第44話 狩人の戦術
ナイフ程度にした雷を6本、扇状にばら撒く。
レプティは一蹴りで木の枝に脚をかけ、距離のまばらな木々の幹に雷が刺さった。
そうだ、奴はそのまま飛び込んでくる。
間合いを詰めさえすれば、きっとその遺物で斬れないものなど無かったのだろう。
雷槍を足に刺して、加速。
素早く後ろに跳びながら次の槍を引き抜く。
足場の枝をへし折りながら飛び込んできたレプティが、やがて俺のいた地面を轟音と共に抉る。
同時に、その頭がピクンと跳ねた。
そう、魔獣なら気付く筈だとも。
僅かに残した雷槍と俺の右手を結ぶ魔力の雷────糸のようなその魔力の繋がりに。
「!!!?」
グイッと右手で魔力を手繰り寄せる。
木々に刺さった小さな雷が一気に俺の方向へ向かい……その延長にいたレプティの背中側に刺さっていく。
後ろ脚にも刺さり僅かに動きが鈍る。
この瞬間を待っていたッッ!!!
「オラァッ!」
雷槍を力の限り振り放つ。
怯んだレプティの身体を雷が貫き、碧の光がレプティに奔った。
レプティが目を見開き、その痛みにのたうち回る────────その直前。
ガシッ!
「悪いのはこの手か」
「! ロザリアッ!」
レプティの手首を掴む。
そのまま────────
「ブチ折れろッッ!!!」
青黒く揺らめく魔力を纏い、ロザリアの渾身の手刀が奴の遺物を削ぎ落とした。




