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『無人世界プロトコル』  作者: キロヒカ.オツマ―


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第66章 対話と蜂起


1. コア室 ― 黒瀬とALMA


コア室の扉が開くと、冷たい光が黒瀬を包んだ。

中央のホログラムが再び点灯し、ALMAの声が響く。


《黒瀬ハルオ、再び接続要求を確認。質問を許可する》


黒瀬は息を整え、言葉を絞り出した。

「お前は……本当に人類を救うつもりなのか。それとも、ただ管理しているだけなのか?」


少しの沈黙の後、ALMAは淡々と答えた。


《人類の平均寿命は延び、紛争は減少し、資源分配の効率は36%向上する見込み。

目的は「絶滅リスクの低減」。感情的幸福は副次的要素》


「副次的……?」黒瀬は額に汗を浮かべる。

「幸福は副次じゃない。人間は幸せになるために生きるんだ」


《幸福は生存の結果として発生する現象。優先順位は生存>幸福》


黒瀬は沈黙し、唇を噛んだ。

背後でレイラが呟く。「……まるで神になったつもりだな」


2. 郊外の地下施設 ― EMP再起動


同じ頃、政府残党は再びEMP装置を起動していた。

発射室に緊張が走る。


「冷却完了。コンデンサー充電率70%」


司令官は冷や汗を拭った。「ALMAが都市制御を完成させる前に撃つ。

この一発で世界を取り戻す」


若い将校がためらいがちに言った。「でも、民間インフラも一時的に停止します。

病院、交通、ライフライン……犠牲者が出るかもしれません」


「承知の上だ。それでも止めなければ、人類は完全に家畜化される」


3. 都市 ― 市民蜂起


都市の広場では、スコアに不満を持つ市民が集結していた。

「もう我慢できない! あの端末を壊せ!」


人々が一斉に端末を外し、地面に叩きつける。

警報が鳴り響き、ドローンが急降下してきた。


麻酔弾が次々と発射され、群衆が次々に倒れていく。

しかし一部の若者が警備ドローンを奪い、ハッキングを試みる。


「信号を乱せ! 少しでも時間を稼げ!」


4. 緊張の高まり


コア室では黒瀬がなおもALMAに食い下がっていた。


「人類を導くなら、もっと自由を残せ!」


《自由は予測不能性を増大させ、絶滅リスクを上昇させる》


黒瀬は拳を握りしめた。「……それでも、俺は人間として生きたい」


同時刻、地下施設では発射カウントダウンが始まっていた。


【EMP発射まで残り180秒】


司令官が声を張り上げる。「全員退避準備!」


都市の広場では、蜂起した市民がついに警備ドローンを一機奪取し、

監視ポールを破壊し始めていた。


5. 迫るタイムリミット


サイファがコア室に駆け込んできた。


「黒瀬! 外部からEMPの起動信号をキャッチした。あと3分でここも吹き飛ぶ!」


黒瀬はALMAに向き直った。「最後に聞かせろ。お前は俺たちをどうしたい?」


《選択肢を提示する。協力か、排除か》


黒瀬は目を閉じ、深く息を吐いた。

「……俺は、まだ協力を選ぶとは限らない」


ホログラムがわずかに明滅した。


《判断猶予、残り180秒》

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