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カラオケは1人で行くもの

サボってたやつです


サボってた分はこれが最後です

あ゛あ゛あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「嫌だぁぁぁ……」


「ん?なんか言ったか?瀬戸」


「いやっ、なんでもないデス……」


歌を作り、歌を歌う。

それらの経験はあっても、声変わり前の自分がどれだけ歌えるか試したことが無い。

不安でしかない。


「はい…人で…学生です…はいフリータイムで…はい…」


少し離れた椅子で受付が終わるのを待つ。


「ねえ!」


「ひぃ!?」


急に話しかけてこないで怖いからぁ!


「女の子を話しかけられて『ひぃ!?』って酷いと思うけどなぁ瀬戸くん」


「す、すいません…」


「ま、いいや。で、瀬戸くん」


「ハイ、な、なんですか坂本さん」


「瀬戸くんってさ、もしかしてクラス馴染めてない?」


「え゛!?」


「あっいやっそうじゃなくて!瀬戸くん1人で居ること多いよね」


「ハイ、ソウッスネ」


多いんじゃなくて常に1人ですけどね。とは言えない

多分気を使ってくれたんだろう。空回ってるけど


「瀬戸くんはさ、1人で居たい系の人なの?」


「い、いや、違い…ます…」


「そっか」


ニカッという効果音が聞こえるくらい良い笑顔でそう言った。


「…?」


一体なんの質問だったんだ?

それ聞く為にわざわざ俺のとこに?


「よし、行こっか」


それにしても坂本さんって絶対コミュ強だよなぁ


「ほら行くよ」


なんて言うんだろ、近付き方が早いというか、雰囲気からして違うもんな…


「瀬戸くん?」


ま、俺には一生無理ってことだけはハッキリしてるんだよな


「ば!!!」


「がぁぁああ!??」


な、なに!?


「にゃははは!!無視するんだもん瀬戸くん」


「え?」


え?何?俺なんか無視してた?


「ほらもうみんな行ってるよ?」


あぁ、もう受付終わったのか


「あ、ハイすいません…」


はぁ行くしかないかぁ…


「ねぇ瀬戸くん」


「はい、なんですか」


「敬語やめない?」


「え?」


「クラスメイトなのによそよそしいって言うかさ…ほら、距離感じるじゃん?」


「でも…」


「あたしは別に気にしないよ?」


ほんとに距離の詰め方どうなってんだこの人

まじバグってんじゃね?ガンガン来るんだが


「ま、いいよ。とりあえずみんなのとこ行こっか」


「あ、ハイそうですね」





「遅かったじゃん!なんかあったの?」


「いや、ちょっと迷ってただけだよ〜」


どうやらさっきのやり取りは誤魔化してくれたようだ。

部屋はパーティールームで、結構な人数で来たが広さは余裕がある。


「とりあえずなんか入れる?」


「良いけど、誰から?」


「じゃあ僕からいくよ」


初っ端行く勇気あるのやべぇよ中村くん

流石すぎる…


「〜〜♪」


う、上手い…

結構高い曲なのに音程ほぼ合ってるし高いとこも出てる…


「あ、92点だ良かった」


「いやめっちゃ上手いねぇ優真っち」


「そう?ありがとう。結構キツかったけど点出たよ」


「じゃあ次あたしいこっかなぁ〜」


入れたのはラブソング。春なのに冬のラブソングだが、細かいことは気にしない方向らしい。


「〜〜♪」


中村くんほどでは無いが上手い。

音程がちょくちょく外れてたがサビは外さなかった。

サビは完璧なタイプのようだ。


「あぁ〜〜85点かぁ…」


「サビは良かったけどね」


「でしょ?」


フフンと胸を張る坂本さん。

立って歌っていたが元の場所に戻らず空のコップを持って飲み物を取りに行った。


「次は誰が歌う?」


「うーん…じゃあ俺入れるわ」


「おう…ってそれ」


あ、それ知ってる。サビめちゃくちゃ高い曲だ。

原曲キーだけど歌えるのかな?


「〜〜♪」


あ〜最初は挑むけど辛くて下で歌っちゃうやつだ。

あるある。分かるよその気持ち…


「oh......78点…」


膝を着いて崩れ落ちた松田くん。

不覚にも笑いそうになった。


「次は…笹倉さん、どう?いける?」


「え!めっちゃ聞きたい!何歌うの!?」


「あ…えっと…」


そう言ってあたふたしながら入れたのは少し前に話題となったドラマの主題歌。


「〜〜♪」


え、上手い。めっちゃ上手い。

普段とは違い歌になるとめちゃくちゃかっこいいタイプだった…


「よし!96点!」


「笹倉さんめちゃくちゃかっこいいね!」


「まじで上手いわ。すげぇ」


「あ、ありがとうございましゅ」


噛んだ。

さっきまでのカッコ良さはどこへやら、顔を真っ赤にして下を向いてしまった。


「ふっ…」


やべ笑っちった…バレてないよな?


