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幼馴染と新学期

新学期、9月になったけどそりゃすぐに涼しくなるわけではなく、9月1日はまだまだ暑い。なんて思いながら結愛と一緒に登校する。


「結愛、宿題全部終わったのか?」


「当たり前じゃん」


まぁ、そりゃそうだよな。結愛期限とか守る方だったし。まぁなんとか俺も全部終わらせたんだけど。でもなんだか妙な胸騒ぎがするというか、落ち着かない。

何なんだ?昨日のうちにちゃんと確認しながら用意したから忘れ物はないはずだし。さっき言った通り宿題も全部終わらせたし、制服もまだ夏服期間だし、俺がいつも着けてる腕時計もちゃんとあるし、身だしなみもちゃんとしてる……のに何故か落ち着かない……。

このソワソワした気持ちのまま、学校に着くと鏡兄妹を見つけて結愛は走って行く。


「恋花ー凛斗くん、おはよ」


「おはよう、結愛」


「おはよう」


別に走んなくてもいいだろうに、俺だって結局凛斗に挨拶することになるんだから。


「おはよ、凛斗」


「蓮、おはよう」


そう話して俺は腕時計を見る。うーん、いつもこの時間帯には宮と月島と会うことが多かったりするんまけどなー。いないなぁ。今日はたまたま遅いとかか?

そう思って教室に行くと、久遠は本を読んでいた。

本当何やってもこいつイケメンだな。納得せざる得ないルックスをしている。


「おはよう、久遠……初野と話さなくていいわけ?」


恋人になったんだし、堂々と見けつけときゃいいのに。自分の彼女だから手を出すな的に。


「昨日話してたんだけど美紅ちゃんが恥ずかしいから秘密にしててほしいってさ」


確かに初野はこういうの恥ずかしがりそうなタイプだよな。


「そういう控え目なところも可愛いんだけどね」


さらっとノロケるな!嫌味にしか聴こえないんだが?

初野の方を見てるといつもと変わらず結愛達と会話をしている。俺たちも話をしていると、チャイムが鳴る10分前になった頃。


「もー!宮が起きるの遅いから遅刻するとこだったじゃん!」


「俺のせいにすんな!大体寝る前にゴキブリが出たとか言ってくるから!」


「その名前を出さないでよ!」


言い合いしながら入って来た……寝坊したのか。寝る前にゴキブリか……そりゃ恐怖だろうな。何も宮に助けを求めなくても……。


「ったく、まさか寝坊するとはな……」


「寝る前に呼び出されたのに言ったんだな」


凛斗がそう言うと宮は呆れた様に話す。


「じゃないと安心して寝れない!とか言ってうるせーからな」


話してるうちに10分経つとチャイムが鳴る。チャイムが鳴ると始業式のため、みんなはぞろぞろと体育館に向かう。体育館暑いから嫌なんだよなぁ。みんなもそれは思ってると思う。たまに始業式や終業式には立ちっぱだからか暑さで貧血を起こしたり、体調を崩すやつも出てきたりする。まぁ俺も結愛もそんなことになったことは今の時点では無い。


『で、あるからして……』


なんで校長の話って長いんだろうな。全国共通で校長の話は長いんだろうか……?そうして始業式が終わると、先生の話が始まる。


「始業式でも聞いたと思うけど、このクラスに転入生が2人います」


あーそういえば少しいたっけ?詳しい紹介はクラスでってことになったけど。


「日下部奏です」


「日下部紗菜でーす」


その言葉についガタタッと椅子を鳴らしてしまうが、クラスのざわめきであまり目立たず、隣の宮に「ドンマイ」と言われる。「またね」とは言ってたけど、転校先がここで、同じクラスになるとかっ……!まさか朝からの胸騒ぎってこれか?虫の知らせというやつだろうか……?


「じゃあ奏くんは月島さんの隣で紗菜さんは中路くんの隣ね」


そう言うと2人が手を挙げ「ここ、ここ!」と自分の居場所を示す。


「よろし……あ、海で会った人だっ」


「よ……よろしく」


テンションに圧倒されてるのか、どもる宮。てか席近いとかマジで勘弁……。


「よろしくね、月島さん」


「うん、よろしく」


月島は平和で羨ましいよ!!


「日下部くん、転校してきたんだ〜!」


「花園さん、知ってる子がいてよかった」


俺には色々と胃が痛む日々が始まりそうだ……。日下部奏は結愛と仲よく話すだろうし、紗菜は俺と席近いし……。それに2人とも男女の双子ではあるけど、顔がそれなりに整ってるし……多分人気出るんだろうな。クラスで初野と紗菜派と、久遠と凛斗と奏派で分かれそうだな。せめてどっちか1人でも別クラス行ってくれよ……。


「俺これから胃痛薬持ってこようかな……」


「いや無駄だろ」


宮にそう言われてしまう、いや自分でも分かっているんだけどさ……。1年の2学期から高校生活心配することなんてあるか……?普通無いだろ!これから色々あるのに……。


「はぁ……」


「宮?なんでお前がため息ついてるんだよ?」


「めぐの隣見たら分かるだろ……」


そうか、月島の隣は日下部奏……、顔も整ってるし、月島だってどちらかと言うと整ってる顔だと思うし、どっちも惚れないという可能性がないわけではないし、仲良く話してるだけでも不安ってことか。宮ももう告白したらいいんじゃね……いや、宮には何言っても俺が言えたことではないと思ってしまいそうだ。

外を見ると俺の心とは真反対の……腹が立つくらいの快晴だ。

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