Phase27 貴族
一応お偉いさん方の予定だと、砦を落としさえすれば、この付近を蹂躙するのは簡単らしい。
ただ、相手方にも貴族がいるらしく、その土地はその土地でまた砦を落としたりしなければいけないらしい。なんにせよ、目の前の砦が邪魔になるので初めに攻略するようだ。
相手軍の本隊が来るまでに、ケリをつけられるならつけたいみたいだが、英雄がしぶとく、このままだとまずいみたいだ。
相手国の王都までたどり着けるのはどんなに順調に言っても半年と聞いて、気が滅入ってきた。
一応、契約上は砦を攻略するまででいいみたいだが、この後また要請されたら断れない。
工作部隊所属なのでまだ戦ったりはしていないが、いつ襲われてしまうかわからないし普通に怖い。
今日から攻勢にでるらしい。
といっても工作部隊はしばらく待機だ。昨日修理した投石機は石の代わりに品質の悪い火の魔晶石を投げるみたいだ。
着弾時に爆発するらしく、コストはかかるが効果は高いらしい。
普通の石も一緒に投げるらしいが、砦も対なんとか用障壁があるからそれの破壊のためらしい。名前忘れたけどあまり興味ないしいいか。
攻城戦が始まった。怒鳴り声や喧騒が聞こえる。
今いる位置から砦まで数キロくらいなのだろうが、破壊音や悲鳴が聞こえて正直ノイローゼにでもなりそうだ。
味方は工作部隊を除き、貴族軍は王族派の新興貴族くらいしかいないらしい。
新興貴族自体あまり権力を持っていないので協力したくとも兵力的にはあまりおらず、主力は第二王女率いる騎士団のようだ。逃げ帰った貴族達の軍は英雄の入る限り兵を出さなそうだ。
たとえ王都を防衛戦しなければならなくなったとしても自領に引きこもるだろうというのが一般的な見方だ。
具体的な数は機密上教えてもらえなかったが、こちらは砦側の軍勢の三倍以上は用意できたが、相手に英雄のスキル持ちがいる以上、厳しい戦いになるようだ。
昼を過ぎたあたりだろうか、騎士が此方に来た。
「第十二工作部隊だな? 午前の攻城戦で使いにくくなった投石機や弓を修理して貰いたい」
「戦況はどのような感じになっていますか?」
「英雄が魔法を使い、第二王女さま率いる騎士団に損害が出た。攻城も対魔法用防護壁に阻まれ、まだうまく行っていない状況だ」
何やら不味そうな感じがする。
英雄が使った魔法は、巨大な火の玉を発生させるものだったらしい。
一発で二、三十人が死んでしまったそうだ。
ただ、英雄も何発も打てるようなものではないらしく、その一発以外は英雄が出てくることはまだないらしい。
俺がもし英雄だったら、確実に夜襲をかけ、本陣に巨大な火の玉を出す魔法を使って、首脳部を制圧、撤退させると思うが、さすがに味方も対策しているだろう。そう信じたい。
最悪なパターンは、工作部隊や救護部隊に奇襲をかけてくることだが、そうなったら逃げよう。死にたくない。
とりあえず、大量に運び込まれた弓を直す。
金属製と木製が半々だが、俺は金属製の弓に割り当てられた。
血まみれの弓が大量に運び込まれてきたのを見てげんなりしつつ。
血生臭いし、人の頭がそのままくっついているやつもあったりしてひどい。弓の上端に剣っぽいものが付いているとはいえほんとに使うとは相当激しい戦いらしい。
スキルを使って手入れしたいところだったが、うまくいかなかったので普通に手入れをする。
血の付いた弓の手入れの仕方なんて知らなかったので、肌が女のように白い男っぽくない人に声をかけた。若く見えるがハゲ散らかしていて、少しデブなやつだ。
「すいません。血の付いた弓の手入れの仕方がわからないのですが……」
「ああ。戦場だし適当に拭いて、弓っぽくなるようにしておけばいいと思うよ。それより君はカナメ君だよね」
「そうですが、なんでしょうか」
「君のスキルについては聞いたよ。ちょっとその話をしたいんだけどいいかな?」
ヤバそうだが、かなり強引に貴族用の小屋に連れていかれた。弓の手入れはいいのだろうか。見た目に反して力強く、掴まれた腕が痛い。
「僕は魔晶石に興味があってね。もしかして君のスキルで魔晶石を作ったりできないのかな。ねえ、どうなの? 魔晶石も販売してるみたいだしさあ」
かなり早口で言われた。これはまずいフラグか?
出来れば言いたくないがごまかせそうもないので素直に言った。
「一応作れますが、効率が悪いです」
「うん。うんうんうんうん。そうだよねえ。そうだよなあ」
その時、後ろから腕を掴まれた。
後ろから頭に衝撃がはしり、頭から血が流れる感覚がした。
「よし、連れていけ」
クッソつまらない所が三回くらい続いてしまいましたが次回やっと動きがあります。
今までプロローグみたいな感じです。
七万字も使っちゃったよ…
更新ペースは不明です。
評価者が後一人で500人の大台
もうこんなとこまで来たのですね……




