怪しい薬と伝説の果物を手に入れました
「レオ、プルーンや。旅立つ前に2、3日、いや2日でいい。時間をくれないかい?プルーンの解呪薬だが、もう少しで完成するかもしれないのじゃ。」
少しレオは考える。
「2日なら…大丈夫です。こちらこそ、プルーンのために有難うございます。」
「にゃぁ(レオ、急がなくていいの?)」
「大丈夫。数日仲間のために使っても妹も許してくれると思うんだ。ここまで手がかりを掴んだのだし。」
「にゃ〜(ババ様、レオ、本当に有難う。)」
「よし、急ごうね。それで、少し足りない素材が何種類かあっての。この街から西に行った近くの森で取れる物ばかりじゃから、日帰りで帰ってこれるはずじゃ。ワシもその間に、レオの妹の情報を集めておくよ。」
そう言うと、ババ様は素材リストが書かれたメモと小瓶をレオに渡した。
「その小瓶は、さっきプルーンが舐めた薬じゃ。何かあった時に使えそうじゃと思っての。飲んでも特に副作用はないじゃろう。」
ヒョウになる怪しい薬をゲットした。
お店を一旦出て、屋台でチーズとハムと葉っぱを挟んだサンドイッチを買い、魔法袋に仕舞うと、レオ達は街を出た。今日は半日かけて、一旦西の森の様子を見ようということになる。というのも採取リストを見ての結果である。
〜西の森採集リスト〜
1、レゴキノコ…四角い、赤色に白の水玉模様の傘を持つキノコ。ストーンアンツの巣の近くによく自生している。
2、クリスタルツリーの実…透明の幹と透けた葉をした木に実る果物。割れやすいので注意。
3、ハニーフラワー…蜂蜜の香りがする食虫花の花片。食べられないように注意。
3種類のみのリストであったが、説明書きを見ると単なる採取で終わる気がしない。そのため、今日は様子見だ。
街を抜けた西側は、田園地帯になっておりその先は平原が続いていた。さらにその向こうに、森や山が見える。徒歩だと1時間はかかりそうだ。
「にゃー!(そうだわっ、さっきのババ様の薬舐めていいかしら?)」
レオに薬をもらうと、プルーンはヒョウに変身した。初めとは違い、少し多めに舐めたので、2、3時間は変身していられそうだ。
「ガウッ!(レオ、私に乗れる?森まで走って行くよ。)」
「プルーン、自分からヒョウになるなんて…あまり無茶しちゃだめだよ。あと僕が重くて、しんどくなったら言うんだよ。」
「ガウゥ(大丈夫。なんだか新しいことに挑戦したくて。子猫の身だと普段はなかなか役に立てないから…)」
プルーンは、レオを背に乗せると駆け出した。子猫の時とは比べれないほど、太く骨太な両脚とスラッとしなやかな胴体、長い尻尾の成体だ。大きさは、ロバ程だろうか。
灰色ヒョウになったプルーンが駆け出すと、疾風が起こり、草原の草は波打ち、周りの景色がすごい速さで過ぎて行く。レオはプルーンの首元に捕まりながら、過ぎゆく景色に目をやった。
「綺麗だね。」
「ガウゥ(えぇ、見渡す限り草原が続いてて、波打っていて‥‥まるで海のようね。気持ちいい。」
15分程走ると森に着いた。まだ変身の薬が切れないのでそのまま森の中を進む。背の高い針葉樹が生えているが、木々の間からは木漏れ日が落ち、苔に覆われた地面を所々照らしている。歩道は無く、森は深そうだ。
「まず、どこに何があるか分からないから、ここから3時間位探索したら今日は帰ろう。」
森の入り口あたりに、レオが魔法で目印を作っておく。帰りは目印目掛けて帰ってくる予定だ。
レオを乗せたプルーンは、森を駆ける。プルーンは、岩山を登ったり、足場の悪い木々の間を抜けるのも、悠々とこなす。
(ヒョウになって動体視力や体力も比べ物にならないぐらい上がっているわ。)
プルーンは、素早い身のこなしだけでなく、小さな魔物なら、前足や鋭い牙で倒してしまえた。今も、向かってきた妖精型の魔物であるバンシーを前足で薙ぎ払うと、バンシーが悲鳴と共に絶命する。
ガウゥ!バシィッ!!
