第四話 セリアの一日
セリアはとても心配していた。
親友であり良き同級生である宮前白雪は、行儀がよくて成績優秀な優等生。知り合って以来、セリアは白雪が一日も学校を休んだのを見たことがなかった。それなのに今日、彼女の席は空いている。しかも学校に病欠の電話すら入っていない。ずる休みなどするはずもなく、そんなことが白雪に起こるはずもなかった。
さらにセリアを心配させたのは、昨日白雪が自分に秘密を打ち明けたことだ。どれほど仲のいい親友でも、母親に男がいたなどというのは決して誇れる話ではない。しかもそれが一度に七人ともなれば。白雪が後になって後悔し、亡き母の名を汚したと自責して自殺してしまっても、おかしくなかった。
ましてや、あの、運動場でちょっとスカートがめくれただけで退学しようとするほどの恥ずかしがり屋なのだ。
首吊り、服毒、手首を切る、喉を切る。親友が惨たらしく死ぬさまざまな想像が、セリアの頭の中に浮かんでは消えた。
「先生、気分が悪いので早退します!」
ついに昼休みのチャイムが鳴る前に、セリアは堪えきれなくなった。親友に一体何が起きたのかを知らねばならなかった。
「おや?ラントさん、どこが具合悪いのかね?」
太い黒縁の眼鏡をかけた山口先生が尋ねた。
「生理なんです、お腹がすごく痛くて、すぐに帰って休まないと!」
思春期の女子生徒にとって、生理痛は最強の欠席理由である。それを聞いた男性教師は、それ以上問い詰めることも、診断書の提示を求めることもできない。
セリアは鞄をつかむと、すぐに白雪の家へと走り出した。家がみすぼらしいため、白雪はこれまで誰も家に招いたことがなかったが、親友であるセリアには住所を教えていた。
「ここかな……」
手書きのメモを頼りに同級生の家の前にたどり着くと、セリアは数秒ためらい、とりあえず試してみようとドアノブを回した。鍵がかかっていない!
それはセリアをさらに怖がらせた。白雪のような慎重な性格の子が鍵をかけないなど、状況は一つしかない。遺体が臭くなる前に誰かに見つけてもらうためだ!
「やっぱり私の推測は当たってたんだ。このバカ、今どき、母親に男がいたくらいで娘が自殺する必要なんてあるわけないでしょ?お願い、まだ息はあるの!」
セリアは慌てて部屋のドアを押し開けた。中は真っ暗で、強い血の匂いもしない。少なくとも、手首を切った血の海ではない。
親友のみじめな死に顔を見るのが怖かった。だが、セリアは歯を食いしばって部屋に足を踏み入れた。このような狭い家にリビングなどあるはずもなく、入ってすぐに、丸まった布団が見える。その盛り上がりようから、中に人がいることは確かだった。
「来るのが遅かった。可哀想なゆきちゃん。」
セリアは、白雪の遺体が布団の中に包まれているとほぼ確信し、昨日自分の好奇心のせいで同級生を死に追いやってしまったことを、ひどく後悔した。
「ゆきちゃん、どうしてそんなにバカなことを。死んで問題が解決するわけないでしょ?どうしてそんなに自分を大切にしないの……」
セリアの涙は思わずあふれ出た。彼女は震える両手で布団をめくり、心の準備をした。白雪の死に顔がどんなに恐ろしくても、気にしない。なぜなら彼女は私の一番の友達だから。
だが布団の中にあったのは、目を見開き、舌を出した遺体ではなく、真っ裸で、ひどく泣いている女の子だった。
「ゆきちゃん?大丈夫?びっくりさせないでよ!どうして電話も出ないの?」
セリアは安堵と驚きで、親友がなぜずる休みをして家で裸で泣いているのかは分からなかったが。
「せ、セリア?」
白雪の涙と鼻水と唾がぐしゃぐしゃに混ざり、ある意味これも惨憺たる有様と言えた。
セリアは、もし誰か男子に白雪のこの姿を見られたら、彼女は絶対に嫁に行けなくなるだろうと確信した。
「え?継母に襲われて、もう少しで命を落とすところだったって?」
泣きじゃくる中で、昨夜のことをだいたい聞き終えた。彼女の最初の感想は、明らかに本の虫なのに、どうしてSF小説みたいなことを言うの?というものだった。