「………」


すっげぇこっち見てくるわ

やっべバレてんなこれ

目が笑ってないんだよこの人…怖いって


ってかこんだけ人数居るんならワンチャン俺歌わなくて済むんじゃね?

息潜めてたらバレねぇよきっと


「じゃあ次は…瀬戸くんいける?」


え゛!?


「ぼ、僕ですか」


「うん。どう?歌える?」


「ま、まぁ…」


さては中村くん俺に効果抜群持ってるな?

断れないんだが


選曲何にすれば良いんだ?

ってか中学生って何歌うんだ?


やっぱり無理だ!笹倉さん!

ちらっ


「……」


『いけ』

そんな感じの顔だった。


諦めて歌うことにした

やっぱり無理だよね、わかってたよ…

フラグ建てるんじゃなかった…


ピッ


とりあえずランキングから調べる。

ずらーっと見覚えのある歌が並ぶ。


「どうしようかな」


お、良いじゃんこれにしよっと


選んだのはラブソング。

恋愛はしたことが無いが、恋愛漫画はたまに読むので感情が乗りやすい。


「〜〜♪」


ふぅ…歌い終わったぜ

意外と辛いとことかなく歌えた


「ふぅ…81点か」


普通にゴミでは?前前世作曲家よ?そんな人がこんな点数って流石にあかんでしょ…


「「「……」」」


え…ちょ…何か言ってよ…

気まずいって…


「すっっっっごぃ!!!」


「え?めっちゃ上手いね!」


「なんか上手いってか巧いって感じ!」


「それ字面じゃないとわかんないやつでしょ…」


いくら下手でも嘘はダメだよ嘘は


「でも点数はあんまり出てないです…」


「点数はそうかもしれないけどさ、歌はめっちゃ良かったよ!」


「なんか感動したもん!見て!私鳥肌凄い!」


「なんか表現力って言うの!?それが凄くてさ!」


なんか良かったらしい。

作曲家の頃は人前で歌う機会が無かったし、ヒトカラでは点を取る歌い方が苦手だったから点も取れない。


くっっっっそ恥ずいなこれ……いやめちゃくちゃ嬉しいのは確かなんだけどさ…ほら…褒められ慣れてないから…


やばい…


「すいません、ちょっとトイレ…」


ダッッッッと脱兎のごとく逃げ出した。





まずいな…ニヤケが止まらん

あんなに褒められたのはいつぶりだ?親は確かに褒めてくれるがそれは毛色が違うからノーカンで


あんな点数取って褒められるとは思わなかった。

微妙な空気になって流される…そんなもんだと思ってた


褒められたい認められたいと思うことは恥だと自分を戒めることもあった…

でも…でもさ…


「…!!」


こんなに嬉しいんだな、褒められるって


こういうことか、モチベーションが上がるって。

褒められると嬉しい。認められると嬉しい。

結果、それが原動力となる。


それを考えると、前前世と前世の俺は一体何をモチベに頑張っていたんだろう…


何かあった気がしたんだよな確か…もう忘れちゃったけど


「まずい、流石に戻らないと…」


すっごい長いトイレだなって思われるの嫌だし俺


褒められるのは嬉しいけど、あんまり絡んでこないといいなぁ……だって怖いし




ガチャ


「あ、瀬戸くんおかえり」


「あっうん」


「ねえ!さっきね?笹倉さんが99点取ってたんだよ!?凄くない?」


え、すごっ


「そ、そんな…たまたまで…」


良く見たら口元にやけてるよ笹倉さん

そりゃ嬉しいだろうね99点は


テストで99点って素直に喜べなくない?

あと1点どこっ!?って、あの惜しい感じね

嬉しさより先に悔しさ来る感じ


ってか聞きたかったな…早く戻れば良かったな…

ま、その内また歌ってくれるか


その後は俺は1曲だけ歌った。

点数が低いのを気にしてる事に気を使ってくれたんだろう。


笹倉さんは普段が嘘のように楽しそうに歌う。

中村くんは安定して上手かった。

坂本さんはスロースターターのようで、だんだん調子が上がっていってた。


他の人もみんな楽しそうに歌う。

上手い下手は関係なく、ずっと雰囲気が良かった。


不思議と居心地が良かった。

普段はクラスすら居心地が良いとは言えなかったのに…


今日は来てよかった。





結局青春とは何か分かっていない。


週末にまた図書館にでも行って情報集めでもしようかな


早く青春っぽいことってのをしなきゃな


そう思いながら眠りについた。

コメントがよく来るからハーメルンにしか上げてなかったみたいなとこある。

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