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ココ・メアリの裏日誌  作者: ちゃむにい


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10/20

その10

8月13日


化け狐を捕まえたというので見せてもらったら、シクシク泣いている狐耳の女性が檻の中にいた。


その様子が、あまりに哀れだったので、よく話を聞いてみると、化け狐さんは柳さんだった。

生き神として崇められており、箱入り娘として蝶よ花よと育てられたという。


つまり家出娘ということか。


とりあえず、迎えの人がきたので、住家だという山奥にある村まで送り届けた。

迎えのお兄さんの頭に、小さな角が2つあったんだけど、まさか鬼じゃないよね、と思いつつ、柳さんとバイバイした。

ねっとりとした肉食獣のような……獲物を見るような恐ろしい視線でお兄さんが柳さんを見ていたので、私は察した。


家の人が言うに、柳さんとお兄さんは、家同士が決めた婚約者なのだという。


頑張れ、柳さん……。


8月14日


議題にも上った、深夜にギルドから奇声が聞こえるという住民の苦情……。

新手の魔物か、と討論されていたが……。


すまん、それ私だ……類い稀な音痴だとは自覚しているが、歌うのが好きなんだ。


まさか、子供が肝試しするほどとは思わなかった。 歌えないのは悲しいが、そんな近所迷惑になってるなんて知らなかったので、しばらく自粛することにする。


8月15日


この日記は、日本語で書いているが、勉強のためにも、この世界の文字で書いても良いよなぁと思う。


しかし万が一、他の人に見られるという事故があった時のことを考えると日本語のほうが無難だろうか?


8月16日


差し入れで搾りたてのミルクをメリーおばさんからいただいた。

めちゃめちゃ美味しい。


仕事は山積みだけど、頑張れる気がした。


8月18日


パウル村のおじさん手製のブドウジュースが出来たから、飲んでみろと言われて飲んでみたが噴き出した。


あんな不味い飲み物初めて飲んだ。


おじさん曰く、改良の余地あり。


いや、抜本的な改良の必要性があるだろ……。


8月20日


廃墟の遺跡を発見したことを黙っていたことが、ばれた。


安眠を求めて蚊帳まで持ってきていたので、言い逃れは出来ない。


報告義務は任意であって、法的拘束力はないはず。

と苦しい言い訳をした。

冬には言うつもりだったよ。たぶん。


8月22日


狩人のエデンさんが仕留めた害獣の毛皮を換金するついでに顔を出しに来た。


魔物を狩るほうが稼げるらしいけど、生まれ育った村が大好きなエデンさんは仲間と共に奮闘している。


燻製の兎肉を持ってきてくれたので、300ルピー払う。


8月21日


勇者の妹が、エデンさんの話に興味を惹かれたのか、私も行きたいと言い出した。

迷惑だからやめなさいといったのだけれど、エデンさんは「こんな私でいいなら、教えましょう」と言ってくれた。

大丈夫なのだろうか。


8月22日


元々小食だったけど、ルチアが餌を食べてくれない……

餌を砕いてみたり、柔らかくしてみたりしたけど、全然だめ。

みんなルチアが食べれそうなものを持ってきたり、獣医を連れて来たりしてくれてるけど、食べてくれない。どうしたらいいんだろう。

ギルドの定位置で寝てばかりで、みんな心配そうにルチアを見ている。


8月26日


ルチアが眠るように亡くなった。

みんな号泣して、亡骸を埋められないほどだった。


8月27日


何かに呼ばれた気がしたから返事をしたが、どうやら空耳だったらしい。


私、疲れているのだろうか。


はやく寝よう。


8月28日


今朝は、金縛りがあった。


仕事をお休みした。


8月29日


ルチアの定位置に、ぼんやりとした白いものがいて、大騒ぎに。 霊感が強いという神父様にも来てもらったが、そこにいるのは猫の霊魂らしい。

猫って、ルチアか。


私が心配で地上に留まっているのだろうか。泣けてきた。



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