「嘘じゃない、本当のことなの。私も最初は夢だと思ってた。でも今朝起きたら、服を着ていなくて、それが全部本当のことだったって分かったの。」
白雪の涙は依然として流れ続けている。セリアは頭をかきながら言った。
「私、家ではよく裸で寝るけど、それは夢じゃない証拠にはならないわよ。」
「信じられないなら、浴室を見てくればいい……」
白雪がむせびながら言うので、セリアは本当に様子を見に行き、戻ってきた時には白雪と同じく顔を青ざめさせていた。
「壁が全部なくなって、大きな穴が開いてる……」
「だから言ったでしょ、夢じゃないって……うう……本当よ、全部見られちゃったの!」
事実が裏づけられ、白雪はさらに激しく泣いた。逆にセリアが心配したのは別のことだった。
「バカね、見られたって何よ?肉が減るわけでもないし、大事なのはあんたの継母が殺そうとしたってことよ!」
ドイツ娘のセリアにとって、裸を見られることなど大したことではない。親友の命が脅かされることの方がはるかに重大だった。彼女は白雪を落ち着かせ、昨夜のことをもう一度最初から話してもらった。
「話すことなんてないわ。全部見られちゃった、全部見られちゃった……」
「もう、うるさいな!早く詳しく話してよ!!!」
怒鳴られた末に、どうにか聞き出せた話は、聞けば聞くほど奇妙だった。巨大な機械の大蛇、それと一体化した継母、母が残した装甲機。これってまるで三流小説の筋書きだろう?
「そういえば、ゆきちゃんの家はみんな科学者だし、こういう不思議な発明品があってもおかしくないわね。でも継母が言ってた『ゲーム』って何のこと?」
セリアはいつものように条件を整理してから一つずつ分析したが、白雪はぼんやりと首を振るばかり。セリアは顎を手で支えながら言った。
「それなら仕方ないわ。直接問い詰めに行くしかないでしょ。」
「嫌!あの女にはもう会いたくない!」
一夜の恐ろしい経験を経て、白雪は真城亜希に会うのがどうしても怖かった。セリアは被害者が加害者を恐れる気持ちを理解し、無理強いはしなかった。
「じゃあいいわ。また方法を考えましょう。彼女はゆきちゃんの前で正体をさらすのも怖がらなかったんだから、きっと何か後ろ盾があるに違いないわ。」
無理に継母に会わされずに済み、白雪の気持ちは少し落ち着いた。セリアはまた尋ねた。
「それで、後で誰が助けたの?」
白雪はぼんやりと首を振った。
「分からない。あの女にすごく高いところに連れて行かれて、落ちた時にはもう気を失ってた。それから目が覚めたら四人が見えて……うう……全部見られちゃった、全部見られちゃった……」
その恥ずかしい状況を思い出し、白雪は思わずまた涙を流した。セリアは同じ台詞を繰り返す彼女に苛立ち、やけくそ気味に言った。
「彼らに見られただけならまだしも、あんた、真っ裸で夜中まで街にいたんだから、他に誰も見てないなんて断言できる?もしかしたら動画に撮られてネットに上げられてるかもよ。『巨大メカ大蛇、裸の女子高生を生け捕り!』、絶対に大バズりよ。」
「うわ!もう生きていきたくない!」
セリアの描写を聞いて、白雪は壁に頭をぶつけて自殺しかけた。
セリアは相手にせず、推理を続けた。
「そうなると、彼らが助けたってことになるわね。何か言ってなかった?それか、何か特徴はなかった?」
「うう……全部見られちゃった、全部見られちゃった……」
セリアは推理を続ける。
「目が覚めたら服を着てなかったって言うなら、家まで送ったのもその四人のはずよ。でも彼らはどうしてあんたの家の住所を知ってたの?もしかしてあんたのこと、知ってる人?何か心当たりない?」
「うう……全部見られちゃった、全部見られちゃった……」
もし手に包丁があれば、セリアは少し前までその身を心配していたうるさい同級生を、迷わず斬り捨てていただろう。
その後しばらく宥め続けたが、セリアは自分の言葉が全て無駄だと気づいた。目の前にいるのはもう人間ではなく、同じ台詞を繰り返す拡声器だった。泣き疲れるのを待ってから考えるしかない。
