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暇人侍  作者: 一斗
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其の四十二 雪

「寒いと思うたら雪が降ってきおったな」

「北国ではこれから本格的な雪の季節らしいからのお」

「雪を見るのは初めてじゃ」

「うむ。噂通り白くて美しいものじゃな」

「しかしこれが積もると大変な事になる。そうここいらの百姓たちが言うておったぞ」

「知っておる。積もるとそれを取り除かぬ限り身動きが取れぬそうじゃな」

「しかもそれに対する備えもできぬというから始末が悪い。春をひたすら待つしかないというのも辛いものがあるのお」

「じゃからこの地方では冬は滅多に戦が起こらぬ。雪で覆われれば進軍もままならぬようになるからな」

「なるほど。という事は増築は春までできぬという訳か」

「春までとは言わず、一生やらぬでもよいぞ。お主の屋敷は別じゃが」

「やはり鶏小屋は無理か?」

「嫁にも一応聞いておいたが、即却下であったわ」

「ふむ・・そちらの嫁御が拒否しておるのであれば仕方がないか。今回は娘の部屋の増築だけで済ますとしよう。よし、早速残りの木を伐っておくか」

「待て。雪が降っておるのに山に入るのは危険すぎるぞ。今回はこれまでに伐った木をまとめるだけにしておいて春を待った方がよい」

「大丈夫じゃ!行ってくるぞ!」

「・・・」

「ぬおおおお!山が寒すぎるわあああ!」

「・・でかい声じゃなあ・・上衣でも持って行くか・・」

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