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死亡予定日

 今回は私が中学生の頃、クラスで話題になった噂を紹介する。


 インターネットで様々なサイトを見ている時、突然意味不明なサイトへ飛ばされることがある。その多くは広告サイトのようなものに飛ばされるだけで、慌てずサイトを閉じるだけで基本的には解決できる。でも、稀にそれでは解決できない、奇怪なサイトに遭遇してしまうことがある。

 それは「死亡予定日」というサイトで、見た日から一週間分の日付と、その日付の横にはそれぞれ人の名前が書かれている。これはその人の命日を予告していて、ここに書かれた日にその人は亡くなってしまうというものだ。


 この「死亡予定日」の噂がクラスで流行った当時、それを見つけようとみんなが躍起になった。それこそ、誰が一番最初に発見できるかなんて競争も始まった。かく言う私も噂を聞いて、サイト探しに没頭した一人だ。

 ただ、中学生の間で広がる噂となると信憑性がほとんどないも同然で、すぐに誰かが流したデマだろうといった形で落ち着いてしまった。それから、この噂は友人同士の冗談で使われる程度の扱いになった。

「噂の『死亡予定日』見つけたよ。おまえの名前が書いてあった」

 こんなことを友人同士で言い合うのが流行って、毎日のようにそんなやり取りが繰り返された。

 でも、こんな冗談のやり取りは、あることをきっかけに一切なくなってしまった。


 ある男子が本当に「死亡予定日」を見つけてしまった。しかも、その男子は同じクラスの女子の名前がそこに書かれていたと主張した。日付は今日で、噂が本当だとしたら名前の書かれた女子がもうすぐ死んでしまう。そんなことを必死に伝えたらしい。

 その直後、交通事故があり、彼が主張したとおりにその女子が亡くなってしまった。

 それから彼は部屋に引きこもってしまったけど、一週間ほどが過ぎたところで自殺してしまった。

 彼が亡くなる前、彼を心配した友人数名が彼の家を訪れた際、彼は錯乱した様子で自分の名前も「死亡予定日」に書かれていたと伝えたそうだ。つまり、彼も「死亡予定日」の噂どおり、亡くなったというわけだ。


 私自身は「死亡予定日」を見たことがないし、今でも半信半疑な部分がある。

 でも、私のクラスで立て続けに二人の生徒が亡くなった。

 その後、「死亡予定日」の噂でふざけ合っている生徒に対して、一人の男子が激しく怒り、それからこの噂を話す人が一切いなくなった。

 そして、何であんなに怒ったのかと私がその男子に質問したところ、こんな話を聞いた。

 これらはすべて事実だ。


 中学生だった当時も、オカルトライターとして活動している今も、私は「死亡予定日」を発見できていない。インターネットなんて世界中の人が利用しているわけで、実際に存在しているなら何かしらかの形で「死亡予定日」の噂が広がっているはずだ。

 それなのに今でも発見できていないということは、「死亡予定日」の噂が嘘と考えるのが自然だ。

 ただ、私はこの話をしてくれた時の男子の様子を思い返して、嘘を言っているようには到底思えないと今でも感じている。それに、繰り返しになるけど私のクラスで立て続けに二人の生徒が亡くなったというのは異常だ。

 だから、今も私は「死亡予定日」を探し続けている。もしも、あなたが見つけた際には、何かしらかの形で私に連絡してくれると嬉しい。


 そんな雑話でした。

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