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アラ古希の雑感  作者: 印具米


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シニアよ、死を恐れるな

 自分は死を大して恐れてはいない。5年前、高齢者御用達の前立腺ガンとなり放射線治療を受けた。前立腺ガンは再発が少なくない。治療後も半年に一回、血液検査を受ける。自分は患者会に入っているため多くの同病仲間を知っている。当たり前のことだがみな血液検査に怯え、その数値に一喜一憂する。しかし自分はそれほど気にしていない。なぜなら「人生もう十分」という気になってきているからだ。

 加齢とともに不具合が多くなってくる。布団に入ってもなかなか眠れない。寝ても夜中に何度も目が覚める。気力がなくなってくるし集中力が続かない。シミが増え年寄り顔となり鏡を見るのが怖くなる。何よりも思いっきり笑う機会がめっきり減ってきた。こうした負の状態がこれから増えることはあっても減ることはない。お先真っ暗(笑)。

 と言うことならばいっそのこと、この世と早くおさらばするのも悪くない。とにかく惨めなヨボヨボ老人にだけはなりたくない。

 そもそも死などというもの、残された者には一大事だが、本人にとってはそれほどのものではないだろう。自分は大学時代、飲みすぎて急性アル中となり病院に担ぎ込まれたことがある。病院に運ばれていなければ死んでいたかもしれない。しかし当時は、意識不明のまま死んでいればよかったのかもという気持ちになった。なぜならその頃は精神的にものすごくつらかったので。

 死は苦しみからの解放。

 

 「ハハハー、ハハハー」といつも笑い転げていた80年代のトシちゃんみたいな人は別として、人間誰しも悩み苦しみを抱えているもの。しかし若いうちは楽しみがそれらを上回っているのが普通。しかし人生の後半を過ぎ、死が身近になってくるとだんだん不快なことが多くなってくる。そうした状況は年齢とともに加速する。だったら早く死ぬのもありかな、、、、

 死は苦しみからの解放。

 高齢者よ、死を恐れるなかれ。ただし生きているうちはトシちゃんみたいに「ハハハー、ハハハー」とやっていきたいね。

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