「泣き止んだ?お腹空いたでしょ?一緒に何か食べに行かない?」
ナイル川もいつかは涸れるという。あれほど滝のようにあふれていた涙が水滴に変わるのを見て、セリアはそろそろ頃合いだと思い、白雪に尋ねた。女の子は力なく首を振った。
「お腹空いてない……」
セリアは柔らかい声で言った。
「あんたは空いてないかもしれないけど、私は空いてるの。一緒にご飯を食べに行ってくれる?」
「じゃ……分かった……」
白雪は親友の気遣いを理解し、素直にうなずいた。しかし今しがた布団から立ち上がろうとした途端、またうつむいて言った。
「背中を向けてくれる?私……服を着てないの……」
セリアは半分呆れたように身を翻した。自分も女なのに、白雪は裸を見られることすら嫌がるのだ。まして、昨夜それを見たのは男だった。彼女が死にたくなるのも無理はない。
白雪は静かに服を着て、セリアとともに扉を出た。セリアは同級生の冷たい手を握り、安心するように言った。
「怖がらないで、私がついてるから。」
「うん……」
一人で混乱している時、友達の手こそが最も頼れる支えなのだ。
二人の女の子は麺屋に入り、セリアは豚骨ラーメンを二つ注文した。無理にでも白雪に自分の分を食べ切らせるつもりだった。
「本当にお腹空いてないのに……」
「空いてなくても食べるの。はい、口を開けて!」
どうにか麺を白雪の口に押し込み、セリアは尋ねた。
「それで、これからどうするつもり?継母がまた襲ってくるのが怖くないの?」
「分からない……」
「警察に届け出たら?あんた自分からは会いに行けないけど、襲撃罪で拘束してもらえるわよ!」
「だめ。第一に、警察がこんなこと信じるとは限らないし、第二に、昨日街で裸だったのが……私……だってことを知られたくないの……」
「それもそうね。もし本当に動画を撮られてたら、街を裸で走ってたのが宮前白雪だって誰もが知っちゃうもの……ゆきちゃん、どうしてまた泣いてるの?さっき泣き飽きたんじゃなかったの?あんたいったいどれだけ涙があるのよ?」
麺屋を出て、セリアは白雪の手を引いて近くの小さな公園へ行き、二人でブランコに座った。セリアが提案した。
「しばらく私の家に来て泊まらない?」
白雪は同意しなかった。
「だめだよ。もしあの女がまた来たら、あなたの家を巻き込んじゃう。」
「じゃあ……私があなたの家に寝に行く!」
「セリアが私の家に?だめ!あなたを巻き込んじゃう。あの女は本当に怖いんだから!」
「バカね、あんたがこんな目に遭ってるのに、一人で怖がらせるわけないでしょ?友達ってのは、苦難を共にするものよ!」
「セリア……」
「いつか私が困った時にゆきちゃんの助けが必要になるかもしれないでしょ。何ができるかは私も分からないけど、二人いた方がずっと安心だもの。もう決めた。断ったら、私を友達と思ってないってことよ。絶交するからね!」
「セリア……」
白雪は涙目で、こんな守護天使を与えてくれた神に感謝した。
「夜のバイトには行くの?」
決めると、セリアが尋ねた。白雪はうなずいて言った。
「こんなに早く帰っても怖いし、おじいさんおばあさんのところの方がまだいいの。」
「そうね、市場は人が多いから、あんたの継母も何もできないでしょ。じゃあ私は家に服を取りに帰る。夜十時に駅前で待ち合わせて、一緒に帰りましょう。」
「うん、あなたも気をつけてね、セリア。」
「分かってるって。ドイツ娘は度胸があるのよ。」
授業に出ないので、白雪は早めに雑貨店へ手伝いに行った。おじいさんおばあさんが何があったのかと尋ねたので、女の子は朝少し風邪気味だったので病欠したとだけ答えた。
忙しさは人に悩みを忘れさせてくれる。この日は店に新入荷があり、白雪は忙しく立ち働き、ちょうど昨夜の影から一時的に逃れることができた。
仕事を終え、夕食を食べ、白雪は約束どおりセリアと待ち合わせた駅に来た。女の子はすでに待っていて、白雪を見ると嬉しそうに手を振った。
「夕食は食べた?」
