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Phase36 英雄

 会議が終わり、英雄とミナトに呼ばれた。

 個人的な話ができそうだ。


 私室っぽい所に行くと、メイドさんっぽいのまでいた。

 北欧系の美女って感じで可愛いというより綺麗な人だ。

 レミアには部屋の前で待機してもらって、地球組だけで話すことになった。メイドさんも席を外してしまった。残念。


「まあまずは自己紹介とかから始めようじゃないか」


 英雄にそう言われ、とりあえずここまでの経緯とかを話す。

 と言うかいい加減名前を知りたいと思って聞いてみると、春斗とか割と普通の名前だった。ミナトの方は海名人、と書くらしい。

 割と自分の中に英雄で定着しているので多分英雄とこれからも呼ぶことになりそうだ。

 本人が春斗という名前をあまり気に入っていないという話も聞いたし、そのことを言ったら英雄で呼ばれ慣れているからそっちのほうがありがたいとも言われた。

 ミナトはミナトでいいそうだ。


 ミナトと英雄は双子らしい。兄貴の方は英雄らしいが、そんな感じがする。

 髪の毛茶髪でいかにもリア充の塊というか、荒々しいけどいいやつという印象がする。花火が爆発する音ってリア充が爆発する音なんだよ、という話が頭によぎった。

 英雄の火の魔法って威力を求めた花火みたいだし。

 それに対してミナトはどこにでもいるようなオタクメガネだからこっちのほうがとっつきやすかった。


 どっちにしろ、この国にはしばらくいるだろうし良好な関係を築いておきたい。


「結果的に、ミナトのスキルって一体何なんだ? 明らかに死んでいそうな人が生き返っていたりしたけど」


「あー。簡単に言うと治療系のスキルかな。魔力を犠牲にするか、これからの寿命を犠牲にするかして、相手の魂がこの世にいる間は蘇生、治療が出来るってやつ。スキルレベルが低いからまだこれだけしか出来ないけど」


 要はすごい治療なのだろう。魂とかが実在する所に驚いた。


「スキルレベル、ってなんだ?」


「え? ああ、カナメはまだレベルアップしてないのかな。兄さんが今レベル2みたいだけど」


「スキルを使い込んだ後、ステータスの表示が変わるみたいだぞ。まあ俺は常に英雄のスキルを使っていたようなものだから早かったのだろうな」


 初耳、というかステータス自体忙しくてみていなかった感じがある。

 久々にステータスを見てみよう。


 佐藤要

 Lv.15

 HP260/260

 MP1800/3710

 スキル 特殊:結晶作成・操作


 レベルとか細かいところが上がっているけど、特にスキルのところは変化がなかった。

 英雄のスキルは軍勢に対する補正もあれば、自分に対する補正もあるみたいだ。

 だから一人軍隊みたいなことができているみたいだけど、それにしても強すぎる。


「スキルとかを選んだのだと思うけど、他にも色々あっただろうになんで英雄にしたの?」


「いや、選ぶところなんかなかったぞ。カナメはあったのか?」


 頷いて答えを返す。

 色々と認識の齟齬があるみたいだ。スキルに関して言えば俺は選択できたけど、結晶のやつ以外碌なのがなかった。


「そもそも複数個スキル持っているだろ? そしたらある程度役に立つ感じにはなっていただろ?」


「いや、複数個なんて無いんだけど、俺は結晶を作って操作するスキルだけだ」


「あー。なんというかドンマイ」


 同情された。英雄にいたっては剣聖とかなんか凄そうなスキルも持っているらしいし、何だこの差は。後何個か持っているという話を聞いて目の前が真っ暗になった。

 ミナトも複数個持ちみたいだし、この疎外感はなんだろう。寂しい。

 いつか俺にもスキルが目覚めないかなって思ったけど先天性のもので、スキルのない人もいるし、こればかりはしょうがないらしい。

 諦めてスキルのレベルが上がるのに期待するしか無いのか。


 他にもいろいろと雑談したが、明日の防衛戦も朝早くかららしいので、お開きになった。

 ミナトは不寝の番らしいから大変そうだが、眠気はスキルで取れるらしい。うらやましい。


 レミアを連れて部屋に戻る。

 さっきまで寝ていたから正直そこまで眠くない。


「なあ。なんだかんだであの国から出てきちゃったけど、大丈夫か?」


 俺にこのままついてきてくれるのか、という意味だ。


「魔晶石がある限り私はついていくわ」


「冒険者ギルドはどこにでもあるし、契約は有効だわ」


 どちらもらしい答えを返してくれた。

 貴族の給料的なものはどのくらいになるか心配だけど、まずは戦争が終わってからだな。

 問題はカルビンだ。

 シルトが奔走してくれていると信じても、多分商業ギルドから俺は強制脱退となっているだろうし、その辺が見えない。

 こんな状況じゃ手紙とか出せないけど、案外店を引き払ってこっちに来たりしないかな。

 ロックさんとかには悪いことをしたなあと思うけど、もはやしょうがない。

 むしろこっちに引き抜きたいくらいだ。無理だろうけど。

 案外メリッサと同じ研究者軍団は魔晶石をちらつかせれば来るんじゃないかな。あの国ではもう研究用の材料がないし。

 街かなんかもどのくらいな規模かわからないけどもらえるみたいだから、研究所とかつくりたい。

 魔法陣は作ってて面白く感じた。地球の知識が使える要素は多くはないけど、魔晶石は作れるし、魔素遮断溶液とか伝導帯とかその辺が作れればかなり進むだろう。


 未来のことを考えていると自然と頬が緩んできた。

 よく眠れそうだ。


風邪引いて辛いので明日の更新はあるかわからないです。

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