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第二話 討伐


ライヤはどうしたらいいものか考えていた。

流れで村を飛び出したけど、村の外の世界は全く知らないくせして、地図すら持ってきてないライヤは何をすればいいのかわからいのだった。

ライヤは今は訳もわからず、森の中を彷徨っていると、無意識のうちにあくびが出る。


「昼まで寝てたけど流石に眠いな」


ライヤはいい寝床を探すために辺りを見渡す。

ライヤは村近隣の森の出る魔獣を知り尽くしているため、慎重に寝床を探す。

そこに丁度いい木を見つける。


「今日はこの木の上で寝るか」


鳥型の魔獣が少ない森なため、なるたけ高いところで寝るのが安心だからだ。

ライヤは慣れた手つきで木を登り、一番太い枝の上に座りそのまま目を瞑る。




ライヤは木の上で太陽の光により目を覚ます。

一度木から降りバッグの中身を確認し始める。

子供の時使ってた木刀、台所に置いてあった収穫したての野菜たちと包丁等と他には他にはとあさっていると、近くの茂みから魔獣が出てくる。

四足歩行で丸々と太った体に大きな牙が2本、ボアだ。

ライヤはその場にバッグを捨て、木刀をボアに向ける。

ライヤは今まで何度かボアを見たことはあるが、今まで見てきたのとは桁違いに大きい。

ボアは前足を動かして、突進の準備動作をしている。

ライヤは逃げるれないことを察してボアに木刀を構える。

ボアがライヤに走り出す。ライヤはボアが突進してくる時は、方向転換ができないことを知っているため軽く横に避け、横を通り過ぎるタイミングで木刀を振り下ろす。

木刀がボアの体に当たると、木刀が折れる。

ライヤはすぐに折れた木刀を投げ捨て、ボアが方向転換してくる前に走り出す。

ボアもまたライヤに向かい突進してくる。

ライヤはすぐに木の裏に身を隠すが、隠れた木はボアの突進で折れてしまい、すぐその場から離れる。

ライヤは威力が高すぎる突進を目の前にし、恐怖がひしひしと湧いてくる。

ライヤはボアの攻撃を避けながら森をかけていく、ボアは木を倒しながらしつこく追いかけてくる。

ライヤが足を止めたのは、目の前に大きな岩の壁があったからだ、もう逃げ場がなくライヤは絶体絶命に陥った時だった。

ライヤは覚悟を決めボアに向き直る。


「筋肉増加I」消費魔力10 ・残り魔力90


ライヤは自分に補助魔法をかけ、腰を落とす。

ボアは突進の準備動作を終え走り出す。

ライヤはボアの牙を掴み、ボアと押し合う。

ボアは押し合いになるとすぐに顔を縦横無尽に振り回し、ライヤを振り払う。

ライヤは振り払われた衝撃で木にぶつかり、もたれかかっている。

そこにボアが向き直り、突進の準備動作に入る。

ライヤは木にぶつかった衝撃でうまく立ち上がれない、このままだとボアの攻撃を受けそのまま即死だ。

残された手段は…


「魔法だ!」


ライヤは右手のひらをボアに向け、「ファイヤーボール」(消費魔力5・残り魔力85)と唱える。

ライヤの手のひらの先から火の玉を放つ、その火の玉はボアの足元に飛んでゆく。

野生の魔獣というものはどうも火が怖いらしく、ボアは慌てふためく。

ライヤはその隙に立ち上がり、捨てたバッグの方を目指して走り出す。

正気に戻ったボアはライヤを追いかけ始める。

ライヤはボアを避けながらバッグを回収して、包丁を取り出す。

なんでさっき包丁じゃなくて木刀を選んだのかわからない。

ライヤはボアをまた避け、脇腹に包丁を突き刺す。刺さった包丁はボアの突進の勢いが合わさって、大きく切りつける結果となる。

ボアの体はなかなか丈夫で刃先が多少欠けたが、まだ戦える。

ライヤは包丁を構え、ボアの突進に合わせてさっきのとは逆の脇腹を切り裂く。

血を流すボアは貧血気味なのかフラフラとしている。

ライヤは勝機があると感じる。

諦めの悪いボアはすぐに突進してくる。

ライヤはまたかわそうとしたがその時に、ボアが足を踏み外し、ライヤが交わした先へと飛んでくる。

自分よりも5倍以上重いボアに当たったライヤには相当なダメージが入る。

ボアはその場で横たわり、ライヤもその場に倒れている。

先に立ち上がったライヤはボアの首に包丁を突き刺す。

ボアはその場でジタバタと暴れるが、時間が立つとぴたりと止まる。

ライヤはボアが死亡したことを確認する。


「しゃー!生き残った!」


地面にぶっ倒れ空を見上げたライヤは両手を上げてそう叫ぶ。





また空が暗くなっていた。

ライヤは「ファイヤーボール」(消費魔力5・残り魔力80)で焚き火を作り、ボアを焼いていた。調理方法はわからないから丸焼きだ。

パチパチと音を立てる火を眺めながら、ライヤはぼうっと考えていた。

まじで魔獣を討伐できちゃったとか、そういうものの興奮でいっぱいだった。そのためにボア肉を焼きすぎてしまった。

慌てて肉を火の中から取り出して、肉にかぶりつく。

ボア肉は今まで食べた肉よりは臭みがあったが、味はそこそこだった。

ときどき骨などが入っていたが、ゴリゴリと噛み砕いて全てを食べ終わった。

ライヤは体がボロボロで今日は動けそうがなかったので、昨日寝た木に登り、またしても眠りにつく。