「食べたよ、あなたは?」
「私も家で食べてきた。おばさんは私が同級生のところに引っ越すって聞いて、どれほど喜んだか。女の子だって聞いたら、途端に残念そうな顔になったけどね。」
セリアは舌を出して笑った。
「雑貨店から日用品をもらってきたよ。歯ブラシ、タオル、ボディソープ、シャンプー。他に買うものある?」
「だいたい揃ったわね。私はパジャマを持ってきた。そういえば、これからはお互いの下着を交換して着てもいい?」
「そ、それはちょっと都合が悪いかな……」
「何が都合悪いのよ?親友ならこれくらい当たり前でしょ!」
二人は狭い家に戻った。最初は白雪が狭すぎないかと心配したが、セリアは全く気にせず、一緒に荷物を片付け、二人の女の子が寝るのに十分なスペースを空けた。
「ふう、できた。これで二人で寝ても大丈夫ね。でも先に言っておくわ、私はいびきがちょっと大きいから、文句言わないでよ。」
白雪は笑って言った。
「私も寝相が悪いから、私と同じ部屋で寝たって明日後悔するよ。」
「よし、じゃあ私たち姉妹で睡眠協奏曲を奏でましょう。」
セリアが笑った。
部屋を全部片付けて、セリアは肩を叩き、少し疲れた様子で言った。
「疲れた。お風呂に入って寝よう。」
白雪はスマホの時計を見て言った。
「お風呂?でも今……まだ十一時半だよ……」
「もう十一時半なのよ!夜十一時以降に寝ると、女子の老化が五十パーセント加速するって知らないの?」
白雪は言葉に詰まって言った。
「こんな時間は隣人もまだ起きてるし、それにお風呂に鍵がないの。もし誰かがドアを開けたら……」
セリアは誇らしげに腰をくねらせた。
「それならサービスしてあげればいいじゃない。どうせこのお嬢様のスタイル、人に見せられないものでもないし。」
「それは……見せられるかどうかって問題じゃない気がする……」
と白雪は思った。もし昨日のがセリアだったら、彼女は全く気にしないだろう。
「そういえば、お風呂の壁、壊れてたわね。どうやって入るの?」
セリアが突然、今朝見た大きな穴を思い出し、白雪もすっかり忘れていた。二人でお風呂場を見に行くと、外側には修理の板が打ち付けてあった。この古い家では、大家は壁が老朽化して自然に剥がれたと思い込み、役所を煩わせたくないので、とりあえず塞いでおくしかなかった。
「どうしよう?」
女の子は清潔好きで、風呂に入らなければどうしても眠れない。白雪は一つ上の階を見てみようと提案し、幸いにもそこの浴室はまだ使えた。
再び部屋に戻ってタオルと着替えを取る時、セリアは白雪の体が絶えず震えていることに気づいた。
「やっぱりまだ怖いんでしょ。あんな恐ろしい夜を経験したら、誰だってすぐ忘れられるはずがないわ。」
セリアは白雪の手を取って言った。
「行こう、一緒に洗おう!」
白雪は大変驚いた。
「一緒に洗う?」
セリアは真心を込めて言った。
「そう、あんたまだ怖いんでしょ?一緒にお風呂に入れば怖くないわよ。女の子同士なんだから大丈夫でしょ?」
白雪はセリアが自分のためを思ってのことだと分かり、感動してうなずいた。
「うん!」
「背中を流してあげる。」
「私も流してあげる。」
結局、お風呂場の前まで来て、白雪はやはり尻込みし、明日一緒に入ろうという理由で断ってしまった。真摯な友情も、恥ずかしがり症にはついに勝てなかった。
二人は交互に浴室に入り身支度を整え、もう一人は外で見張った。これでようやく、怯えた小鳥のような女の子も安心できた。
「終わった、部屋に戻ろう。」
タオルで香りの残る髪の先を拭き、白雪とセリアは洗面器を持って部屋に戻り、二人分の布団を敷いた。女の子たちは顔を見合わせて笑い、初めての同室の夜をともに過ごした。
静かな部屋の中、それぞれ布団に横たわり、白雪が小声で言った。
「セリア……」
「何?」
「一つ提案があって、相談したいんだけど……」
「言いなよ、何でも聞くから。」
「ねえ……もし昨夜、本当に全部見られちゃってたら、私たち一緒に自殺しない?」
「おやすみ!!」




