地獄の夜明け
夜明けの光は本来なら希望をもたらすはずだったが、この瞬間、それはただ地獄のような光景を冷ややかに照らし出しているだけだった。
空気中には拭い去れないほど濃厚な鉄錆のような血の匂いが立ち込め、泥の腥さと薬草の苦い香りと混じり合っている。シミアは極力視線を遠くへと向けようとしたが、無残に砕けた鎧の破片、折れて泥に突き刺さった武器、そしてもはや形を判別することもできない暗赤色の肉塊が、それでもなお頑固に、一度また一度と彼女の視界に飛び込んでくる。
周囲ではミラー将軍が派遣した騎兵が粛然と巡回し、歩兵たちは沈黙のまま戦場を片付けていた。救援は最終的に間に合ったとはいえ、これがおよそ勝利と呼べるものではないことは誰の目にも明らかだった。
強烈な胃酸の混じった吐き気が喉元まで込み上げてくる。彼女は無理やりそれを飲み下した。目の前の残酷な光景に思わず拳を握りしめたくなるが、魂の奥底から湧き上がる巨大な無力感が、指一本動かす力さえも彼女から奪っていった。
これこそが戦争。これこそが、彼女が選んだ「将軍」となる道が背負わねばならぬ重みなのだ。
彼女はアルヴィン将軍の部隊が臨時に設営した野営地へと足を踏み入れた。通路の両脇には白い布でぞんざいに覆われた、比較的原形を留めた死体がいくつも積み上げられている。絶えず新しい担架が外から運び込まれ、処置があまりにも拙速なものもあり、硬直して泥にまみれた腕が白い布の端から覗いていた。
シミアの瞳孔が制御不能に収縮した。
主天幕へと続く道が、これほどまでに遥かで長く感じられたことはない。そのせいで、見慣れた二人の衛兵が彼女の姿を見ても、象徴的な制止をすることさえ忘れていた。
「……学生さん、ここはあんたが来るべき場所じゃない」彼女が天幕の前まで来た時、ようやく衛兵の一人が追いかけてきて乾いた声で言った。
シミアは答えなかった。
衛兵は、血の気の引いた、しかし恐ろしいほどに静かな眼差しの彼女の顔を見て、無意識のうちに掴もうとしていた手を離し、連続して数歩後ずさった。
「彼女を中へ入れろ」
天幕の中から、アルヴィン将軍の、まるで砂紙で擦るかのように嗄れた声が聞こえてきた。
シミアは天幕の垂れ幕をめくった。中は見るも無残な有様だった。本来なら茶器や地図が置かれていたはずの木の机は完全にひっくり返され、地図の破片と陶器の残骸が床一面に散らばっている。アルヴィン将軍はまるで骨を抜かれた年老いた雄ライオンのように、力なく別の机の上に突っ伏していた。彼の髪は乱れに乱れ、鎧は血と泥に汚れ、その眼差しはくすんで光を失っていた。
彼はわずかに顔を上げ、濁った、全ての輝きを失った瞳で彼女を見た。その声はほとんど聞こえないほど軽かった。
「……小娘、わしを嘲笑いに来たのか?」
シミアは沈黙のまま隅から幸いにも難を逃れた椅子を一脚運び、彼の隣に腰を下ろした。彼女は慰めることも叱責することもなく、ただ平静に口を開いた。
「アルヴィン将軍。この度の失敗はわたくしの責任です。わたくしは……女王陛下のご信託を裏切ってしまいました」
「貴様!」アルヴィン将軍は猛然と顔を上げた。彼は彼女の胸元の服を鷲掴みにしたが、その目に一筋の怒りも見えず、ただ尽きることのない絶望と自嘲だけがあった。「ハ……ハハ……責任を負う、その権力さえも貴様はこのわしの手から奪い去るというのか?」
シミアは頷き、彼が自分の襟を掴むのをなすがままにした。彼女はスカートの裾から、ミリエルから託された王都の次の一手を指示する手紙を取り出した。
「今、女王陛下の名においてあなたに命令いたします、アルヴィン将軍」彼女の声は大きくはなかったが、有無を言わせぬ決断の響きを帯びていた。「我々が受けたこの敗北を十倍に誇張し、戦況報告として直ちに王都へ送り届けなさい」
アルヴィン将軍は沈黙のまま手を離し、震える手でその手紙を受け取り、一字一句最後まで読み終えた。
彼は頷き、地に膝をつくと、一面の瓦礫の中から徒労にもまだ使える羽根ペンと便箋を探し始めた。
シミアはもう一方のスカートの内側からとうに準備してあった紙とペンを取り出し、彼に手渡した。
彼がペンを握る手はひどく震え、そのせいで最初の一言が便箋を引き裂いた。涙が一滴、また一滴と彼の皺だらけの顔から流れ落ち、真新しい紙の頁を濡らした。
「……貴様はわしに注意してくれたというのに……わしはとうに危険があることを知っていたというのに……」彼は子供のように支離滅裂な言葉を呟いていた。
「将軍」シミアの声は依然として平静だった。「どうか便箋を濡らさないでください。時間がありませんので、あまり多くは準備しておりません」
アルヴィンは力強く頷き、涙を拭うと新しい便箋を手に取り、途切れ途切れに、およそ一刻近くをかけてようやくこの嘘と恥辱で構成された戦況報告を書き終えた。
彼は戦況報告を封筒に入れ、厳粛にシミアの手に渡した。
「……シミア・ブレン」彼は顔を上げ、一種懇願に近い眼差しで彼女を見た。「我々は……まだ勝てるのか?」
「勝てます、アルヴィン将軍」シミアの答えは簡潔で肯定的だった。
アルヴィン将軍は、まるで溺れる者が最後の一本の浮き木を掴んだかのように、その目に瞬時に希望の光が爆発した。彼は猛然と両手を伸ばし、シミアの両肩にその手を置いた。
「わしの仇を討ってくれ! 死んでいったわしの部下たちのために仇を討ってくれるのなら、わしはこの残りの全てを貴様にくれてやる!」
シミアはゆっくりと首を横に振った。
「わたくしは閣下の仇を討つことはできません、将軍」彼女は彼の熾烈な視線と向き合い、その声はまるで焼き入れされた鋼鉄のように冷たかった。「わたくしの任務はこの戦争の勝利を確実にすることであり、誰か一人の私欲を満たすためではございません」
その言葉は、目に見えぬ鋭い刃のように、瞬時に将軍のたった今燃え上がったばかりの希望を突き刺した。彼の目の中の炎が消えた。
「そのために」シミアは一歩前に出て彼の耳元に近づき、そして何かを思い出したかのようにわずかに距離を取った。声を極限まで抑え、二人にしか聞こえない声でそっと言った。「……あなた様は依然としてあの高みにいるアルヴィン将軍でなければなりません。そしてわたくしもまた、依然としてあの机上の空論しか知らない無知な学生でなければなりません」
そしてシミアは、戦局を覆すに足る構想を、有無を言わせぬ信念を帯びたその計画を、一字一句、アルヴィン将軍に伝えた。