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助けるおじさん
「通報を受けて来てみれば!僕!?大丈夫か!?」
声が聴こえた。おじさんの顔が見える。きっと妖怪『助けるおじさん』だ。僕は喋ろうとすると声が出ない。
「喋らなくていいよ!直ぐに病院に連れていってあげるからな!」
そんな声がした。
「貴様等!その子から離れい!」
聞き覚えの有る声がした。トイレのみっちゃんの声だ。僕は声の方を見るとやっぱり、みっちゃんが居た。凄く恐い顔をして血の涙を流しながら。
「貴様等人間はいつもそうだ。そいつが何をした?なんだ、その腕の火傷の痕は?なんだ、その腫れ上がった顔は?なんだ、その痣だらけの体は?なんだ、その痩せ細った四肢は?そいつはそんな仕打ちを受けるために生まれてきたのか?.........」
「答えてみろ!人間!」
「そいつは闇の中でわたし等と仲間になった。貴様等人間にその子を渡す訳にはいかん。連れて行くぞ!」
トイレのみっちゃんは、空が張り裂ける程の大声でそう叫んで僕を連れて行った。
僕は声にならない声を、喉から押出しながら、みっちゃんに必死にしがみついた。
みっちゃんは
「欲望により役目を忘れた獣供。覚えておけ。」
そう言い残した。
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