道中は誘惑がいっぱい
通い慣れた道、とは言え道中は危険がいっぱいである。
そこそこ大きな穴が見つければ、体が収まるかウズウズするし、ちょっとちっちゃい穴なら腕を突っ込みたくなるし、風に花が揺れていればチョイチョイっと手を出したりしたくなるのである。
もうこれ本能的なもので、どうしようもない。
「私、気にニャります!」
古典でいうならゆかしかりしかど、ってやつだろうか。
ふ、私風流。むっふっふ。
まぁ、前世で古典は赤点回避ギリギリだったこともあるけどニャ。
ま、細かいことーは気にすんにゃ、私も私も。
揺れてる花を両手?で掴んで顔に近づけては、スンスンと香りを楽しんでみたり、まぁなかなか足が進まニャいのである。
風流を解する日本出身ねことしては仕方ないのである。
道中会ったカマキリ相手に腰が引け気味だったりするのもまぁ虫が苦手だったのだから仕方がないのだ。
届かないように距離をとりながら無駄にねこパンをシュシュっとする。
当たれば即ち撃破なのだが間、合いが遠過ぎて当たらないのは明白なので一体何をしているのか。
ふんすっ鼻息荒く、運のいいやつめ、とカマキリを中心に円を描くように距離をとって、視線をそらさないように回り込んで脱兎の如く逃げ出した。
いやさー体が小さくなってみ?頭の位置も低くて、あのギザギザの手が間近にあると結構恐いんだって!
ぜーはー。
大した距離じゃないはずなのにどうしてこんなに疲れているのか?謎だ。
あれだ、子どもってのはなんであんなに元気なのか?とは成長するにしたがって誰もが思うものだが、ねこも同じだ。
疲れているのは精神的には大人の私であり、体は元気いっぱいで、走ったことで逆にもっと動きたい!と体が活発化しているような気がする。
いや、体がというか、フットワークがというか軽快なのは心地よいのだが、心と体のバランスがちょっと。
体が不満げにブーイングするけれど、せかく小川の近くなので一休みするよ。
本当はコップのほうがいいんだけど体の構造上の問題で平皿に近い器を出して水を汲むと、身体を横にしてくつろぎながらチロチロっと水を舐める。始めは下手だった水飲みもさすがにうまくなってきた。
なんか、できるだけ顔を濡らしたくないのだ。
そのためには器用に舌を使う必要性があり、長い修練の結果この通り!
どやぁ。
休憩を終え、再び歩き出す。それからも魚をジッと見たり蝶を追っかけたり予定外なこともあったが無事に村へとたどり着いた。
おかしいなぁ。妙に時間がかかった。首を傾げつつもギルドへと向かうのだった。




