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幼馴染と決意

その日の昼休みのこと、いつメンで昼飯を食っていると凛斗から発せられたひと言に、俺たちはきょとんとした顔になり、3人揃った声をあげる。


「文化祭独自の告白?」


なんだその見慣れない文字列。文化祭マジックとかは漫画や小説などではよく見るけどさ。文化祭独自の告白なんて文字列見たことも聴いたこともないぞ。


「この学校の文化祭にはそういうのがあるんだと、バスケ部の先輩から聴いた」


そういえば凛斗バスケ部だったな。先輩たちと交流あってそんな話を聴いてても可笑しくないか。久遠は知らなかったっぽいけど。


「生徒達の間で文化祭の日にピンク色の物、あるいは赤色の物を渡す、それが告白になるって言われてるらしい」


ピンク色と赤色なぁ。確かに恋愛に直結する色と言えばその2つだよな。でもそれって知ってる人じゃないと無理じゃね?


「蓮と宮はもう勢いで告白した方がいいと思うぞ、特に蓮」


なんで名指しなんだよ。タイミングによったら地獄みたいな空気になるんだが?宮なんて頭抱えて「勢いで告白できたらもうしてるんだよ……」て言ってるし……、宮の場合はこじらせてるだけだと思うけど。


「そういう凛斗はしないの?」


久遠、お前他人事だからって……。いいよな告白して成功してるやつは!まぁここは便乗しておくか。


「そうだよ、出会ってもう半年だろ?」


「俺的にはそんな女々しい告白なしだから」


それ俺らが女々しいって言ってんのか?


「おい、それ俺と宮のこと言ってんのか?なぁ宮もなんか言え……てあれ?」


隣りにいるはずの宮の席の方を見ると宮がいない。

こんな空気の中あいつどこ行ったんだよ。


「中路くんならめぐに呼ばれてどっか行ったよ?」


「結愛」


結愛が来て、そう言ってきた。宮も結愛もいつの間に……。ていうか学校で結愛が俺に話しかけに来るのは珍しい。


「結愛、なんか俺に用か?」


「あ、うん……ちょっと蓮に話……」


話?そんなん帰った後でもいいだろうに……。緊急の話か?まぁ仕方ないか、今話があると言うなら聴くしかないだろうし。


「ここじゃしにくい話?」


「うん、ちょっとこっち来て」


結愛は俺の手首を掴んで教室の外に連れてく。そのまま俺を階段の踊り場まで連れてくるとようやく手を離した。


「で?話ってなんだよ」


「文化祭なんだけど、誰かと回る約束とかもうした?」


「いや……まだだけど」


そんな先の話まだ話してないし……。まだクラス内でシフトの時間すら決まってない。一応午前と午後で分かれるらしいけど。


「じゃあ私と回らない?美紅と恋花は午後のシフトに立候補するし、めぐは中路くんと回りたいって……」


もしかして宮が月島に呼ばれた理由って……。そういえば文化祭って俺と結愛の誕生日は前日だったな。

だからどうということはない……いや……丁度いいのかもしれないな。


「別にいいけど、じゃあ午前のシフトに立候補するってことで」


「う、うんっ!」


決めた、文化祭の日、結愛に告白しよう。誕生日プレゼントを赤い物かピンク色の物を買って。そう決めて結愛と離れた時だった。


「なーんだ、蓮の好きな子って結愛ちゃんだったんだ?」


「げ、紗菜……」


「だから「げ」は酷くない?」


最も会いたくないやつと会ってしまった。こいつどの辺から話を聴いてたんだ……?


「紗菜……どの辺から聴いてた……?」


「え?文化祭なんだけど、誰かと回る約束とかもうした?辺りからだけど」


それ最初じゃねぇか!!最も会いたくうえに最も聴かれたくない相手に聴かれた。


「あ、私美術部なんだけどさー」


こいついつの間に美術部なんて入ってたんだよ。別に俺にとっちゃどうでもいいことなんだけどさ。


「その時先輩から文化祭独自の告白の話、聴いたんだけどもしかして結愛ちゃんに告白するの?プレゼント渡して」


こいつ俺の心でも読んでたのか?勘だったらすげぇぞ、探偵並みに鋭いと思う。


「よかったら選ぶの手伝ってあげよっか?蓮のセンス不安だし」


お前は俺の何を知ってるんだよ。俺は自分的にはセンスもそれほど悪くねぇぞ!母さんへの誕プレにヘアブラシを贈ったら喜んでくれたぞ。ちなみにヘアブラシにした理由は丁度ヘアブラシを買い替えようとぼやいていたからだった。


「結構だ」


そうズバっと言うと「つれないな〜」と笑って紗菜は言う。こいつ俺の恋を楽しんでないか?こっちとしては一世一代の告白するつもりなんだけど?紗菜と話した後、俺は久遠たちの元に戻る。すると宮が机に突っ伏していた。


「久遠、宮どうしたんだ?」


「月島さんに文化祭一緒に回ろうって誘われて理由が分からずあらゆる可能性を自問自答して頭パンクしてるってとこかな?」


なるほど理解した。とりあえず俺の決意表明でもしておくか。


「俺さ、文化祭の日、結愛に告白する」


そう言うと久遠は「え?」と言って、凛斗は「は?」と言い、宮はガバッと顔を上げて俺を見る。


「待て待て、どういう風の吹き回しだ?」


「そもそも凛斗が勧めたんだろ?」


「いやいや!それで本当に告白するとか思わねぇって!」


別に6年の初恋を終わらせてもいいと思っただけだし。

もうそろそろ潮時だと思ったからな。もう決めたんだ。文化祭の日、俺は結愛に告白する。

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