宮とめぐの関係性(番外編)
俺、中路宮は幼馴染の女子、月島めぐに恋をしている。学校では秘密にしているが、実はめぐとは同居中だ。というのもめぐが高校入学直前、3年間親は仕事の事情により海外へ行くことになったが、その時にはもう制服も届いていて、入学と同時に突然の転校は当然無理と言うことになり、うちで3年間居候という形で同居している。めぐはそれでいいか知らないけど、俺の方が気が気ではない。朝や帰ってきたときに着替えをしてる布の擦れる音についドキッとしてしまうし、風呂に入ってるときは細心の注意を払っている。父さんも母さんもなんでああもあっさり承諾するかなぁ……。
「お兄ちゃん」
そう考えていると、小学生の弟である流星が俺の部屋に来た。
「ねぇ……今日一緒に寝てもいい……?」
多分これは今日のテレビのせいだな……。今日は夜の9時からホラー映像や写真の特集があった。幽霊が写ったり、変な声がきこえたり、写真に写ってる体の一部が写ってない子が、数年後その部位を事故で失ったとか。そんなよくあるホラー特集。怖いクセに見たがるんだよなぁ。
「だから観るのやめろって言っただろ?仕方ねぇな……」
流星を部屋に招き入れようとしたが、俺は後ろにいる人物を見て、バタンと扉を閉めた。何故ならその後ろに、ウサギ型の抱き枕を持ってるめぐがいたからだ。
そういえばめぐも怖がりなクセに見たがるタイプだったな。
「お兄ちゃぁぁぁぁぁぁんっ!!」
「宮ぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!今宮しか頼れる人いないの!りりちゃんは友達のところに泊まるって言っていないし!!」
ちなみにりりは俺の中学生の妹だ。ていうか俺の部屋に来ることないだろ!一応俺だって男なんだぞ!?
「2人で寝ればいいだろうが!!」
「怖がり2人で寝たって怖いだけなんだもん!」
知らねぇよ!!そうして2人の入室を阻止すること10分くらい経った。
「ふー、これで一安心だよー」
「どうしてこうなった……」
騒いでたら母さんが来て「弟と女の子が怖がってるんだから入れてあげなさい」と思わぬ援護が入り、負けてしまった俺。母さんが来るのはさすがに卑怯だろ!
それと母さん、めぐと俺の年齢考えてくれよ!
「宮!川の字で寝よう寝よう!」
「お前怖いんじゃなかったのかよ……」
切り替え早すぎだろ。さっきまでの喚きようはどこ行ったんだよ……。
「宮がいれば平気だから来たんだもんっ!」
こいつは俺の気も知らないで……。
「ていうかいくら流星が小学生だからといっても3人で寝るにはきついだろ」
「詰めればいけるって!」
詰めればって、そんなキツさがあるなら俺は床で寝る。というとめぐが反論してきた。
「床で寝たら体痛くなっちゃうよ!明日が休みでも!それは駄目だよ!」
「そもそも誰のせいでこんなことになったと思ってんだよ!」
流星だけならまだしも、お前まで来るからこんな羽目になってんだぞ。それに詰めて寝るとしても俺が気が気じゃない。
「だったら私が床で寝る!」
それは俺の男としてのプライドが許さない。めぐがいくら気にしないと言っても俺は男だぞ、女を床に寝かすのは駄目だろ。そうして俺が床で寝る、めぐが床で寝るという論争が始まり、めぐがどうしても折れる気配がなかったので、俺は結局折れた。まぁ流星がいるし間に挟めばなんとかなるよな。
「分かったよ、俺もベッドで寝りゃいいんだろ、ほら詰めろ」
そう言うとめぐはパッと顔を明るくして、微笑む。
「うんうん、私が宮のベッドで寝て宮が床で寝て体が痛くなったら私が悪いみたいだしね、それじゃおやすみ〜」
お前が折れんから折れただけだっつの。めぐは変なとこで、頑固だからな。
「めぐ……お前俺が男って分かってんのか?」
俺はめぐに背中を向けながら、そう問いかける。そうすると流星が俺に「お兄ちゃん」と声をかける。
「ごめん流星、今めぐと」
「めぐちゃんもう寝てるよ」
……この鈍感女!!俺は今大事な話をしてるところだったんだぞ!!
「お兄ちゃんもうめぐちゃんに告白したら?」
そして流星も俺がめぐのことを好きなのも知ってる。そんなさらっと告白できたら苦労してねーよ。
「まだ俺にはそんな度胸ねーの、いいからお前も早く寝ろ……電気消すぞ」
俺は電気を消してゆっくりとベッドに入る、やっぱ3人で寝るとちょっと狭いかもな。めぐももう少し意識くらいしてくれよ。俺が男だってことくらい。それとも俺ならなんの心配もないと思われてるのか。意識してないにしろ、信用されてるにしろ、どっちでも困るんだけど……。弟の流星がいたとしても好きな奴と一緒のベッドにいるんだぞ。緊張しないわけがないだろ。俺はめぐがいる方向とは逆を向いて寝る。流星に背中を向けることになるのは少し悪い気がするけど、俺は流星がいても、結構理性を保つのも大変なんだよ。流星が明日いらん気を回さなきゃいいんだけどなぁ。
その翌日、目を覚ますと流星はおらず、めぐと顔を合わせた状態で目が覚めた俺は、動揺やら恥ずかしさやらで、後ろに思いっきり飛び退いたらバランスを崩して、ベッドから落ち、その音で起きためぐに「おはよ……何してんの宮」と寝ぼけ眼のめぐに言われたのはまた別の話。




