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オカルトと科学

 前々回から、逆の意味を持つ二つの言葉をテーマにした雑話を書いているけど、今回はオカルトと科学という二つの言葉をテーマにしたい。

 人によって解釈が変わるかと思うけど、私はオカルトと科学がまったく逆の意味であり、それでいてコインの表裏のように非常に近いものとも捉えている。

 というのも、オカルトという言葉は、科学で説明できないことを指す言葉だ。反対に、元々わからないもの=オカルトだったものが説明できるようになると、それは科学という言葉で表すことができるようになる。


 例えば、昔はどうすれば雨が降るのかわからなかったので、水不足に悩んだ時は火を起こして雨乞いをするといった儀式を行っていた。これは完全にオカルトだけど、雨乞いをすると実際に雨が降るケースが多くあり、雨乞いというものは多く行われた。

 これについて、科学的な説明というものが存在していて、それは火を起こすことで上昇気流が生まれ、その結果雨雲を作り出し、雨が降るというものだ。つまり、火を起こすことが重要だっただけで、儀式的なものをする必要はなかったというわけだ。

 ただ、この科学的な説明に関しては、実をいうと否定されている。というのも、人が起こした火程度だと、雨を降らせるほどの雨雲を作ることができないそうだ。

 つまり、雨乞いをすると雨が降るというのは、結局のところ、科学で説明できないオカルトというわけだ。


 こうした形で、オカルトと科学は表裏一体だ。

 オカルトといわれていたものに何かしらかの根拠が生まれ、説明できると科学になる。

 反対に科学といわれていたものでも、根拠とされていたものに誤りがあったとされると、オカルトに戻ってしまうわけだ。


 また、オカルトは科学で行うことができないものを指す言葉でもあり、そうした意味でもオカルトと科学は表裏一体だ。

 例えば、発明といった形で、今までできなかったとされるものができるようになったと発表されることがある。これは、オカルトといわれていたものができるようになり、科学になったと解釈することができる。

 でも、時にはそうした発明に誤りがあり、否定されるケースもある。

 この時、科学といわれていたものが、単なるオカルトだったということになるわけだ。


 それだけでなく、現在において科学とされているものでも、詳しく調べていくとよくわからない――オカルトと変わらないものがたくさんある。

 例えば、マイナスイオンというのを聞いたことがある人は多いだろう。

 美容や健康に良いものとして、捉えている人がいるかもしれないけど、実は科学的根拠がないそうで、疑似科学といわれている。

 その他、肌に良いとされるコラーゲンや、そもそもで化粧水もそこまで効果がないと知り、女の私としては悲しいと感じてしまった。


 また、皆さんの身近なものとして、医学と呼ばれるものも、科学でありオカルトであるといえるかもしれない。

 というのも、一つのことに対する意見ですら、医者によって様々だからだ。

 例えば、風邪薬は様々な科学の発展によって生まれた、風邪を治すためのものとされている。

 だから、熱が出て体温が上がったから、風邪薬を飲む。少し咳が出ているから、早めに風邪薬を飲む。そうした対処をする人もいるだろう。

 それに、風邪を引いた時に病院へ行けば、医者から風邪薬をもらうわけで、それを飲むのは当たり前だ。

 症状によって、薬を使い分ける人もいるかと思うけど、風邪を引いたり、具合が悪くなったりした時に、風邪薬を飲むというのは常識になっているように感じる。実際、風邪薬を飲んで熱が下がると、少し楽になるという効果もある。

 でも、そんな風邪薬そのものを否定する医者が存在することは、ご存じだろうか。


 そもそもの話として、風邪を引いた時に熱が出て、体温が上がるのは、人の体の中にある抗体や免疫というものが、ウイルスや細菌を抑制、さらには退治するために働いているからだそうだ。

 それにもかかわらず、風邪薬を飲んで体温を下げてしまうと、せっかく抑制していたウイルスや細菌が活発になってしまい、風邪の治りを悪くするどころか、場合によっては悪化して重症化するリスクもあるとのことだ。

