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phase63 再起動

 三人組を連れて適当な部屋に入った。


「カナメ様……?」


 最初に俺が行ったのは光の魔晶石を大量に、“影”なんて出来ないように作り出すことだ。

 あのスキルを持つ奴は影を利用していたし、後は普通の防音設備があれば十分だろう。


「君たちには今まで通りに研究を続けてもらいたい。そのための支援は最優先で行おう」


「……それは嬉しいですが、戦争なのでは?」


「……。正直言って戦争に参加したくはないし、英雄の本性を見てしまった今では帰ることを優先したい」


「本性?」


 三人組の内の一人が聞き返してきたので、今まであったことを説明する。


「国政に携わるものなら普通では?」


 帰って来た反応は芳しいものではなかった。可哀想とかそういう反応が欲しかったわけではないが、利用されているという憤りはないのか。

 顔に出ていたのか焦った調子で、俺から見て一番右側の研究者が言葉を継いだ。


「カナメ様、貴方は他のものにも言われているでしょうがそのスキルは本当に異常なものです。本来ならば奴隷紋を刻んで生きる魔晶石製造機にするのが普通かと」


 真ん中の研究者がさらに言葉を継ぐ。


「聞けば貴族としての権限も保持、人権もあり、行動に拘束もない。危険人物に対する対応としてはかなり寛大かと」


 ……。俺が大人になりきれていないというだけなのだろうか。自分が利用されているという感覚と、相手への不信感が拭えないことは成長していないということなのか?


「理不尽なことは多いのですよ。九割が楽しくないことでも、一割でも楽しいことがあればそのために我々研究者は頑張れるのです」


「……。やり方が悪辣にしか思えない」


「それが“大人“ってやつですよ。この国ではカナメ様も大人。たとえ理不尽に感じようとも、カナメ様はやりたいことはないのですか?」


 やりたいこと、か。ここに来る前なら伊藤と大学生活を――、あいつ大学落ちているしなあ。

 地球に戻りたい、日本に戻りたいがそれはこいつら研究者に託すしかない。

 本能に従うなら昼は淑貞なのに夜は娼婦みたいなネコミミ奴隷かエロフといろんなことをしたいが――。


「!」


「カ、カナメ様?」


 彼らが俺をそういう風に扱ってくるのなら、俺もそれ相応の態度を取る――。子供って言われそうだが。やはり能動的な協力をして戦争が終わったら――。


「そういうのはありだな」


 我ながらアレな発想だが、孤児院とかいいな。

 思考がゲスいので一度咳払いをしてから、


「話を戻そう。自分の中で少し踏ん切りがついた。ちょっと本気になろう」


「は、はあ」


「研究についてはさっき言った通りだ。ちょっと本気でこの戦争に勝ちに行く気になったから、君たちも頑張ってくれ」


 尊大な言い方になってしまったが気にしない。いい気分だ。



 部屋に戻り、思考を整理する。

 これからやらないといけないのは研究の陣頭指揮と―-。レミアの件か。

 正直なんでいきなりいなくなったのかわからない。カルビンの話では本家がどうこうとか言っていたし、説得がどうこうっていうのも納得しがたい。


「動きたくとも動けない、か」


 思考を声にだしつつ、考える。カルビンにやはり相談しないといけないだろう。


「あとは能動的に動くと言っても、戦争関連の知識なんて――」


 今回の戦に関しては一戦一戦に勝つだけでいいというわけでなく、国が滅ばないようにしないといけない。

 勝つが為に大量の資材を消費して結果的に経済的に終わりました、じゃあ話にならない。


「その辺の認識も合わせないとまずいな」


 まずは、心を閉ざしていたが彼らと会話をしなければ。

 本心を言えば彼らは嫌いだ。嫌いだが――。

 ふと、手に水晶の塊をだしてみる。


「この力が危険――。危険という認識はあったけど、どこか現実ではなくて夢物語のような、泡のように思っていたのに」


 カットも何もされず、綺麗に六角柱型になっている水晶を眺めながら、俺はベッドで横になった。



 翌日、少しけだるい体を無理に起こし、カルビンのところに向かう。

 もう起きているようで、ドアのノックにもすぐに反応してくれた。


「カナメ、様」


 昨日の件もあったからか、カルビンの顔色はあまり良くない。これでもカルビンは俺より年下、色々と有能だと思っていた――、いや有能ではあるのだが経験が足りていないのだろう。経験が足りていないのは俺も同じだが。


「レミアの件で話があってきた」


「その件については今僕も調べています。まだ結果は出ていませんが、結果が出次第すぐに報告いたします」


 恭しく頭を下げながら言った。頑張っているのはわかるし、直ぐに結果が出るとは思えない。


「現状でわかることはこの前言っていたことだけか?」


「……はい。吸血鬼の集落、というより亞人の集落の情報はあまりでないですし難航しそうですが――」


 カルビンもカテゴリ的には亜人なのだろうけど、そんなに鬱屈としたような感じはしないしそこまで悪い待遇ではないのだろう、か。自身を持てないので聞こう。


「亜人ってあれなのか? 奴隷にされたりとか人権無かったりするのか?」


「種族による、というのもありますが戦争奴隷や犯罪奴隷はいますが本当に多種多様なので一概には答えられないかと。しかし、吸血鬼に関して言えば奴隷はほとんど存在しないですし、臣民として国に使えている例もあります。人によっては血を吸わねば生きても行けない下賎な亜人、という扱いをする人もいるようですが、全体的にはそういうことは……」


「そう、か」


 レミアは一体なぜ出て行ったのだろうか。帰ってこないというのは寂しいし、嫌だ。

 今できるのはカルビンに頼んで消息を知ることくらいか。諦められはしないな。


 そう考えていると、そろそろ朝の会議の時間であることに気がつく。

 カルビンに一言お礼を言ってから会議室に向かった。


お久しぶりです。忙しいです。

一度読みなおしてから書きましたが何分書くのが久しぶりなので文があれかもしれません。


やっと鬱部分から抜け出してきました。鬱っていやですね。書く方も嫌です。


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