表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
79/132

第七十九話 誇り

「コホッ! 誇りを捨てただと? 何をいうか……… この騎士ほど誇り高き者はおるまい。この者は死してなお、事に仕えておる。生きている間は騎士として何の疑いもなく仕事に邁進(まいしん)し、騎士として死した後も新しい任務を授かっているのだ。それすら理解出来ぬからドワーフなど劣等の種族なのだ。コホッ!」


 ダレフさんの言葉に、ビルツという人が言葉を返す。

 めちゃくちゃな言い分だ。

 あの騎士の、あの姿のどこに誇りがあると言うのだろう。

 無惨としか言いようがない。

 その時、私は気づいたことがある。

 騎士のただれた頭部から、小さくキラリと光るものがあると。

 それはピアスだった。

 左の耳たぶに生前のままなのであろう、小さな宝石をあしらったピアスを付けていた。

 そして、それはこの騎士が既婚者であることをを意味していた。

 この国では婚姻を結ぶと、夫婦となる男女はお互いにピアスを送る風習がある。


「ハン! 詭弁だね! 胸くそ悪い! お前たちはいつもそうだ! テメェに都合がいいように講釈たれやがる! 死人(グール)にもなってどこに誇りがあるってのさ! その騎士の嫁さんもずっと、その騎士の帰りを待っているんじゃ無いのかい? ろくでなしめ!」


 シェランさんが激昂している。

 当たり前だ、怒る気持ちもわかる。

 だけど、だけど私はただ、ただ悲しかった。

 たぶん、きっとシェランさんの言うとおりなのだろう。

 あの騎士を待っている人がきっといるはずなんだ。


「リュト! お嬢ちゃん! 気合を入れな! あの騎士を(とむら)うよ!」


 シェランさんの声が飛ぶ。

 その声に私は自分を取り戻す。

 そうだ、今は悲しんだりする時じゃ無い!

 そう思いながら、私はシェランさんの方を向いて目を見開く。


「姐御!」


 隣のリュトが叫ぶ。


「わかったかい! いいかい! 目的を果たしな!」


 シェランさんは騎士に顔を背けることなく、そう言い放った。


「身の程知らずが………」


 シェランさんの声を聞いて、あの男の人、いやビルツが声を返す。

 あんな酷い人は呼び捨てでいい。

 

「いまさらだけど、ウチのギルマスからなんか聞いて無いのかい?」


 シェランさんの呼びかけに、ビルツは無表情に応える。


「あのような騎士崩れの言葉に何の意味があろうか……… コホッ! それに、ここは我が聖域。それを汚した者を逃すなど、ありえるものか。許さんぞ叛逆者どもコホッ!」


「もうちょっと気持ちを込めて、言ってもらいたいものだねぇ」


 中腰のまま構えるシェランさんの横に複数の火の玉(ファイアボール)が浮かぶ。


「ダレフさんよ! いくよ!」


 シェランさんが声を上げる。


「ホッ 女魔法使いよ、ここで我が名を呼ぶか」


 太く、厳つい腕に無骨なアックスを構えたダレフさんが口を開く。


「ならば応えねばなるまい」


 そう言うと、ダレフさんの腕がさらに膨らみ、血管が浮きでて、異様な雰囲気をまとう。


 これが開戦の狼煙(のろし)となったのだ。

次話はまだ出来上がっておりません。

途中まで書いているけど、展開が決まってなくて時間が掛かりそうなので、連絡を兼ねて投稿します。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