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掃除のスキルで世界無双!? ~雑用スキルで最強になっちゃった~  作者: わらうクジラ
第三章二部 夢と塔
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☆未だ来ない☆

ありがとう、と呟けずに立ち上がりそして英雄になるという絶望感を抱いていた。


『過去には強かに。汝を認め、未来の謁見を赦そう。我が力を宿した弓を持ってゆくが良い』


現れた重厚な箱を開けると弓が出てきた。

 ゲンを引き、放つと二つの弓が発射された。


「──ありがとう。全部終わったら見せてあげる。全部を、過去にして」


笑ってくれた、気がした。




いつの間にか一層に戻ってきていて、いつぞやの階段が目の前に有った。


「いくか。全部見よう」


一層上がると声が聞こえた。時計盤のような天井からなのかは分からないが、声が響いた。


『時空の神の試験なり。熟した貴女に明日を与えよう。皆で見ると良い』


その言葉と同時にまた階段が現れた。

 そしてもう一層登ると、


『過去には強かになれたなら、未来には柔軟になりなされ。今より与えるいくつもの命(めい)。その全てを乗り越える覚悟ができたならまた登りなされ』


今から帰るわけにもいかない。

 第四層に着いたとき、


『今から与えるは1つ目の命なり。十二の妖を集め、再び戻って来るが良い。ダラニに行き、不穏な洋館を落としなさい』


ふわっと何かを感じて、


『一つ妖を見つける度に戻って来るが良い。さすれば命を与えよう。いつでも戻ってこれるようにした故に』


その次の瞬間には見慣れた風景になっていた。




部屋に戻ってきた女性は机の上に置かれた手紙を読んだ。


「……あいつらやはり、戦姫の娘か。『聖』として……マニュリカ様に仇なす者を──断裁しようぞ」


昏い外套をはおり、すべてをひた隠しで再び暗殺へと手を染める。





一人の王が即位した。

 雷を使う少年だ。弟に導かれ、街で宣誓した。

 据えられたのは旧公爵子息の腹違いの兄弟。

 作法も知らぬ王は、だが、希望の象徴になった。

 革命を導いたのだから。宗教の自由化を明言し、ルトナは王国になった。




ギルドに戻り、ギルドマスターのところへと真っ直ぐ進む。


「掃除屋ぁ! こっちこいよぉ」


本当に、腐ったみたいだ。


「掃除サボって遊びに行って楽しかったかしら!?」

「作り置きしてけよ! 魔法使いさん」


嘲笑に満ちたギルド。だめだ、私は怒りを抑えるのが苦手になったみたい。


「死ぬ? 殺してあげるよ。石鹼をかけて、飲ませて、綺麗にしてあげるよ。穢い心と一緒に」


風を巻き起こし、そこに黒色の炎を混ぜる。

 

「良い、休暇を」


そのまま進んで受付嬢にバッヂを差し出す。


「彼らに休みをあげて。癒えぬ傷を彼らなら気合いで何とかするでしょう」

「もちろんです、オリヴィア様。ギルドマスターは上に」

「ありがとう」


お礼を言ってギルドマスターの部屋へ行く。


「変わりましたね」

「いや? わたしは変わってないよ」

「……まあいいです。ダラニへ行ってもらえますか? 今回は旅行です」


ほんとかね。

 だいたい旅先でなんか起こっているのだが。

 そういえばダラニに妖器を取りに行かなきゃいけないんだった。

 流石未来の神様。おそらく最適解を最初から与えてくれていたのかもしれない。


「行ってきますよ」

「いいんですか!? 助かります。あと下のやつらを片付けてくれてありがとうございます。迷惑してたんですよ」


実質お許し宣言をいただけた。

 

「じゃあ、お気をつけて」





鼓弓(こきゅう)


12種類の妖器の一つの原核となる武器。

 この武器は未完であり、だが、確かな強さを持つ。

 幻の弓を二本同時に放ち、止まることはない。

 ただただ愚直に進み、あるとき突然観測ができなくなる。

 過去の神から賜った、未来に行けぬ弓。

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