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幼馴染と浴衣

海からしばらく経ち、登校日も終わった。俺達の高校の夏休みは8月31日までで今は夏休み終盤。詳しく言うと今日の日付は、8月29日。俺、結愛、宮、月島、初野、鏡兄妹は久遠の家に来ていた。何故かというとそれは買い出しが終わったあと、初野が発言したことにある。「このメンバーで花火大会とか行けたら楽しいと思う」と言った瞬間、久遠が「じゃあ、浴衣とか着てみんなで行く?俺の家、呉服屋(ごふくや)だから」と言って、久遠の家の呉服屋に来たわけだ。


「うち貸し出しもやってるから貸してあげる、母さんたちも俺の友達なら無料でいいってさ」


久遠がそう言うので買うことはなく、無料でレンタルさせてくれた。こいつのこの性格ってもしや親譲り……?俺と宮は色違いの甚平(じんべい)、久遠と凛斗は色違いの浴衣。まぁ甚平の方が動きやすいに俺たちに合ってるな。女子は着付けと髪もやってもらってるため時間がかかっている。水着の時も思ったけど、女子ってのは本当に着替えに時間がかかるな。


「えと……どうかな?」


最初に出てきたのは鏡恋花。紺色の生地に白い朝顔柄。髪はいつものポニーテールではあるが髪に簪を着けている。


「恋花に合ってると思うよ」


確かに紺色の白い朝顔、純粋で引っ込み思案の鏡にはシンプルで目立たない色が似合う。と俺も素直にそう思った。


「ごめん、時間がかかって……」


初野美紅は言わずもがな。似合ってないはずがない。黒地に花火柄。黒で引き締まった色ながらも花火柄で華やかな印象だ。いつものツインテールは後ろでお団子にされていてまさに和服美人。という言葉が似合う。これで見惚れない同年代男子はいないと思う。


「俺の見立てだったんだけどどうかな?」


「え?そうなの?ありがとう……すごく素敵だと思う……」


そんなよくさらっと俺の見立てとか言えるな久遠。もう告白して付き合ってくれ。なんでこっちがヤキモキした気持ちにならにゃならんのだ。


「お待たせ〜!」


次に出てきたのは月島めぐ。白地にサザンカ柄。派手めな色ながらも宮と同じで、赤が似合う。オレンジも似合ってたけど赤も似合うんだなぁ。髪はサザンカの形の髪飾りを着けている。


「ねぇねぇ宮、どう?」


「……浴衣って寸胴(ずんどう)だと似合うんだな」


「お世辞も言えんのか〜、この口は」


そう言われながら頬を引っ張られてる。うん、通常運転だなここは。普通に「似合う」だけでよかっただろうに。


「一番最後私かぁ」


結愛は、白地に青の紫陽花柄。素直に可愛いとも綺麗とも思った。髪はいつもと違いポニーテールに簪。どことなく鏡と似ているが、また違う魅力があった。

これは誰が見ても文句なしで可愛いと言うだろう。


「えと、蓮、私……可愛い?」


「まぁ……及第点くらいはあるんじゃね?」


「そこは嘘でも褒めてよ!」


ツッコまれてしまった。だって直接可愛いとか、綺麗とか言えるわけないだろ。はぁ……結局宮のこと言えねーな俺も。


「もうそろそろ6時だね」


久遠が時計を見て俺たちに時間を伝える。確か花火が上がる時間は8時だったな。2時間早いけど、まぁ屋台見るには十分の時間だし、むしろ丁度いいかもしれない。屋台は遊び系もあるから花火前に射的やくじ引きとかで遊ぶのも一興だよな。普通に売り物系もあるし。屋台は見てるだけでも結構面白かったりする。


「射的とかやりたいなー」


結愛は射的がめちゃくちゃ上手くて去年も、射的をやって可愛い兎のぬいぐるみをゲットしていた。正直俺の出る幕がないというか……まぁ結愛が楽しいならそれでいいんだけどさ。


「宮、今年キーホルダー買わない?」


「めぐっておそろ好きだよな、俺としてなんか意味ある?」


こっちの2人は話を聴く限り、毎年おそろいの何かを買ってるんだろうな。多分月島としては特に深い理由はないと思う。


「私はりんご飴食べたいなぁ」


「定番のお菓子だよね」


りんご飴かぁ、あれ食べるのムズくね?まぁ初野がそれでいいなら別に文句は言わないし、言う権利もないよな。


「恋花はなんか気になる屋台ある?」


「行ってみないことにはなんとも……」


それも納得できる。なんか狙いがあっても屋台がない時とかもあるもんな。鏡が狙いがあったとしてもなかった時にがっかりした顔を見られたくない。いかにも鏡が考えそうなことだ。


「蓮は?なんか気になるのないの?」


「かき氷は食いたいかも、ブルーハワイの」


俺はかき氷は何かというとブルーハワイ派だ。そういえばかき氷のシロップは全部同じ味っていうよな。それなら◯◯味じゃなくて、◯◯色って書いたほうが正しいんじゃね?などと今から祭りに行くのに相当ムードのないことを考えてしまった気がする。それにしても8人で祭りか。はぐれなきゃいいんだけど……てこれフラグになるやつだな。考えないようにしよう。これで本当にはぐれたら俺がフラグ建てたせいだと思ってしまいそうな気がする。そして祭り会場に着くと、当然のことながらカップルや家族連れ、友達で来ている人が多い。男でも浴衣着てる人って結構いるんだな。俺たちも着てるけど少ないと思ってた。さて、夏祭り楽しむか。


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