表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
雉白書屋短編集  作者: 雉白書屋


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
83/709

皮一枚           :約500文字 :ホラー

「おう! ああ、いいよいいよ! また誘うわ! じゃあな!」


 ……暇だ。片っ端から友人に電話をかけたが、今日は誰もつかまらない。こういう日だと思って、あきらめるか。


 とあるアパート。男は畳の上に大の字になり、深く息を吐いた。次いで大きなあくび。漏れた息の音が耳の奥で乾いた響きを残す。静寂の中、ただ天井の木目をぼんやりと眺めた。


 ――ん?


 舌打ちをし、静けさを嫌って鼻歌でも歌おうとしたときだった。

 どこからか話し声が聞こえた。

 テレビだろうか、それともラジオか。このアパート、壁薄いんだよな……でも、なんだ? なにか……。


 気になった男は身を起こし、壁に耳を当てた。

 音の出どころは隣の部屋で間違いなさそうだ。ボソボソとくぐもった声。年老いた女性のものに聞こえる。

 電話か? ……いや、それにしては途切れがない。抑揚もなく、ただ一定の調子で低く続いている。


 ……念仏?


 ふと、男はそう思った。

 妙にしっくりきた。仏壇に向かい、手を合わせながら呟く老婆の姿が目に浮かんだ。


 ……だから、なんだ。つまらない。


 男は壁から耳を離し、再び畳に寝転んだ。また大きなあくびをする。しかし――


 ……ん? さっきより、近い?


 妙な違和感に駆られ、男はもう一度壁に耳を当てた。

 それは壁一枚隔てた向こう側から、はっきりと聞こえた。




「死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