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プロローグ
昔、契約の力ありにけり。
望む者には恩寵を、愚かなる者には破滅を。
人々これを信じ、運命を変えんとす。されど誰一人として気付かず。契約には必ず代償が付きまとうこと。
恐れる者あり。憧れる者あり。利用せんとする者、また然り。
かくして幾度となく戦起こり、契約者、名も無き戦場にて散りけり。歴史の陰に沈みし者、数知れず。
されど世界、その力を忘れず。静かに、確実に、次なる契約者を求め続けたり。
そして今、また1人。
未だ誰もその名を知らぬ契約者、静かに歩み始めん。
その歩み、平穏なるものにあらず。
契約の力は心を試し、信念を砕き、選択を迫り、その度魂を削りゆく刃なり。
彼の名は、いまだ風に紛れて小さく囁かるるのみ。
されど世界ははや知りたり。
やがてその契約の炎、全ての秩序を焼きつくさんことを。