ピギャァァァー
「…プルーン、逞ましくなったね…この森なら生態系の頂点になれるんじゃない?」
「ガゥゥ…(それは、あんまり嬉しくないかも…)」
(かよわき令嬢であった私の今の姿を見たら、お父様やお兄様なんて卒倒するんじゃないかしら…)
さらに進んで行くと、木々の間からキラキラと無数の光が漏れているのが見えた。
「ウゥ…(レオ、あそこ何かありそうね。)」
「うん、進んでみよう。」
光の方に進んで行くと、そのエリアは周囲とは全く異なっていた。木々も葉も、透明で光沢があり水晶の様だ。そこに、太陽の光が無数に反射して、七色のプリズムとなっている。そして風が吹くと、水晶の葉は擦れあい、シャラシャラと音を立てていた。レオ達は、その光景にしばらく呆然と見惚れていた。
「ガゥゥ〜(こんな素敵な空間初めて見たわ。とても神秘的。)」
「凄いね、僕も初めてだ。これが、クリスタルツリーで間違いないね。」
プルーンは、一歩その空間に踏み入ろうとすると、前足に痛みが走った。見ると、少し血が出ている。
「大丈夫?すぐ治してあげるね。ここは美しさとは裏腹に、結構危険かもしれないね。」
前足の傷を魔法で防ぎながら、レオは呟く。
「にゃ〜(この葉や木は、水晶の様に硬くて、切っ先は鋭いのね。上からクリスタルの刃が落ちてくる様なものね。)」
プルーンは、ヒョウから子猫に戻っていた。
今度はレオが、結界を張りながらクリスタルツリーに近づく。落下する葉や足元の水晶が、結界にぶつかると粉々になった。
「結界を張ると進めそうだ。普通に突っ込むと、大怪我だね。」
結界を張りながら、レオとプルーンは進むことにした。クリスタルツリーの実を探しながら、進んで行くと、他とは違う一本の大木を見つけた。
その大木には、5m程の高さに、水晶の中に緑色の液体が入った球状のクリスタルがいくつも実っていた。
「にゃ〜(私、空中浮遊で取ってくるわ。)」
「プルーン、待って。魔法と物理耐性の結界を君の周囲に張るね。気をつけて。」
プルーンは、球状のクリスタル目掛けて飛んで行く。途中、葉っぱが落ちてきたが結界で守られた。実の近くまで来て大きさがはっきりと分かった。メロン一玉サイズで、プルーンの身体と同じくらいある。
(結構大きいわ、どうやって運ぼうかしら…このまま落としても、レオの結界で壊れちゃいそう。私が運ぶしかないわね。)
「にゃ!(サイボーグ化!)」
前足をハサミに変形させたプルーンは、実の上に飛び乗り、伸ばしたハサミで、実と枝を切り離した。そして、空中浮遊を使って一緒に運ぼうとする。だが、実だけ落ちて割れてしまった。物体に触れているだけでは、他の物体を浮遊させることができないようだ。
(意外に難しいわ…)
「プルーン、一旦戻っておいで。」
レオが、プルーンの体に、籠を布でくくりつけ、空中浮遊のテストする。プルーンの重さくらいなら、籠に入れて浮けそうだ。
「空中浮遊を使ったまま、実の真下に籠を持ってきて、実を切ってみて。」
今度は、ハサミで切り離した実を、籠に入れて持ち帰ることができた。
「にゃ〜♪(わぁ〜い、収穫できたわ。メロン狩りみたいで楽しい。)」
尻尾をふりふりして喜ぶプルーンに、レオは取れたばかりの実の中の液体をお皿に入れてくれた。
「これ伝説の美味しさの飲み物らしいよ。」
そう言って、切り離した枝がストローのようになっていて、そこから中の液体を飲んだ。プルーンも舐めてみる。
シュワシュワとした感触とメロンの香りと甘さを感じる。
「にゃにゃーん!(なぜメロンソーダー!)」
ジャンクな飲み物と似た味がした。
貴重だということでその後、実になってるもの10個ほど収穫し、魔法袋に収納した。
「今日はそろそろ戻ろう。明日もう一日あるしね。」
パキッパキッ…
突然、クリスタルツリーの欠片が割れる音がした。何かが近づいてきている。レオは、プルーンを懐に入れると、ツリーの影に隠れた。
大きな石の塊がこちらに向かって来る。
よく見ると、大小の石は3つ繋がっていて、触覚や脚が生えている。
「ストーンアンツじゃないかな。」
小声でレオが呟く。
ストーンアンツらしき魔物は、プルーンが先ほ落とした実の液体を舐めているようだ。
「あいつの跡をつけよう。巣のありかが分かるかもしれない。」
ストーンアンツがクリスタルツリーのエリアを抜けてから、気づかれないように追う。10分程付けて行くと、ストーンアンツの巣だろう場所にたどり着いた。沢山のストーンアンツが岩の間から出入りしている。パっと見では、キノコが何処に生えているか分からなかった。
「一旦帰ろう。奴らに見つかったら危ない。」
レオの判断で、魔法で目印をつけ、今日は帰ることにする。帰りも、プルーンがヒョウに変身し、帰路に着いた。
(ฅ'ω'ฅ):最近23時には寝てしまう作者です。
( 'ω'):ステイホームだもの…
(ฅ'ω'ฅ): 少しでも気に入って頂けたら、ブクマと広告下の評価をよろしくお願いします☆☆☆☆☆を★★★★★にするだけなのです。
( 'ω'):急に宣伝入った!
(ฅ'ω'ฅ):作者はアピールが足りないよ!読者さんとのつながり、評価があってこその、小説なんだから!
( 'ω'):はぅ…頑張ります。




