八話【襲撃】
ピーンポーンパーンポーン
その音が目覚ましとなって目が覚めた
『全校生徒に通達しますっ!緊急事態が発生しました!!』
“緊急事態”その単語で俺の意識が一気に覚醒した
何か、悪いことでも起きたのだろうか…?
『化物が、攻めてきましたっ!!生徒のみなさんは全ての防火扉を閉じて待機していてください!』
ピーンポーンパーンポーン
…自衛隊は?どうなった?守ってくれるんじゃないのか?
「おい、これ、来たんじゃね?あんまそんな気はしなかったけど。やっぱ異世界来たんじゃね?」
そんなことをいう康太がいた
「…とうとう、おかしくなったか…、駄目だこいつ、もうどうにもなんねぇ…」
…しかし、やっぱ異世界か…
これが物語なら、チートで無双できるんだろうが…
おそらく、チートはないだろう
敢えて言うなら魔法を使うときのイメージ力だろうか?
「いやいやいや、ワイバーンにモンスター、そんで携帯は完っ全に圏外。もう異世界しかないだろ!?」
てか、それ…ダメだろ、俺たちみたいなweb小説読者ならいいだろうが、そういうのに全く耐性がない奴らは…
「五十嵐、馬鹿なこと言ってないで少しは落ち着いたら?」
さすが委員長、わかっていらっしゃる
「これが落ち着いてられっか!!異世界だぞ異世界!異世界っつったらチートがあるだろ!?それに勉強からもおさらばだしな!」
「で?お前はいつからチート能力を手に入れたんだ?本当にチートなら、もう知っててもおかしくないだろ?」
呆れるようにこたえた
「ソレは、知らねえけど何かあるはずだ!」
こいつは馬鹿なんだろうか…てめぇは本当に学年トップなのか?
「はぁ…もうやめとけ、耐性無い奴らが怯えてるだろうが。お前の頭ん中で何が起きてるかは知らね…いやなんとなくわかるけど、ここは現実だ、けして夢物語の世界じゃない」
「…わかったよ…」
お?ようやく、周りの視線に気づいたか?
「ぜってえチート手に入れてここが異世界だって証明するからな!」
「ぜってーこいつわかってねぇよ…」
ガラッ
康太は何故か、窓へ向かっていた
…は?
「ちょ、あんた何してんのよ!?」
委員長がいった
「何って、チートを証明するんだよ」
「お前正気か?どうせ飛び降りる気だろ?やめとけよ。確かに身体能力チートは定番だが、ここは夢物語じゃなって言ってるだろ?」
康太は俺を無視し窓を開けた
「ちょ、おい!?」
そして俺が物理的に止めようと駆け寄ったが、遅かった。
僅差で飛び降りやがった
ガァァンッッ!!!
康太は自転車置き場の屋根に着地し、こっちを向いた
「ほら、やっぱチートだろ?」
まさか…いや、多分俺みたいにたまたま魔法を出せたんだろう
「いっ、いやぁーーーー!!!!」
多分、死んだと思ったんだろうが、それがあだとなった
今までは、大きな音は経ってないし、近くにモンスターもいなかった
が…、声に気づいたモンスター…それもワイバーン、らしきものがこっちに近づいてきていた
康太も気づいたらしく
「みんな待ってろ!俺が倒す!!」
そう言って校舎とワイバーンの間にジャンプした
「死ねぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!エクスカリヴァァァァァァァァ!!!!!」
…馬鹿だ
叫んだだけで、何も起きなかった
当たり前と言えば当たり前だろう
ガシャァン!!
ワイバーンに突っ込まれた康太がぶっ飛ばされ、窓を突き破り、教室の壁にぶち当たり、盛大に飛び散った
まさに、プロ野球選手がトマトを壁に全力で投げつけたかのように
「「「「きゃァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!」」」」
教室の女子全てが叫んだ
俺を含む男子は、呆然としていた
次の瞬間、ワイバーンが突っ込んできた




