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私はねこになる!?  作者: 夢辺 流離
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まちぼうけ

 家を出た時間を思えば、なんか妙に時間かかってない?

おかしいなぁと思いながらギルドの扉(裏口)を叩く。

この扉、私の手が届くところに珍しい石が埋め込まれている。

肉球で叩いても気づけるようにと設置した仕掛けらしく、ギルド内のどこにいても気づくことができるらしい。

向こうでのインターホンとは違い、音がなるのではなくアルルカナンの波動を登録された人に伝える魔導具らしく、本来は高級宿の呼び鈴などとして使われているらしいが、エイファさんが勝手に設置したらしい。

妙に自慢げに語ってくれたのだ。

というか、ギルドの扉を勝手に改造とかしていいのだろうか?


 前回、訪れた時はぽふ、とタッチした瞬間には扉が開いて、扉の前に待ちかまえてたんじゃないの?これ、要るの?と思ったのだがしばらく待っても動きがない、ただの扉のようだ。

わずかにさっきよりちょっと強めにぽぽふ!と叩いたところ、一瞬の間があって、高速で扉が開き、閉まる。

そのわずかな間に伸びた手が私をつかんでギルドの中に引きずり込む。

なんか食虫植物に補食された虫みたいな気分・・・。


 資料室や執務室のほうではなく、エイファさんの私室へと連れられる。

「ちょっと今手が放せなくて、ここでおとなしくしててね。廊下とかでないでね」

 そういってエイファさんはすぐに部屋を出ていく。

ギルドのほうで何かあったのかな?

普段見せない焦りをその顔に見て取れた。

いつも暇s・・・落ち着きのある人だけに少し心配だ。


 トイレとかは済ませてきたから問題ないのだけれど暇だ。

いつもなら本を読んだりできるんだけどこの部屋にはセンスのいい、シンプルな家具などがちょこちょこあるだけだ。

あまりものをおかないすっきりとした部屋はキリッとしている時の仕事モードのエイファさんらしい。

部屋を荒らすのもあれだしなぁ。

こういう場合下手なことをすると、机の上のインクをひっかけてこぼし、汚れた足で歩き回って部屋中足跡だらけにするのが鉄板だが、そこは高校生も過ぎた精神年齢をもつのだ。

えっとふらぐ?そういうのは結構です。

エイファさんは足跡だらけにしても逆に大喜びしそうなのだが、そこは

まぁ、自重である。

とりあえず?しっかりした作りの椅子によじ登ってみる。

肘おきも高くて昔のように座るのは無理だ。

顎を乗っけてみたり、いろいろするがどうも収まりがよろしくない。

結局椅子の中央で箱型になって座ってみる。

そのまま意識がフェードアウトしていったのでした。




 ガチャ、っと扉を開けて自分の部屋に入る。

仕方なかったとはいえ、アリスちゃんを放っていってしまって悪かったなぁと思う。

私は掃除の手間が増えたりするのが嫌であまり物をため込まないようにしているのだ。

ねこが遊ぶものなんてもちろんない。

きっと退屈だったんじゃないかな。

「アリスちゃ~ん、ごめんねー。どこ?」

 キョロキョロとあたりを見回すも姿が見えない。

部屋中を見回ってみると椅子の上に居た。

机の陰になっていて死角になるようだ。

箱型のアリスちゃんは体毛でお手手らが隠れてしまっている。

「手が迷子ですよ~♪」

 鼻先にツンっと触れてみると頭のこっくりが止まり、すぴーというちょっと間抜けな音が止まる。

うっすらと目を開けて・・・閉じる。

閉じるんかいっ。

ちょっとアリスちゃんの防衛意識に不安を覚えた。

まぁ、私のそばが安心だと思ってくれてるんならうれしいんだけど。

「まったく。私の気も知らないでお気楽ニャんだから、コイツ」

 もう一度鼻先を突いてやった。






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