 それなら、風邪を引いて熱が出た時は、どうすればいいかというと、ただ寝ていればいいそうだ。

 こんなことをいうと、オカルトそのものと感じる人がいるかもしれない。

 というか、私もこれを聞いた時、オカルトと思った。


 というのも、この話は知り合いのオカルトライター、ナナシから聞いたものだ。

 ナナシによると、風邪を引いた時は、脱水症状にならないよう、水分補給だけ気を付けて、とにかく寝ていればいいとのことだ。

 熱が出て苦しい時は、濡れタオルなどで頭や脇の下、首の後ろなどを部分的に冷やすと楽になるそうだ。また、あるなら湯たんぽなどで足を温めるのも効果的らしい。

 これをするだけで、風邪は一日か二日で治るそうだ。

 ただ、三日経っても熱が下がらなかったり、たんに黄色や緑といった色がついている時は、病院へ行った方がいいとのことだ。


 先述した通り、私はこれをオカルトと感じた。

 ただ、ナナシは十年以上前からこれを実践しているそうで、風邪を引いても、ほとんど一日で治していると言い切った。

 風邪薬だけでなく、ワクチンなども接種していないらしく、自信満々といった感じで、この話をしてきた。

 なので、私も風邪を引くことがあったら、実践してみようかなと感じた。


 さて、今回こんな話をしている理由だけど、最近風邪を引き、熱が出てしまったのだ。

 いつも通り、病院へ行こうかと思ったけど、ナナシの話があったので、水分補給だけ気を付けつつ、とにかく寝るというのを自分の体で実践してみた。

 すると、ナナシの言う通り、次の日には風邪が治ってしまったのだ。

 それも、普段風邪を引いた時は、治った後もしばらく体がだるかったのに、そうしたことも一切なく、完全回復といった感じで、すっかり元気になってしまった。

 つまり、ナナシの話はオカルトでなく、科学だったわけだ。そして、風邪を引いた時に風邪薬を飲むという、私の信じていた科学は、オカルトだったことになる。

 正直なところ、今も信じられない私がいるけど、こうしたことがあったという事実として、伝えさせてもらった。


 そんなことがあったので、先日ナナシが出した挑戦のようなものを受けてみた。

 それは何かというと、あらゆるウイルスについて、存在が証明されているものがどれだけあるか調べてほしいというものだ。

 そして、海外の論文なども含め、ウイルスの存在を証明するものがあったら、それを教えてほしいと言ってきたのだ。

 というのも、ナナシ曰く、ウイルスの存在を証明する論文のほとんどに不備があり、存在するという科学的根拠を示せていないウイルスがたくさんあるそうだ。

 だから、ナナシにとって、ウイルスというものは、科学じゃなくてオカルトだとも言い切った。


 これを言われた時、私は相変わらずナナシがおかしなことを言っていると思ったけど、風邪をただ寝るだけで治したので、少し興味を持って調べてみた。すると、妙な話が色々と目に入ってきた。

 その中で特に気になったのは、ウイルスの存在を証明することができたら、懸賞金を与えるだなんて話がいくつもあることだ。

 どういうことかと思い、「ウイルス」と「懸賞金」という二つのキーワードで色々と調べてみた。

 その結果、とりあえず、私の見解としては、ナナシに負けるのが悔しいので、今のところオカルトであり科学でもあるというところで、保留にさせてもらうことにした。

 とはいえ、皆さんは、どう感じるのかわからないので、「ウイルス」と「懸賞金」という二つのキーワードを併せて、どんな情報があるのか是非見てみてほしい。


 思えば、体調を崩す理由として、オカルトなら呪いや霊障など、科学ならウイルスや細菌などが挙げられ、どちらが正しいかというのは、実際のところわからないのかもしれない。

 呪いによるものと思っていたものが単なるウイルスによるものだったかもしれないし、反対にウイルスによるものと思っていたものでも呪いが原因だったかもしれない。

 こうした形で、何となく信じていたものが、実は正しくないのかもしれないと知るのは、怪談と異なる形の恐怖かもしれない。


 これまで、私は怪異やオカルトを「信じたいけど、信じられない」と何度も伝えてきた。

 一方、オカルトと反対の意味を持つ科学に関しては、何となく信じていた。

 信じていたという過去形にしたのは、信じていいものかという疑問を持ったからだ。

 オカルトと科学は表裏一体と思っていたけど、ほとんど同一になる時もあると今回知った。

 そのうえで、今の私の見解を伝えると、オカルトも科学も「信じたいけど、信じられない」ものなのかもしれない。

 これぐらいの考えに、今は留めておきたい。


 そんな雑話でした。

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