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Phase48 宝石

 会議はすぐに終わった。

 週一で報告を聞いて、それに承認すればいいみたいだ。

 その時々で方針の変更とかあったら指示すればよく、無理がなければその指示に従ってくれるみたいだし、ここでは俺以上の爵位を持つ人間はいないから指図されることはない……はず。王都から色々と要請が来たら従わないといけないらしいが。

 自分より圧倒的に年上の人が部下となるなんて、経験したこと無い。

 貴族らしくしないといけない……。出来る気がしない。

 でも、今度はここにいる民を守らないといけない。俺の判断で人が死ぬかもしれない。

 戦争は起きないでほしいが、もしものための備えはしておきたい。

 まあ、同盟国だし攻めこんでくるということはないだろうが。


 クリノクロアは平民上がりからの貴族は多いみたいだし、機会があったら話しを聞きたい。王都で過ごす貴族が圧倒的に多いみたいだし、誰か一人くらいいるだろ。



 領地を実際に歩こう。といっても迷宮以外は冒険者用の武器屋が多いくらいか。


「迷宮に行ってレベル上げとかしたいから付き合ってくれない?」


「うーん。いいけど、先に私だけで潜らせて? 行ったことがない場所だから下見したい」


 まあ、レミアだし不覚を取ることはないだろう。


「わかった。頼んだ。それにしても、戦争も落ち着いたしゆっくりとやりたいことをしたいね。レベル上げもしないといけないし、魔法陣のやつもさっさと作りたい」


「そうね。研究とか、研究とか、研究とか!」


 メリッサが会話に入ってきた。ここ連日の戦争とか移動とかで禁断症状が出ているみたいだ。早く餌をやらねば。



 途中で家用の生活用品を買ったり、研究所にしても良い建物を見たりで忙しかった。

 結果的に研究者用の建物は一つ確保した。三階建て、防犯はバッチリ、機材は数人分あればいいだろう。

 カルビンに機材を買ってきてもらえばいい。

 私が稼いだお金は元はといえばカナメ様の生産物を売ったものですし、その利益はカナメ様の物。とか言っていたし、ブッド伯爵からの融資もある。使えるお金はある。

 猫耳少年からお金を巻き上げるように思えて心苦しい気分だ。


 これからの稼ぐ手段は同盟国向けの魔晶石とか宝石類の輸出だろう。それが一番手っ取り早い。

 カルビンは宝石の鑑定はできるのだろうか? 書類整理している所悪いが聞いてみるか。


「カルビンって宝石の鑑定とかできる?」


「いえ、私自身は法が専門ですのでそういうことは。私の部下にもその技能を持っている人はいないですね。この街に宝飾品を扱う店はありましたので、そこでしてもらえばいいでしょう。鑑定だけしてもらって、こちらで売ってしまってもいいですし、良い値段で買ってくれるのなら輸送費とかもありますからそこで売っても良いかと思います」


 なるほど。俺がそういうものを作ったらカルビンに渡せばいいか。

 お金に変えてくれそうだ。


 とりあえず、適当に作ってみよう。

 宝石のカットはよく知らないが、まずはルビーでも作ろう。


 スキルでルビーが出ろと念じる。しかし何も起きない。おかしいな。

 今までで、塩はできたし水晶とかもいけた。

 ダイヤモンドもいけたし、というかダイヤモンド作れば売れそうだな。

 まあそれは後でいい。ルビーができないのはなぜだ?

 同様にしてサファイアも作ろうとしたがうまく行かなかった。

 組成的に考えればアルミの酸化物だし、ルビーとサファイアの違いって不純物が入っているくらいか……。


 やはり不純物が原因で直接作れなかったのだろうか?

 スキルについても完全に把握できてないし、英雄の言ってたスキルレベルっていうのも気になる。

 久しぶりにステータスを見るか。なんか変わっているかな。

 変わっていると嬉しい。


 佐藤要

 Lv.22

 HP320/320

 MP6200/6200

 スキル 特殊:結晶作成・操作[Lv.2]


 なんかLv.2になっている。説明を開いてみるとこう書いてあった。

 生産系魔術系複合スキル

 魔力を代償に様々な結晶を作成・操作できる。

 [Lv.2]-鑑定ができる。


 ……。相変わらずの簡潔な説明。そして全く戦闘には役に立たなさそうな気がする。

 魔力は増えているし、レベルとかも上がっている。通知機能とか無いから見るまで気が付けないのがあれだけど。

 まあいい、レベルが上がる分にはいい。おそらくこの前の戦争のせいで色々と上がったのだろうなあ。あの時は高揚感とかもあったけど俺の意思ですべて行動したし、後悔は多々あるがそういうものだと割りきった。俺があの時にどんな行動をしたとしても全員が助かることはなかった。しょうがないんだ。そう思い込まないと心が壊れてしまう。


 思考がそれた。ルビーを作りたい。

 不純物としてクロムがあればいいはずだ。量的には微量、1%も入れればいいだろうか。

 やったことがないしわからない。

 アルミナをまずは作る。白色の粒状の固体だ。これは不純物とかが入っていない単結晶だし、良い試料のはずだ。

 それに、クロムを操作で侵入させてやる。


 ……何も起こらなかった。原因がわからん。メリッサに聞こう。


「メリッサ?」


「何?」


 なんか紙に複雑な紋様とか数式とかをいっぱい書いていた。

 魔力補給用魔法陣だろうか?


「ルビー作ろうと思ってアルミの酸化物にクロムを入れたんだけど何も起こらないんだ。どうすればいいかな?」


「ちょっと待って。そもそも宝石とかがどんな成分なのかはわからないし、普通は人工的には作れないのよ? カナメはスキルでできるけど。そもそも魔晶石以外の鉱物は解析が進んでいない現状だし……」


「……。うーん。その辺から俺が定義したほうがいい感じ?」


「日本の方の知識で知っていることがあるならそれを本か何かにまとめたら? 多分、この世界にはない知識だと思うし。まあ宝石とかは掘ったり迷宮から出てくるものって認識が強いから、人工的に作ろうなんて誰も考えやしていないわ」


 ふむ。周期表とか知っていることをまとめた本でも作ってみようか。



ここから週一の亀更新になります。かなり忙しくなってきました。

冬休みには戻します!

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