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抗魔大戦記綴  作者: 語部きゅうり
第1章 〜鎮西事態編〜
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第8話 〜撃破〜



 勇二は叶、智樹の3名と共に、2体の魚頭の異形と向かい合っていた。1体の異形が智樹ヘ飛び掛かり、智樹それを高く跳躍してかわす。空中で動けない智樹に対しもう一体の異形が飛び掛かる。「ヤバ!」と智樹は口にし剣を構える。智樹に襲い掛かろうとした異形に対し叶が氷塊をぶつける。着地した智樹「すみません、助かりました。」と叶に感謝を述べる。「フォローはお互い様だから気にしないで。でもまだ敵は倒れてないから集中!」と返す叶。

 勇二は炎の力をため1体の異形へ駆け寄る。異形は勇二を喰らおうと大きな口を開け飛び掛かる。勇二は炎球をその口に目掛けて横に避ける。放たれた炎球はもろに異形の口に入り、異形はのたうち回る。もう一体の異形が援護に駆けつけようとするが叶が氷塊を投げつけそれを阻む。その隙きに智樹が異形の喉元へ剣を斬りつけた。が、すんでのところで異形は頭を反らしたため致命傷とはならなかった。「くそ、しぶといな」智樹は苛立ちを口にする。「叶さん!勇二!あいつのらの気を引いてください!石で奴らを拘束します!」と智樹は二人に叫ぶ。叶は「こっちは私が引き付ける!勇二くんそっちいける?」と聞く。「はい!なんとか持ちこたえます!」そう返すと目の前の異形に向かう。勇二は初の戦闘で実戦経験はないが相手も手負いである。時間を稼ぐ位できるはずだ。いや倒すこともできるんじゃないかという考えが頭によぎる。(いや、これは実戦だ変に欲張らず、自分の役割を全うしなくては)勇二は邪念を振り払い目の前の敵に向って走り出す。先程の勇二の行動で学んだのか、異形は噛みつくことはなく、尻尾を振り払ってきた。勇二はその場にしゃがみ込む尻尾をかわすとともに、すれ違いざまに尻尾を斬りつける。だが勇二の想像以上に異形の尻尾は硬く、剣を弾き飛ばされてしまった。勇二はまずいと思いつつも剣を無理に拾うことなく異形と距離を取った。こうした時に無理に剣を取りに行こうとすると背後からやられるということを訓練で学んだからだ。だが剣が無いことは不利に違いない。相手の隙きを見て剣を取り戻さなくてはならない。相手を睨みつけながら鉄と炎の力を手に込める。そして勇二は走り出し異形との距離を詰める。魚頭の異形は縮めていた前足を伸ばし鋭い爪で勇二を切り裂こうとする。勇二はそれをかわし異形の腹の下に潜り力を開放した。小さな鉄片を爆発で飛ばした。それはまるで散弾銃のようであった。勇二は攻撃を放ちすぐに離脱し先程飛んでいった剣の方へと跳躍した。異形は先程の攻撃に怯みつつもすぐに体制を立て直し、勇二を追撃しようと迫る。やはり腹部であっても攻撃は通りにくいようであった。魚頭の異形の身体は硬く、弱点である口の中を攻撃するか、比較的柔らかい部分に退魔師団の剣で攻撃する、あるいは十分に貯めた強力な‘力’をぶつけるしかない。

 異形が勇二を追撃するもそれよりも早く勇二は取り落とした剣を拾った。そして、反転し迫る異形の目を斬りつけた。目を傷つけられた異形はたまらず後退した。勇二は追撃することなく剣を構え相手の様子を伺う。

 その時「準備OKです!」智樹の声が響く。そして智樹は地面に両手をつける。するとメリメリという音とともに2体の異形のそれぞれの足元から3本の太い石柱が伸びてきた。異形は石柱の先端に挟みこまれ身動きが取れなくなっていた。ジタバタと暴れるが、足が地面から離れており、虚しく空を切るだけであった。「今だ!」と智樹が叫ぶ。勇二と叶はそれぞれの戦っていた異形の首を剣で斬り裂く。2体の異形は事切れ、智樹の出していた石柱が消えるのと同時にドサリとおおきな音を立て落ちていき、一切の活動を停止した。

 勇二の初の異形撃破であった。

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