其の四十四 危機
「一大事じゃ!城主様の嫡男が討ち死になされたぞ!」
「何!?それはまことか!?」
「うむ。傷だらけになりながらこの地に帰り着いた兵たちから聞いた話じゃ。間違いない」
「何と・・」
「それどころかお味方の主だった武将たちも多数討ち死にされたとか。これは大変な事になった」
「大殿様はどうなったのじゃ?」
「何とか危機を脱して本拠城まで逃れたらしい」
「それは良かった・・じゃが、お主の言う通り大変な事になったのお・・」
「弱体化は避けられまい。これからは四方八方から狙われるであろうな」
「ううむ・・そうなると以前わしらが仕えておった大名家と同じような末路を辿ってしまうぞ」
「そうならぬ為にわしらを含めた家中が一丸となって踏ん張らねばならん。・・じゃが、こうなってしまうと必ずと言ってよいほど良からぬ者が出てくる」
「・・裏切者か」
「そうじゃ」
「ここにいる城主様は長年この大名家に仕えてきたお人じゃから大丈夫であろうが・・裏切られでもしたらたまったものではないのお。わしらにはどうする事もできぬ」
「うむ。どちらにせよ、我らは普段通りお役目を全うするしかない」
「そうじゃな。よし、ならば敵襲に備える改築を施すとしよう!」
「は?」
「敵が襲来すれば屋敷の中のからくりが作用して敵を足止め、襲撃するのじゃ!うむ、素晴らしいぞ!」
「・・それはお主には難しすぎるじゃろう・・」
「大丈夫じゃ、お主のその頭の良さも合わされば何とかなる!」
「わしはやらぬぞ」
「わしが材料を調達する。お主はからくりを色々と考えておいてくれ。うむ、腕が鳴るわい!」
「だからわしはやらぬと言うておろうがあああああ!」




