其の五十一 柵
「北の大名家の後継者争いは終わったようじゃな」
「うむ。北の大名の甥の勝利で幕を閉じたらしいぞ」
「そうか。これで国境の緊張も和らぐじゃろうな」
「大殿様が積極的に介入したお陰で北の大名家から領地を譲り受ける事にも成功したそうな。大きな成果じゃわい」
「しかし何やらこれに関して東の大名が相当怒っていると聞いたが・・どういう訳じゃ?」
「お主の耳にも入ったか。どうやら東の大名は大殿様が後継者争いに関与した事をよく思っておらぬらしいぞ」
「意味が分からぬな」
「わしもこれに関しては理解できぬ。元々東の大名は北の大名と仲が悪かったはずじゃが・・」
「と、言う事は東の大名との同盟が危うくなるか?」
「その可能性もある」
「ふうむ・・何やら大きな動きがあるやもしれんなあ」
「うむ。それはそうと、あの柵は何じゃ?」
「あれか?あれは罠じゃ」
「罠?」
「そうじゃ。柵の隙間から槍を出し、相手を討ち取るのじゃ。この柵で屋敷を囲っておけば敵がどこから来ても対処できるぞ」
「・・これでは無理じゃな」
「何!?」
「隙間が狭すぎる。これでは無理にでも通さぬと槍は出てこぬぞ」
「いや、そんな事があるはずがない!見ておれ!」
「・・・」
「行くぞ!そいやあ!む!?しまった!通ったが・・引っかかったぞ!?は、外れぬ!ふぬううううう・・おわああああああ!」
「・・柵が倒れてしもうたか・・」