翌朝ライヤが木の上で目覚めると、突如として胸の辺りに痛みを感じ、木から落ち地面に倒れ込む。

ライヤは「あ゙ー」と唸ることしかできない。

そんなとき近くから、生き物の足音が聞こえる。

ここで人生が終わりを感じるライヤ。

生き物の足音はライヤの目の前で止まる。

うなりながらライヤが目線を上げると、そのには人間がいた。


「大丈夫ですか?」


ライヤを心配してきた声が聞こえたがライヤはその時に意識を失ってしまった。





ライヤが起きると、目に映るのは星が綺麗に光る空が広がっていた。


「何時間寝てるんだ俺!」


ライヤが思い切り体を起こすと焚き火を突いてた弓を背負っている黒髪の同年代くらいの少年と目が合う。


「起きたんですね」


気まずそうに苦笑したライヤを助けてくれた人は名は「フィエルド・アロー」というらしい。

その彼ががおおまかな事情をライヤに話してくれた。

ライヤが倒れてたところを助けてくれたこと、ずっと寝たきりのライヤの看病をしてくれたことを……


「あのアローさん?助けてくれてありがとうございます」


「いえいえ、どういたしまして」


アローは作っていたスープを木のボウルに注ぎライヤに手渡す。


「あ、ありがとう」


「いえいえ」


ライヤ同年代の人間には苦手意識が高く緊張して、うまく話すことが出来なく、気まずい空気が流れる。

スープはとても美味しく、すぐに飲み干してしまったライヤはアローに話かけることにした。


「すみませんアローさん」


「ん?あーね、僕のことはフィスって呼んでくれない?いつもそう呼ばれていたから違和感があって」


ライヤは馴れ馴れしい性格をしているフィスに驚きを隠せなかった。


「あのフィスさん」


「フィスでいいですよ」


「じゃあフィスはなんでこんなところにいるの?」


「答え方が難しいなー、僕が冒険者になるためにミクライカを目指してたその道中だからかな、君はどうして倒れてたの?」


フィスから返された問いにライヤは、昨日と今日の朝あったことを洗いざらい話す。


「そうですね…多分ですが魔獣の肉をなんの処理もなく食べたのが原因でしょうね」


ライヤはフィスの話を聞き声も出さずに驚いてると、フィスはライヤの顔を見て微笑み話を続ける。


「魔獣の肉には魔力をたくさん含んでいましてね、処理をしないといきなり魔力が体に入ったことで体に異変が生じるがあるんですよ。聞いたことはあるのは吐き気とかですけれど、ライヤのもそういうのの一部だと思います」


「ふーん……なんとなくわかった…気がする」


それでライヤの発作の話やなんやかんやを終え、その後フィスとは他愛のない話をして、すぐに寝るこのにした。

寝るのは今回は木の上ではない、フィスが魔獣除けの魔道具を持っていたからだ。地面に適当にシーツをひいて横になる。


「ん゙ー…寝れないな」


ライヤは夜と昼を合わせて16時間以上寝ていたからだ、ライヤはフィスが寝ているところからちょっと離れたところで筋トレをすることにした。





フィスが目を覚ますと、そこには昨日助けたはずのライヤがいなくなってたため焦っていた。

フィスが辺りをキョロキョロしていると、後ろの方からガサガサと音がする。


「ライヤ!」


フィスが振り返るとそこには10匹のゴブリンがいた。

フィスは背負っている弓を手に取り、腰につけていた矢筒から矢を一本取り出して、弓の弦に合わせて引っ張る。

ゴブリンがフィスに向かって走り始めると、フィスは手を離す、先頭のゴブリンの頭に矢が突き刺さり倒れる。

倒れたゴブリンに躓き残り9匹のゴブリンは動きを止める。

近距離戦が苦手なフィスはその場から走り出す。立ち上がったゴブリンも走り出しフィスの後を追う。

ひたすら走ったフィスが森を抜けるとそこには川があった。

筋トレで汗をかいたライヤが近くの川で水浴びをしていると、見知った人がゴブリンに追われてこちらに向かってきていた。


「ライヤ!無事だったんですね?」


明らかに心配される側のフィスがライヤに大声で話しかけると、ゴブリンがライヤに気付きうち五匹が、ライヤの方に駆け出す。


生まれたばかりの赤ん坊のような格好のライヤはゴブリンと戦う術がない。

ライヤはなんとか抵抗するために、川底からギリギリ片手で持てるサイズの石を拾う。

先頭のゴブリンがライヤに対してこんぼうを振るうと、ライヤはなんとかかわし、ゴブリンの頭に石を叩きつける。

殴られたゴブリンはその場に倒れる。

残りのゴブリンは倒れた仲間を無視して、ライヤに向かってくる。

ライヤは足を振り上げ水で目眩しをする。

その場で立ち止まるゴブリンに対してライヤは石で殴る。

一、ニ、三匹とゴブリンを倒すが残り一匹のゴブリンが目を開くと、こんぼうでライヤを殴る。

ゴブリンの攻撃を脇腹に受けるがライヤは痛みに耐えながら、石で頭を殴る。

最後のゴブリンもその場に倒れると、ライヤはその場に倒れる。


フィスはというと、最初は弓矢で応戦していたものの、途中からは弓を使わずに、直接ゴブリンに矢を突き刺すという醜い戦いを終え、フィスはその場にへたり込んでいた。

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