次の世代の問題になったな」


 黒瀬はうなずく。

「そうだ。ここから先は、俺たちではなく――彼らが未来を作る」

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